いわゆる野外音楽フェスブームは1997年に開催されたフジロックフェスティバルに始まる。
1999年のライジングサンロックフェスティバル、2000年のサマーソニックやロックインジャパンフェスティバルと続いていく。
これら大規模な音楽フェスの成功にならい、その後、全国で大小さまざまなフェスが乱立していく。
アナタの住む地元でも、聞いたことのない小規模なフェスが開催されることはないだろうか?
「あんまり有名なミュージシャンは出ないけど近くだから行ってみるか。値段も安いし」
なんて気楽に参加しようとする人は気を付けたほうがいい。
小規模なフェスをそう簡単に楽しめると思うなよ、と。
ごめんごめん、脅すつもりじゃないんだ。
小規模なフェスを楽しむためには、それなりの心構えが必要だということを伝えたい。
オレはかなりの音楽好きだ。
自分でもアマチュアバンド活動をしているほどにだ。いい年こいて(笑)
アマチュアミュージシャンのライブを見るのも大好きだ。
よくわからないプロより、アマチュアミュージシャンのライブの方が楽しめる時もあると言ったら驚くだろうか。
アマチュアにしかできない、くだらないバカみたいな音楽も好きなので。おっと失礼。
とにかくライブを「楽しむ力」には自信があるオレだ。
しかし、そんなオレでも小規模なフェスのすべてを楽しむのは難しい。
たとえばこんな時だ。
手作り感あふれるステージで、まったく知らない男性ボーカリストが歌っていた。
ジャンル的にはR&Bだろうか。
まぁ大枠で捉えれば、エグザイルみたいな音楽と思ってもらえばいいだろう。
ボーカリストの見てくれも、エグザイルのそれだ。
オレの苦手なジャンルだ。まぁそれはただの好き嫌いの話だ。
歌は上手い。伸びやかな歌声だ。声量もある。
だけどプロなのかアマチュアなのかはわからない。
なぜならまったく知らない男性ボーカリストだからだ。
そしてここは、北海道のいなか町で開催されている小規模なフェス会場。地元のお祭りといった雰囲気だ。
アマチュアが歌っていてもおかしくはないステージだ。
その男性ボーカリストは歌も上手いし、会場を盛り上げるために曲の合間のトークにも一生懸命だ。
印象は悪くない。
でもやっぱり、まったく知らない男性ボーカリストにまったく知らないオリジナルの曲を何曲も歌われてもちょっぴりヒマだ。
ライブを「楽しむ力」には自信のあるオレでさえ、ちょっぴりヒマだ。
できれば知ってる曲のカバーを1曲でも歌ってくれたらうれしいのだが、でも文句を言う筋合いではない。オレはそれを知っていて参加しているからだ。
有名なプロミュージシャンはほとんど出演しない小規模なフェスだと知っていて参加している。
だけどちょっぴりヒマだったんだ。
そのボーカリストが悪いわけじゃない。オレの好みに合わなかっただけだ。
オレはステージから離れて会場を探索した。飲食の屋台なんかをのぞいたりして。
ピザの移動販売車をみつけた。注文してから窯で焼く本格ピザ屋だ。
キノコと生ハムがのっかった「フンギ」とかいうピザを食べた。おいしかった。
1300円はちょっと高いと思った。
ピザの話はどうでもいい。
オレはステージに戻った。
今度はまったく知らない女性ボーカリストがギターを抱えて弾き語りをしていた。
ステージ中央にポツンと一人で歌っている。ステキな歌声だ。ギターの演奏だって上手い。
だけどプロなのかアマチュアなのかはわからない。
なぜならまったく知らない女性ボーカリストだからだ。
「今日はゲストが来ています!」
女性ボーカリストが言った。
オレはときめいた。こういう突発的なゲスト参加はフェスの醍醐味だ。
ゲストというからには、多少有名なミュージシャンが出てくる可能性は高い。
「この方です!」
登場したのは最初に見たまったく知らない男性ボーカリストだった。エグザイル系の彼だ。
「どーもー」
また出て来ましたよ、みたいな感じで。
まったく知らない女性ボーカリストがまったく知らない男性ボーカリストをゲストで呼び込む。
これが小規模なフェスの恐ろしさだ。
その時のオレの心証を言葉で表せばこうなる。死語といっていい古い表現だがこれがぴったりだ。
ズコーっ!
ゲストを迎えて歌う曲は、その女性ボーカリストのオリジナル曲だ。
もちろんまったく知らない曲だ。男女の恋愛を歌った曲だ。それを二人で歌い上げる。
まったく知らない女性ボーカリストとまったく知らない男性ボーカリストがまったく知らない曲を歌う。アナタはそんな状況を楽しむことができるだろうか。
それはライブを「楽しむ力」には自信のあるオレでさえ、なかなか難しい作業になる。
しかしそれは小規模なフェスではよくあることだ。すべてのステージを楽しめるわけではない。
いや、楽しめるステージの方が少ない、という心構えが必要だ。
そんなときは移動すればいい。それがフェスの楽しみ方だ。
そのフェスは小規模ながらもDJブースがあった。オレはそこに移動して少し踊る。踊るというか揺れる。
夕方で気温が下がってきたところだったので、体を動かして暖かくなった。よかった。
そういえば、そろそろ「名前だけは聞いたことがある」ような気がするミュージシャンが登場している頃だ。ステージに戻ろう。
まったく知らない男性ボーカリストが歌っていた。
やっぱり知らなかったか。
一人でギター弾き語りだ。
演奏技術は高い。その場で自分の演奏を録音しループさせ、どんどん自分の音を重ねていく技も見せる。
やっぱりプロなのかアマチュアなのかはわからないが、その自信みなぎるトークからけっこう有名な人なのかもしれない。まったくのアマチュアってことはないだろう。
出番だって後ろの方だし実力者なのは間違いない。観客とのコール&レスポンスも慣れたもんだ。
「今日は東京からゲストを呼んでます!」
ついにきた。東京からのゲストだ。
わざわざこんな北海道のいなか町に東京からのゲストだ。みんなを喜ばせるために呼んでくれたはずだ。
もう、どんなゲストが登場したのか想像がつくと思う。
そう、まったく知らないミュージシャンが登場した。
東京からまったく知らないゲストミュージシャンがやってくる。
それが小規模なフェスの恐ろしさだ。
最後にはお目当てのプロミュージシャンが出てきて圧巻のライブパフォーマンスを見せてくれた。
とても楽しかった。
それまでの過程があったので(笑)より楽しむことができた。
時には忍耐。
これが小規模な野外音楽フェスを楽しむための心構えだ。
関連記事「トビウキャンプは小さな子供連れの方に超オススメな北海道の音楽フェス」
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1999年のライジングサンロックフェスティバル、2000年のサマーソニックやロックインジャパンフェスティバルと続いていく。
これら大規模な音楽フェスの成功にならい、その後、全国で大小さまざまなフェスが乱立していく。
アナタの住む地元でも、聞いたことのない小規模なフェスが開催されることはないだろうか?
「あんまり有名なミュージシャンは出ないけど近くだから行ってみるか。値段も安いし」
なんて気楽に参加しようとする人は気を付けたほうがいい。
小規模なフェスをそう簡単に楽しめると思うなよ、と。
ごめんごめん、脅すつもりじゃないんだ。
小規模なフェスを楽しむためには、それなりの心構えが必要だということを伝えたい。
オレはかなりの音楽好きだ。
自分でもアマチュアバンド活動をしているほどにだ。いい年こいて(笑)
アマチュアミュージシャンのライブを見るのも大好きだ。
よくわからないプロより、アマチュアミュージシャンのライブの方が楽しめる時もあると言ったら驚くだろうか。
アマチュアにしかできない、くだらないバカみたいな音楽も好きなので。おっと失礼。
とにかくライブを「楽しむ力」には自信があるオレだ。
しかし、そんなオレでも小規模なフェスのすべてを楽しむのは難しい。
たとえばこんな時だ。
手作り感あふれるステージで、まったく知らない男性ボーカリストが歌っていた。
ジャンル的にはR&Bだろうか。
まぁ大枠で捉えれば、エグザイルみたいな音楽と思ってもらえばいいだろう。
ボーカリストの見てくれも、エグザイルのそれだ。
オレの苦手なジャンルだ。まぁそれはただの好き嫌いの話だ。
歌は上手い。伸びやかな歌声だ。声量もある。
だけどプロなのかアマチュアなのかはわからない。
なぜならまったく知らない男性ボーカリストだからだ。
そしてここは、北海道のいなか町で開催されている小規模なフェス会場。地元のお祭りといった雰囲気だ。
アマチュアが歌っていてもおかしくはないステージだ。
その男性ボーカリストは歌も上手いし、会場を盛り上げるために曲の合間のトークにも一生懸命だ。
印象は悪くない。
でもやっぱり、まったく知らない男性ボーカリストにまったく知らないオリジナルの曲を何曲も歌われてもちょっぴりヒマだ。
ライブを「楽しむ力」には自信のあるオレでさえ、ちょっぴりヒマだ。
できれば知ってる曲のカバーを1曲でも歌ってくれたらうれしいのだが、でも文句を言う筋合いではない。オレはそれを知っていて参加しているからだ。
有名なプロミュージシャンはほとんど出演しない小規模なフェスだと知っていて参加している。
だけどちょっぴりヒマだったんだ。
そのボーカリストが悪いわけじゃない。オレの好みに合わなかっただけだ。
オレはステージから離れて会場を探索した。飲食の屋台なんかをのぞいたりして。
ピザの移動販売車をみつけた。注文してから窯で焼く本格ピザ屋だ。
キノコと生ハムがのっかった「フンギ」とかいうピザを食べた。おいしかった。
1300円はちょっと高いと思った。
ピザの話はどうでもいい。
オレはステージに戻った。
今度はまったく知らない女性ボーカリストがギターを抱えて弾き語りをしていた。
ステージ中央にポツンと一人で歌っている。ステキな歌声だ。ギターの演奏だって上手い。
だけどプロなのかアマチュアなのかはわからない。
なぜならまったく知らない女性ボーカリストだからだ。
「今日はゲストが来ています!」
女性ボーカリストが言った。
オレはときめいた。こういう突発的なゲスト参加はフェスの醍醐味だ。
ゲストというからには、多少有名なミュージシャンが出てくる可能性は高い。
「この方です!」
登場したのは最初に見たまったく知らない男性ボーカリストだった。エグザイル系の彼だ。
「どーもー」
また出て来ましたよ、みたいな感じで。
まったく知らない女性ボーカリストがまったく知らない男性ボーカリストをゲストで呼び込む。
これが小規模なフェスの恐ろしさだ。
その時のオレの心証を言葉で表せばこうなる。死語といっていい古い表現だがこれがぴったりだ。
ズコーっ!
ゲストを迎えて歌う曲は、その女性ボーカリストのオリジナル曲だ。
もちろんまったく知らない曲だ。男女の恋愛を歌った曲だ。それを二人で歌い上げる。
まったく知らない女性ボーカリストとまったく知らない男性ボーカリストがまったく知らない曲を歌う。アナタはそんな状況を楽しむことができるだろうか。
それはライブを「楽しむ力」には自信のあるオレでさえ、なかなか難しい作業になる。
しかしそれは小規模なフェスではよくあることだ。すべてのステージを楽しめるわけではない。
いや、楽しめるステージの方が少ない、という心構えが必要だ。
そんなときは移動すればいい。それがフェスの楽しみ方だ。
そのフェスは小規模ながらもDJブースがあった。オレはそこに移動して少し踊る。踊るというか揺れる。
夕方で気温が下がってきたところだったので、体を動かして暖かくなった。よかった。
そういえば、そろそろ「名前だけは聞いたことがある」ような気がするミュージシャンが登場している頃だ。ステージに戻ろう。
まったく知らない男性ボーカリストが歌っていた。
やっぱり知らなかったか。
一人でギター弾き語りだ。
演奏技術は高い。その場で自分の演奏を録音しループさせ、どんどん自分の音を重ねていく技も見せる。
やっぱりプロなのかアマチュアなのかはわからないが、その自信みなぎるトークからけっこう有名な人なのかもしれない。まったくのアマチュアってことはないだろう。
出番だって後ろの方だし実力者なのは間違いない。観客とのコール&レスポンスも慣れたもんだ。
「今日は東京からゲストを呼んでます!」
ついにきた。東京からのゲストだ。
わざわざこんな北海道のいなか町に東京からのゲストだ。みんなを喜ばせるために呼んでくれたはずだ。
もう、どんなゲストが登場したのか想像がつくと思う。
そう、まったく知らないミュージシャンが登場した。
東京からまったく知らないゲストミュージシャンがやってくる。
それが小規模なフェスの恐ろしさだ。
最後にはお目当てのプロミュージシャンが出てきて圧巻のライブパフォーマンスを見せてくれた。
とても楽しかった。
それまでの過程があったので(笑)より楽しむことができた。
時には忍耐。
これが小規模な野外音楽フェスを楽しむための心構えだ。
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コメント
コメント一覧 (2)
どうでもいいですね、すみません(笑)
そ、そうなんですね。恥かいた(笑)勉強になります!
いや、でも、確かに「フンギ」の説明にキノコと生ハムがなんちゃらって書いてあって
それ食べたんだけどな。
結論
ピザ屋が悪い(笑)