本来それは坂道攻略のフィジカル的なテクニックだ。
のはずだ。
しかしオレは精神的なテクニックとしてそれを用いた。
そう、オレの用法は間違えている(笑)
ただ、それによって助けられたことも事実だ。
このテクニックがあったからウルトラマラソンを完走できたと言っても過言ではない。
戦略的な歩きテクニック
「戦略的な歩き」だ。サロマ湖ウルトラマラソンのような比較的フラット(って言われてるんでしょ?!)なコースで用いられるテクニックではないことはオレだって薄々気付いている。
山の中を走るトレイルランのような起伏の激しいコースを走る時に用いるテクニックのはずだ。
坂道で無理をしないで、なんなら歩いて「脚力・走力を温存」するテクニックだ。
「戦略的な歩き」だ。
もちろん、全て走ってゴールできればそれに越したことはないと思うのだが。
オレはサロマ湖の比較的フラット(って言われてるんでしょ?!)なコースで「戦略的な歩き」を繰り返した。ごめんなさい。
だって、オレ的には全然フラットじゃなかったし・・。
身の程を知れ
オレが「戦略的な歩き」というテクニックというか「言葉」を知ったのは、このブログにいただいたコメントからだ。このブログで「サロマ湖100kmウルトラマラソン完走への道」というタイトルで何度か練習の様子を報告していたのは知っている人もいると思う。
関連記事「サロマ湖100kmウルトラマラソン完走への道~その1」
方向的には、とにかく途中歩かないで走りきる「完走」を目指していたわけだ。
今思えば前のめりだったと思う。
それを見てこう思ったのだろう。「バカ、身の程を知れよ」と。
誤解しないでほしいが、そのコメントにはそんなトゲトゲしさなんて1ミリもなかったよ。
あくまで好意的なコメントだ。
「初挑戦だろ?まずはゴールにたどり着くことを最優先にしたらどうだい?」
という意味を込めた経験者からのやさしさあふれるメッセージだったと思う。
「早い段階での戦略的な歩きはウルトラには必要だよ」と教えてくれたんだ。
そのコメントを見て、前のめりだったオレは気付いたんだ。
そうだ!「身の程を知らなければ」と。
自分の実力にあった走り方があるんじゃないかと。
もちろん、出来れば一度も歩かないでゴールまで走りきりたいよ。
でも、それができないなら、できない中での走り方があるんじゃないのか?
ベストじゃなくてもベターでいいじゃない。
そして「戦略的な歩き」は最終兵器としてオレの頭にインプットされた。
精神的に楽になった
レースも進めば、だんだん上り坂がキツくなってくる。だからといって歩くのは「負け」になるのではないか?そんな気持ちがオレを苦しめる。
そんなときはコレ。
「戦略的な歩き」だ。
だから、間違えてるよ!その用法間違えてるよ!
オレの前にある上り坂は決して「戦略的な歩き」をするレベルではない傾斜だ。
そんな坂を歩いてしまったら負けだぞ!
違うね、オレは戦略的に歩くんだから負けじゃない!
少しでも早くゴールするために戦略的に歩くんだ。
無理すれば走って上れないことはないよ?でも歩くんだ、戦略的に。
そう考えることで、気持ちを楽にするテクニックだ。
テクニックっつーか、ただの言い訳だろ(笑)
でも、いいじゃない。時には自分を許すことだって必要だ。
よね?
カモン!上り坂
そうなれば上り坂が待ち遠しくなってくる(笑)だって、上り坂は歩けるんだから(勝手に決めただけだろ)
走るのが辛くなってくると「早く上り坂来いっ!」
そうまで思うようになっていた。
かつてマラソン大会において、ここまで坂道を持ち望んだことがあっただろうか。
すでに最終兵器じゃない。
「戦略的な歩き」が常備薬のようなものに成り下がっている(笑)
ほぼほぼフラットなところでも
「待てよ?ちょっと、ほんの少しだけ上ってんじゃね?うん確かに上ってる。はい、戦略的な歩き」
オレは歩いた。
なんてダメなやつなんだ、オレは。
レースが80kmも過ぎると、「戦略的な歩き」は上りだけじゃなく、下りにも適用されはじめる。
いや、だって、脚が痛くて下りのほうが辛くなってきたんだよ。
坂を下るとき「いてててててて」って。
本気でケガを心配するレベルで痛い。
そんな時はコレ。
「戦略的な歩き」だ。
だってケガしたらゴールできないじゃない(言い訳無限大)
いつの間にか「坂道は歩く」そんなルールが出来上がっていたんだ。
上りも下りも関係ねー。
なんてダメなやつなんだ、オレは。
だけど、これには本当に助けられた。
これがあったから気持ちが折れなかったと思う。
身の程を知れ(2回目)
オレは2016年にナイキが展開した「#身の程知らず」というキャンペーンに大いに同意したものだ。「身の程なんか一生知るな」っていうアレだ。
そしてオレは身の程知らずにもウルトラマラソンに挑戦したというわけだ。
それは誰かをけなすための言葉だろうか?それともふるい立たせる言葉だろうか? #身の程知らず #justdoit https://t.co/kvQ0EAEGXx pic.twitter.com/gFmXLj8bgo
— Nike Japan (@nikejapan) 2016年8月1日
でも、その意味を履き違えてはいけない。
何かに挑戦することを決めるときは「身の程知らず」でいい。
しかし、実際的に攻略法を考える時には、身の程を知るべきだ。
その挑戦が無謀であってはならない。
そんな時はコレ。
精神的「戦略的な歩き」だ。
まとめ
時に弱い自分を「許す」ことで前に進めることもあるんじゃないか。そんな時はコレ。
精神的(言い訳)「戦略的な歩き」だ。
あくまでも最終兵器にしておきたいところだが。
常備薬にしてはいけない(笑)
関連記事「【初挑戦】サロマ湖100kmウルトラマラソンを完走するためのヒント」
Follow @shibu_ken
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コメント
コメント一覧 (8)
私もこの言葉は、どなたかのブログか何かで知り、これは都合のいい言葉だなと思いました(笑)
少しでもシブケンさんのお役に立てて本当に良かったです。
それにしても自分で紹介しておきながら、今回のシブケンさんのブログは、そうそうと頷くことだらけです。
走るのが辛くて早く坂が来ないかなとか、歩きのマイルールは上り坂のはずだったのに次第に下りだって坂だよな、とか(笑)
こういう都合の良い考え方も大事ですよね。
私は今月末に富士登山競争の5合目コースに初挑戦します!
日本一くだらない(下らない)レースなのでマイルールを見直さないと全部歩きになって只の登山になってしまいます…マズイです。
何とか来年の山頂コース出場権獲得を目指して頑張ります!
いやートムさんにはホントに感謝です。
「戦略的な歩き」
この言葉にどれだけ助けられたことか!(笑)
ところで私は富士登山競争とやらに詳しくないのですが・・
5合目コース?下らない?山頂コース出場権?なにやら怖ろしい・・
トムさんどんだけチャレンジャーなんですか!
がんばってください!戦略的に(笑)
第二段階:平地も走れなくなり、また走り出すための「戦略的な歩き」
第三段階:エイドに置いてあるパイプ椅子に「戦略的な座って休憩」
…と段階を踏みます。
私の富士五湖ウルトラは第三段階までいきました。
もう立っていることすら辛くなり、
とりあえず座って全身の筋肉の緊張を解きました。
人によっては座ったら立ち上がれなくなるという人もいますが、
私の場合は、そこからまた歩いたり走ったりで進むことができました。
とにかく「戦略的に」をつければ何でもありですよw
戦略的なDNFだけは避けたいものですね(笑)
いや、時には勇気を持ってリタイアすることも大事なんでしょうけど・・
それをやりだすとどんどん自分に甘くなりそうなので、完走だけは最低限の目標にしたいものです。
ところで富士五湖ウルトラ。ハードなコースなんでしょうね。
今年は気温も暑くて大変だったようで。
ウルトラマラソン恐るべし。
私の場合は、ウルトラではラスト10km、フルならラスト2.195kmでベストを更新することを考えていると自然に戦略的になっていて、ハッピーな結果になることが多いです。
なるほど!ラストでベスト更新を考えるっていいですね!
確かに最初からペースを上げていくより「ラストまではいつも通り」って
思って走ってれば気持ちも楽ですもんね。もちろん体力も。
で、ラストで勝負をかけると。今度やってみよう。
みっくさんと考え方違っていたらスミマセン(笑)
飛騨高山ウルトラや白川郷ウルトラなどと比較すると
アップダウンは少ない方だとは思いますが…。
でも私個人的には思っていたよりもアップダウンがあったなとの印象ですw
スタート&ゴール会場が高い所にあるので、
スタート直後に下った分、ラストゴール前に登らなければいけないのは
仕方ないのですが、結構キツいですね。
そこは(当然)歩いて登りましたw
飛騨高山や白川郷のウルトラ具合!は話にはよく聞きます。
やっぱり、サロマ湖はフラットな方なんでしょうね・・
「行き」で下った分「帰り」で上るコースってキツいですよね。
下ってるとき「あとでコレ上るのかー」って(笑)