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ライジングサンロックフェスティバル2018に行ってきたよ。
今年は8月10日・11日での開催で。
去年に続き2年連続で雨。結局、開催中ずーっと降ってた感じ。
場所によっては地面が田んぼ状態になるほどの雨だ。
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雨を嫌う人は多い。

まぁね、できれば晴れたほうがいいよね。
でも雨が降ったら降ったで雨対策にも慣れたもんだ。

日本でいわゆる「野外音楽フェス」が開催されるようになってもう20年だ。
「雨が降ったらカッパ着て長靴履けばいいじゃない」ってなもんだ。
悪天候も野外音楽フェスの醍醐味だろ?限度はあるけどね(笑)

雨もそれほど悪いものでもないな、そう思える瞬間がある。
それは時に感動の舞台装置となるからだ。

たとえば雨の中、山下達郎のライブを見つめる二人がいた。


雨の中の夫婦

二人は長く連れ添った夫婦に違いない。

あ、ここから全てはオレの想像だということを断っておく。
しかし、そう大きくは外れていない自信はある。その根拠はないが(笑)

子育てが一段落したくらいだろうか。二人とも、もう若くはない。
仮に名前を「カズオ」と「ヨシコ」にしておこう。

カズオは生真面目な人生を送ってきたはずだ。定年退職はすぐそこかもしれない。
生涯公務員と言えば誰もが納得するだろうその風貌は、髪は七三分けで黒縁メガネだ。

生真面目なカズオに長年連れ添ったヨシコはどこまでも控えめだ。
カズオの一歩後ろでライブを見ている。 
男女平等がうたわれる今の時代、そのポジショニングはあるいは賞賛されることではないだろう。

しかし、それはあまりにも自然で完璧な一歩後ろのポジショニングだ。
誰が文句を言えようか。

山下達郎の完璧な歌、そして演奏を見つめる二人。
弱い雨が降り続いている。もうすぐ夜だ。あたりは暗くなってきた。

カズオはその雨で七三分けが乱れるのも気にせずに手拍子でライブの世界に入り込む。
リズムがワンテンポ遅れるのはご愛敬だ。メガネについた雨の水滴も気にしないで手拍子を続ける。

ヨシコは100円ショップで買った半透明のレインコートを着ている。
顔にすっぽりフードをかぶっているので口元しか見えない。
だけどその口元だけでもう若くないことはわかる。
口元に人生の苦労が少しだけにじみ出ているのかもしれない。
それが人生というものなのだろう。

しかしそれは悲しいことじゃない。
その口元で笑顔になっていることがわかるからだ。
この瞬間が幸せそうに見える。

長い間、二人は言葉を交わすことなくライブを見ている。

しかし、ある曲のイントロが始まると、カズオが振り返ってヨシコと視線を合わせた。
ヨシコがうなずいた。

思い出の曲なのだろう。
その曲を
「いまでも」二人で一緒に聴けることがうれしくてしょうがない様子だ。

カズオはまたすぐにステージに向き返り、勢いよく手拍子を始める。時には照れながらも右手のコブシも突き上げる。もちろんワンテンポ遅れて。

ヨシコもそっと手拍子を始める。照れているのがわかる。ライブに慣れていないんだ。周りの目が気になるのだろう。山下達郎とはいえ、音楽フェスの客はやっぱり若者が中心だ。自分と同年輩らしき客はそう多くない。

しかし、この雨のおかげで、レインコートのフードが格好の隠れ蓑になる。

照れながらも
ヨシコの手拍子に「ノリ」が出てくる。
その調子だ
ヨシコ。他人の目なんて気にしないで自由に楽しめばいいんだ。

いつの間にかカズオのすぐ横に身を寄せてヨシコが立っている。
時に二人でコブシを突き上げて。

雨で七三分けが乱れても気にせずコブシを突き上げるカズオ。
フードの下にのぞく口元だけで満面の笑みがわかるヨシコ。
雨が二人を大胆にさせているのかもしれない。

そこに若き日の二人の姿が見える。
二人でよく山下達郎を聴いていたのかな。

きっと、二人の子供も見たことがない姿だろう。



年をとってからのフェスもいいじゃない!

この夫婦を見ていてそう思った。
ま、すべてはオレの想像だが(笑)
でも、とてもいい雰囲気に見えたんだ。

たぶん、この夫婦は山下達郎を見るために、ライジングサンに来たんじゃないかな。
昔から山下達郎の大ファンで、通常のホールコンサートにも行っているのかもしれない。
でも、やっぱり野外音楽フェスで聴くそれは別ものだろう。
普段のホールコンサートではやらないような曲を歌うこともあるだろうしね。

ホールコンサートって周りの客がはっきり見えるじゃない?
慣れていない人はコブシを突き上げるのも照れくさいかもしれない。
うまくリズムのとれない手拍子だって躊躇するかもしれない。

野外音楽フェスだったら周りの目なんか関係ねぇー。
さらに雨なんか降ってたらね、一回濡れちゃえば、なんかもういろんなことがどうでもよくなる(笑)
気分も高揚するよね。

それが雨のいいところ。



山下達郎

オレは山下達郎ドンピシャの世代ではない。有名曲しか知らないクチだ。
それでも、フェスに山下達郎が出演するなら見ないわけにはいかない。

一流だからだ。間違いないからだ。

その完璧な歌声に驚き、アグレッシブなギターカッティングに驚く。
ライジングサンには今回で3回目の登場になるが、見るたびに「山下達郎って本当に存在してるんだ」って神様的に思ってしまう(笑)



雨も悪くない

とはいえ・・

そろそろ来年は晴れてくれないかな?(笑)


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