函館マラソン2017ロゴ

自虐にもほどがあるだろ、そう思ったのは開会式での函館市長のあいさつ、だ。
それを聞いたオレたちランナーは、「何言ってんだコイツ」と苦笑いせずにはいられなかった。
けっこうザワついたよね。

第2回函館マラソンは、市長のこんなあいさつから始まったんだ。

「今年は天候にも恵まれて」
と、ありきたりな言葉に続いて
「今年の沿道の応援は、去年に比べると3倍近く多くなったと聞いてます。」
という話になって。

ふむふむ、うれしいことじゃないか。函館市民も大会を盛り上げてくれてんだな。
そう思った途端、市長が驚くべき言葉を口にしたんだ。

「ランナーのみなさん、どうか応援をやかましいと思わないで、拍手のひとつでもしてやってください(笑)」

ときたもんだ。

バカか?(笑)なんか逆だろ、逆。

オレは今まで、何度もマラソン大会で走ってきたが、応援を「やかましい」と思ったことなんて、ただの一度もないぞ。他のランナーだって、きっとそうだろ。
見たことも聞いたこともないぞ。「いやー、今日の応援うるさかったな」とか言ってるやつ(笑)

きっと市長渾身のジョークなんだろう。
観光都市函館の代表として、全国から集まってくれた(47都道府県すべてから!)ランナーを歓迎する気持ちが強すぎる余りに、ついつい、と好意的にとらえておこうか。

実際、苦しい時に背中を押してくれる、すばらしい応援ばかりだったよ。
ブラスバンドもいれば、ヨサコイ踊りもあれば、チアリーディングもあれば、和太鼓演奏もあれば、盆踊りもあった。それを見て、すごく元気が出た。

やかましい、なんて滅相もない(笑)

そんな市長のジョークで始まった函館マラソン。
オレは去年のフルマラソンに引き続き、今年はハーフマラソンを走ってみたんだ。

素晴らしい大会だった。

何がすばらしいって、
実行委員の「改善する姿勢」が素晴らしい。


どんなマラソン大会だって、誰かかれか、なんかかんか不満を持つ人は現れるものだ。ネット上のレビューなんかを見ればそれは明らかだ。きっと、大会本部に直接苦情を入れている人も少なくはないののだろう。


しかし、それら意見に対応し改善する大会がどれだけあるだろうか。

「エイドでの給水が不足していた」などの、下手をしたら命にかかわるようなことは、改善するだろう。でも、たとえば「アップダウンが多すぎる」といった、「おまえはスポーツクラブでトレッドミルでも走ってろ!」と言いたくなるような苦情に、いちいち対応する大会があるだろうか。

あるんだ。

函館マラソンだ。
函館マラソン実行委員、その人たちだ。


函館マラソンの公式サイトを見ると「準備状況・開催状況」という項目があって、そこに去年の第1回大会を踏まえたうえでの、今回の改善過程・状況が事細かに記載されている。
その項目は、かなりの頻度で更新されていた。
オレは今まで、ここまで更新するマラソン大会の公式サイトを見たことがない。そこも素晴らしい。

大会コンセプトからなにから、とにかく事細かに記載されている。
どれほど細かに記載されているかといえば、あまりの細かさに、オレは途中で読むのをやめたほどだ(笑)
時間がある人は、是非読んで欲しい。きっとその「改善する姿勢」に感動し、来年は出場してみたくなるはずだ。

ちなみに大会コンセプトは次のように書かれている。フルマラソンのコンセプトがなかなか洒落ている。これで、アップダウンが厳しいとか文句をいうランナーは、マラソンは苦しくも楽しいということを改めてわかってほしい。だって、苦しいの嫌だったら、走らなきゃいいじゃんね(笑)

ハーフは記録を狙う高速マラソン
フルは日本一過酷なファンラン

それに加えて、目標としてこんなことも書かれている。

魅力ある市町村ランキングで3年連続日本一に選ばれた函館。そんな街で開催されるマラソン大会が日本一じゃないわけがない!」ぐらいの勢いでやってます。 
いい。「わけがない!」ってとこが、とてもいい。応援したくなる。

公式サイトには「2017大会への要望・回答」という項目もあって、要望とその改善策を書いた一覧表を見ることができる。ホント、がんばって改善している。時間のある人は、これも見てほしい。実行委員のがんばりがわかる。

しかし、その要望がヒドイ(笑)
制限時間の延長要望はもちろんのこと、もう、すごいんだ。
一部抜粋してみる。

・エイドや景色を楽しめない。
・開始をもっと早くしてほしい。帰る時間があるから。
・開始をもっと遅くしてほしい。
・(去年は)悪天候のためか応援が少なかった。エイドや応援が静かだった。
・宿泊したホテルの関係者から応援がなかった。
・後半のアップダウンが多すぎ。
・(救護施設において)スプレーが目にしみる。
・フードの後にドリンクを置くべき。
・羊羹をおみやげにしたかった(エイドに函館名物の羊羹がある)
・荷物袋が小さかった。
・参加料が違うのだから、フル・ハーフで記念品に差をつけてほしい。
・完走メダルがないのに(参加料が)高すぎる。
・完走証が雨に濡れてグシャグシャになった。袋かクリアファイルがほしい。
・コースの折り返しが多すぎ。

なんだよ、「宿泊したホテルの関係者から応援がなかった」って。知るかよ(笑)

心の狭いオレなんか「マラソンやめちまえ!」と怒鳴りつけたくなるような要望ばかりだ。
しかし、函館マラソンの実行委員は違う。

この他にもまだまだある要望に、真摯に回答し、多くを改善すると説明している。

事実、今年の完走証はクリアファイルに入れてくれたし、荷物袋も大きくなった(ようだ)

今回の参加人数はフルハーフ合わせて8,000人くらいだったようだが、将来1万人規模の大会を目指しているとのこと。函館くらいの大きさの街で1万人集めたら、すごいんじゃないか。

たぶん、近いうちにいくと思う。

だって、楽しいもん。

エイドのフードも「函館名物」をふんだんに取り入れてバラエティー豊かだ。
海鮮丼や塩ラーメン、羊羹なんかがある。
函館マラソンエイド羊羹

公式サイトより、去年の様子。羊羹。



レース終了後(前日もやっている)の「おもてなしフェスタ」と銘打ったエリアでのフード、ドリンクのおもてなしは、お祭り気分を盛り上げる。



ランナーも応援の人も無料!で飲める、冷えた函館牛乳は超うまい!
グルメ番組なんかでは「んなわけあるかい!」って言葉だが、これを言わせてくれ。

「コクがあるけど、さっぱりしてる」

いや、マジで。走ったあとでのど渇いてたのにゴクゴク飲めた。で、おいしい。
函館マラソン函館牛乳無料ふるまい




出店も豊富
函館マラソンふるまいコーナー出店1


函館マラソンふるまいコーナー出店2




参加賞でお米をもらったり。(イカ飯とか大きなオニギリとかいろいろ選べる)
函館マラソン参加賞 ふっくりんこ



とにかく楽しい。

そういえば、オレ、ハーフで自己ベスト出したよ!
ハーフマラソンコンセプトの「記録を狙う高速マラソン」は本当だ。
でも、そこまでフラットなコースってわけでもないような、気がしないでもないが(笑)

観光も含めて、オススメできる大会だ。


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