その人が口にするはずのない言葉を用いて質問してきたら、こちらは驚くしかないことは考えなくてもわかることだ。
たとえばオレの父親が、もう齢70を超えた父親がこんな質問をしてきたら驚くと思う。
「チーズタッカルビ食べたことある?」
いや、70歳を超えていたってチーズタッカルビに興味がある人はいるだろう。
毎日食べても飽きない、なんていう韓国料理フリークだっているかもしれない。
しかしオレは父親がキムチを食べている姿さえ見たことがない。
そんな父親がキムチを飛び越えてチーズタッカルビなる韓国料理に興味を持つとは考えにくい。
だから驚くと思う。
先日、会社の人が突然質問してきたんだ。
「シブケン(なんて呼ばれてないけど)さんってフォアフット走法?」
驚くしかなかった。
その人はマラソンを趣味にしている人ではないからだ。マラソンどころかスポーツのスの字もないような人の口から「フォアフット走法」だ。驚くしかない。
もちろん、オレがマラソンをやっているのは知っている。だから聞いてきたのだが。
「あ、いや、全然そんなアレですよ。普通にカカトからですよ。」
「カカト?」
ピンときていないようだ。いや、おまえが聞いてきたんだろうが(笑)
よくわからないのに、なぜそんなことを質問してきたのかは瞬時にわかっていた。
前日のスポーツニュースに大迫傑が出ていたのをオレも見ていたからだ。
マラソン男子日本記録保持者(2018年11月現在)の大迫傑だ。
それの影響に違いない。
大迫傑が自分の走りについて、だからフォアフット走法について熱く語っていた。
なんでもクロスカントリーコースを走って身に着けたとかなんとか。
会社の人もそのテレビを見たのだと思う。
それで、マラソンをやっている人なら誰もがそれを目指すと思ったのかもしれない。
フォアフット走法を。
じゃなにか?野茂英雄がメジャーリーグでブイブイ言わせていたとき、少年野球から草野球からなにからピッチャーやっているやつは全員トルネード投法で投げてたってか?
いや、もしかしたらこれは、多くのピッチャーがやってたのかもしれない。
モノマネレベルでだけど(笑)
ちょっと古い話なので、若い人はよくわからないかもしれない。
例え話に野球を持ってくると、うるせぇぞオッサン、ってなるな。
皆がみな、野球野球言ってる時代でもない。
ちなみにオレは小学校から高校まで野球少年だった割に、言うほどプロ野球が好きなわけでもないし、だから詳しくもない(笑)
フォアフット走法の話だ。
その流れでやっぱり聞いてきたのは「靴はナイキのアレ履いてるの?」だ。
ヴェイパーフライのことだろう。
「いや、アレは履いてない」
履いてねーよ。オレレベルに扱えるとは思えない。
それを聞いた会社の人は「なんだ」という顔をした。
なんだ、おまえ大したことねーな、みたいな。ちょっとがっかりしたような。
いや、オレは確かに大したことねーけどさ(笑)
大迫傑は最近よくテレビにでている。ダウンタウンのバラエティー番組に出ているのも見た。
これによってマラソンがもっと人気になればいいと思う。市民ランナーも増えるかもしれない。
大迫傑や設楽悠太の登場でマラソンはもっと一般化するのではないか。2020年東京五輪なんかもあるし。
ただ、「フォアフット走法」まではどうだろう。
「フォアフット走法」が一般化されるのは難しいような気がする。簡単な技術じゃない。
そのスポーツニュースで大迫傑が「フォアフット走法」について熱く語るのを見ていてオレが思い出したのは、「高速スライダーの打ち方」についてだ。野球の変化球だ。
また野球の話かよ、オッサン。
1,2年前だったろうか。奇しくも同じスポーツニュースで見たと思う。二刀流で大活躍の大谷翔平の特集をやっていたんだ。
ピッチャーとしての大谷翔平の特集だ。
大谷が投げる高速スライダーがすごい、という話だった。あの球を打つのは難しい、みたいな。
スタジオにはバッターボックスが設置されていた。
元プロ野球選手が棒の先にボールがついた道具を用いて、その高速スライダーの軌道を説明する。
大谷投手は右投げだ。右バッターがバッターボックスホームベース側ぎりぎりまで左足を踏み込んでもバットが届かない軌道だ。
オレは茶碗片手に晩御飯を食べながらそれを見ていた。
「へー、あんなに足を踏み込んでもバットが届かないんだ。誰も打てねーわ」って。
なんの時間だよ。
オレの人生において、これほどまでに意味のない時間があるだろうか。
オレの今後の人生において、大谷翔平レベルのピッチャーと対峙する瞬間があるだろうか。
だから、左足をバッターボックスぎりぎりまで踏み込んで高速スライダーにバットを振る瞬間があるだろうか。
ない。
考えるまでもなく、ない。
なのにオレはアホみたいにそれを見ていた。高速スライダーの打ち方を。
それと同じだと思うんだ。「フォアフット走法」
会社の人は、どんなつもりで「フォアフット走法」の話を見ていたんだ。
そりゃあレベルの高いランナーは挑戦するべきかもしれない。
でも、少なくともオレに質問してきた会社の人が「フォアフット走法」に挑戦することはないと思う。
オレが高速スライダーを打つことがないように。
ただ、スポーツのスの字もないような会社の人が「フォアフット走法」を口にしたのは確かだ。
マラソンが一般化してきている。
いつの日か、サラリーマンが会社帰りに居酒屋でフォアフット走法話でクダを巻く日はくるのだろうか。そう、多くのサラリーマンがプロ野球中継にヤジを飛ばしていたように。
会社帰りのサラリーマンで満席状態の店内は騒がしい。
天井付近に取り付けられたテレビではマラソン中継だ。この時間だからスポーツニュースかもしれない。
酔っ払ったオヤジが叫ぶ。
「フォアフットがなってねーよ!」
やっぱり、そんな日はこないと思う。
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たとえばオレの父親が、もう齢70を超えた父親がこんな質問をしてきたら驚くと思う。
「チーズタッカルビ食べたことある?」
いや、70歳を超えていたってチーズタッカルビに興味がある人はいるだろう。
毎日食べても飽きない、なんていう韓国料理フリークだっているかもしれない。
しかしオレは父親がキムチを食べている姿さえ見たことがない。
そんな父親がキムチを飛び越えてチーズタッカルビなる韓国料理に興味を持つとは考えにくい。
だから驚くと思う。
先日、会社の人が突然質問してきたんだ。
「シブケン(なんて呼ばれてないけど)さんってフォアフット走法?」
驚くしかなかった。
その人はマラソンを趣味にしている人ではないからだ。マラソンどころかスポーツのスの字もないような人の口から「フォアフット走法」だ。驚くしかない。
もちろん、オレがマラソンをやっているのは知っている。だから聞いてきたのだが。
「あ、いや、全然そんなアレですよ。普通にカカトからですよ。」
「カカト?」
ピンときていないようだ。いや、おまえが聞いてきたんだろうが(笑)
よくわからないのに、なぜそんなことを質問してきたのかは瞬時にわかっていた。
前日のスポーツニュースに大迫傑が出ていたのをオレも見ていたからだ。
マラソン男子日本記録保持者(2018年11月現在)の大迫傑だ。
それの影響に違いない。
大迫傑が自分の走りについて、だからフォアフット走法について熱く語っていた。
なんでもクロスカントリーコースを走って身に着けたとかなんとか。
会社の人もそのテレビを見たのだと思う。
それで、マラソンをやっている人なら誰もがそれを目指すと思ったのかもしれない。
フォアフット走法を。
じゃなにか?野茂英雄がメジャーリーグでブイブイ言わせていたとき、少年野球から草野球からなにからピッチャーやっているやつは全員トルネード投法で投げてたってか?
いや、もしかしたらこれは、多くのピッチャーがやってたのかもしれない。
モノマネレベルでだけど(笑)
ちょっと古い話なので、若い人はよくわからないかもしれない。
例え話に野球を持ってくると、うるせぇぞオッサン、ってなるな。
皆がみな、野球野球言ってる時代でもない。
ちなみにオレは小学校から高校まで野球少年だった割に、言うほどプロ野球が好きなわけでもないし、だから詳しくもない(笑)
フォアフット走法の話だ。
その流れでやっぱり聞いてきたのは「靴はナイキのアレ履いてるの?」だ。
ヴェイパーフライのことだろう。
「いや、アレは履いてない」
履いてねーよ。オレレベルに扱えるとは思えない。
それを聞いた会社の人は「なんだ」という顔をした。
なんだ、おまえ大したことねーな、みたいな。ちょっとがっかりしたような。
いや、オレは確かに大したことねーけどさ(笑)
大迫傑は最近よくテレビにでている。ダウンタウンのバラエティー番組に出ているのも見た。
これによってマラソンがもっと人気になればいいと思う。市民ランナーも増えるかもしれない。
大迫傑や設楽悠太の登場でマラソンはもっと一般化するのではないか。2020年東京五輪なんかもあるし。
ただ、「フォアフット走法」まではどうだろう。
「フォアフット走法」が一般化されるのは難しいような気がする。簡単な技術じゃない。
そのスポーツニュースで大迫傑が「フォアフット走法」について熱く語るのを見ていてオレが思い出したのは、「高速スライダーの打ち方」についてだ。野球の変化球だ。
また野球の話かよ、オッサン。
1,2年前だったろうか。奇しくも同じスポーツニュースで見たと思う。二刀流で大活躍の大谷翔平の特集をやっていたんだ。
ピッチャーとしての大谷翔平の特集だ。
大谷が投げる高速スライダーがすごい、という話だった。あの球を打つのは難しい、みたいな。
スタジオにはバッターボックスが設置されていた。
元プロ野球選手が棒の先にボールがついた道具を用いて、その高速スライダーの軌道を説明する。
大谷投手は右投げだ。右バッターがバッターボックスホームベース側ぎりぎりまで左足を踏み込んでもバットが届かない軌道だ。
オレは茶碗片手に晩御飯を食べながらそれを見ていた。
「へー、あんなに足を踏み込んでもバットが届かないんだ。誰も打てねーわ」って。
なんの時間だよ。
オレの人生において、これほどまでに意味のない時間があるだろうか。
オレの今後の人生において、大谷翔平レベルのピッチャーと対峙する瞬間があるだろうか。
だから、左足をバッターボックスぎりぎりまで踏み込んで高速スライダーにバットを振る瞬間があるだろうか。
ない。
考えるまでもなく、ない。
なのにオレはアホみたいにそれを見ていた。高速スライダーの打ち方を。
それと同じだと思うんだ。「フォアフット走法」
会社の人は、どんなつもりで「フォアフット走法」の話を見ていたんだ。
そりゃあレベルの高いランナーは挑戦するべきかもしれない。
でも、少なくともオレに質問してきた会社の人が「フォアフット走法」に挑戦することはないと思う。
オレが高速スライダーを打つことがないように。
ただ、スポーツのスの字もないような会社の人が「フォアフット走法」を口にしたのは確かだ。
マラソンが一般化してきている。
いつの日か、サラリーマンが会社帰りに居酒屋でフォアフット走法話でクダを巻く日はくるのだろうか。そう、多くのサラリーマンがプロ野球中継にヤジを飛ばしていたように。
会社帰りのサラリーマンで満席状態の店内は騒がしい。
天井付近に取り付けられたテレビではマラソン中継だ。この時間だからスポーツニュースかもしれない。
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