いや、いるんだ。間違いなくいる。

いるけど、それを口に出して宣言するアマチュアミュージシャンはいない、
という話だ。

ここでいう「アマチュアミュージシャン」とは、ソロでもバンドでもいいんだけど
自分でオリジナル曲を作って活動している人たち、と定義する。
だから、普通にボウイのコピーバンドをやって楽しむ人は多いと思うが
それはまた別の話だ。

オリジナル曲を作って、バンド活動をしている人たちの話だ。

百歩譲って、ボウイに「あこがれ」を抱く人は少ない、としてもだ。
たとえば「ボウイを聴いて布袋を見てギターを始めた」というやつは
少なくないはずだ。

しかし、いないんだ。そう口にするやつが。

オレはかれこれ25年間(なげーなおい)アマチュアバンドで、
ギターボーカルとして活動している。
しかし今まで「ボウイにあこがれている」と、口にした
アマチュアミュージシャンに出会ったことがないんだ。

せいぜいいたとして、
「ボウイ?あー、昔は聴いたこともあったけどね(苦笑)」レベルだ。

おかしい。

中学、高校時代に「バンドブーム」なるものを経験した40代バンドマンに
それがいないのはおかしい。
ボウイ解散後の、メンバーのソロ時代(全盛期)を聴いたであろう30代に
それがいないのもおかしい。

猫も杓子も氷室だ布袋だ言ってたやつらが、大人になってバンドマンになると
その過去を封印するんだ。

なぜか?

理由ははっきりしている。

アマチュアバンド界はマイナー指向人間の集まりだ

とにかく、メジャーなものはダサいということになっているんだ。
ボウイはもちろんB'zなんかもダサいということになっている。
「あれ、ロックじゃないし」とか。「歌謡曲だろ」って。


ホントは好きだとしても、だ。

どうしてマイナー指向なのか。
やっぱりオリジナル曲で勝負するにあたって、
「他とは違う」アピールが必要になるからだろう。

ライブは他のバンドとの勝負の場である

アマチュアバンドのライブは複数のバンドで行われることが多い。
よっぽど人気がなければワンマンライブなど、できるわけもない。

だから常に他のバンドと比べられることになる。
まぁ、それはいい事だろう。お互いのレベルアップのためにも。
しかし、やっぱりそこは勝負の場になる。

やるからには勝ちたいじゃない。
他のバンドに勝つためには、オリジナリティが必要だ。

演奏するオリジナル曲はもちろん、そのバンドのバックグラウンドも
勝敗を左右する。

バックグラウンドとはなにか。

「ルーツ」だ。

どんなミュージシャンにあこがれているか、とか。
どんなミュージシャンに影響されたか、とか。
そのバックグラウンドが、「他とは違う」オリジナリティのアピールになるんだ。

そこで「ボウイ」と口にするやつはいない、という話だ。

邦楽ロック界において、あまりにもメジャーすぎるからだ。

「他とは違う」とはならないからだ。

例えば好きな小説を聞かれて
「夏目漱石のこころですっ!」
と、直立不動で大きな声で答えたらどうだろう。

メジャー作品すぎて、バカだと思われるのではないか。

いや、それ、メジャーどうのこうの関係ねーよ。
「ですっ!」って大きな声で答えるからだろ。
なにより直立不動になる意味がわからないよ。

確かに。

じゃあ、落ち着いた雰囲気で小さな声で答えたことにするよ。
それはそれで、「こいつ教科書で一部分読んだだけじゃねーか」
そう思われて、やっぱりバカにされるのではないか。

メジャー作品の恐ろしいところだ。

それと同じように好きな音楽を聞いたとしよう。

「好きな曲はボウイのB・BLUEですっ!」

って、直立不動で大きな声で答えるようなやつがいたとしたら
そいつが創り出す曲に、あまり期待できないのではないか。

だから「ですっ!」がおかしいんだっつーの。
なぜに直立不動なんだよ。

いや、別にいいだろ。俺は気にならないな。B・BLUEはいい曲だし
ルーツはあくまでルーツだ。

「大切なのはそのインプットに対して、何をアウトプットできるかだよ。」
したり顔でキミはそう言うかもしれない。
なにごとも本質を見極めるのが大切だよ、ってね。

ほう、インプット、アウトプットきたか。

自己啓発本の読みすぎじゃねーか?大丈夫か?

ところでオマエはどうなんだよ、って話だ。
25年もクソバンドやってるオマエだ。

え?オレ?ボウイ?
「あー、昔は聴いたこともあったけどね(苦笑)」

のクチだ。
そのクチだったんだけど、オレはアレに行ってきたんだ。
2016年5月のことだ。

KYOSUKE HIMURO LAST GIGS

20170606ld-1

東京ドームで人生で初めて氷室京介のライブを見たんだ。
最初で最後の氷室京介だ。

ロックのカリスマがそこにいた。

メジャーとかマイナーとか、そんなのどうでもいい話だった。
氷室京介が歌っていた。それだけのことだった。

アレを見て、もし、ボウイの曲や氷室京介をダセーと言える
アマチュアミュージシャンがいるとしたら、是非お目にかかりたいものだ。
きっと好きな小説は「夏目漱石のこころですっ!」と
答えることだろう。

そして最後の曲はB・BLUEだった。


最後まで読んでくれてありがとう。







スポンサーリンク


コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット