敗因は早めに分析し、記録しておかなければならない。
2019サロマ-5
なぜならすぐに忘れてしまうからだ。
サロマ湖100kmウルトラマラソンを走ったのは、ほんの4日前、2019年6月30日の出来事だ。
なのにもう、だいぶ忘れている(笑)あの苦しささえも。

とても苦しいレースだった。それは間違いない。

でも、だいぶ忘れている(バカなの?)
ありがたいことに、体に大きなダメージが残っていないからかもしれない。

いやいや思い出せ!あの苦しさを思い出すんだ!そして忘れないうちに記録しておくんだ。
来年、また安易な気持ちでエントリーしてしまうかもしれないオレに警告するんだ。

100kmはとても遠いぞ、と。(そこ?)

敗北したレースを振り返ってみたい。
タイムは11時間49分10秒だった。自己ベストは更新できた。去年のタイムは12時間34分26秒だ。

自己ベストを更新できたなら敗北じゃないだろ、そう言ってくれる人もいるかもしれない。
いやいや、完走するだけでも立派なもんだ、それだけで完全勝利だよ、そういう考え方もあると思う。
仮に途中リタイアしたとしても、限界に挑戦してその結果ならば、簡単に敗北と決めつけるのは酷かもしれない。

確かにそうだが、オレの今回の目標は自己ベスト更新ではなかったし完走でもなかった。
11時間を切って10時間台でゴールすることが目標だったんだ。もちろんその先には「サブ10」という目標がある。
ま、今は「サブ10」のことは置いといて。超置いといて。

10時間台でゴールするという目標を達成できなかったことは、オレにとって「敗北」だ。

しかしそれだけが、タイムだけが敗因ではない。もっと大きな敗因がある。
レースを振り返る上で、まずあの問いに答えなければならない。

「それより、レースは楽しんだ?」

そう、レースを楽しむことが一番の目的だったはずだ。だってオレは趣味で走ってるんだから。
楽しまないでどうするんだ。

しかし、答えは「ノー」だ。
残念ながら、きっぱりと「ノー」だ。終始苦しいレースになってしまった。楽しめなかった。これが一番の「敗因」だ。レースを楽しめなったのなら、それは敗北だ。


まったくポジティブシンキングができなかった

要するに敗因はこれに尽きる。ポジティブシンキングができないから楽しめなかった。ただただ辛かった。

エリートランナーのような才能もない、何百キロ走り込めるわけでもない(そこは努力しろよ)オレのような超市民ランナーが、100kmもの長距離を走るウルトラマラソンに打ち勝つための武器はこれしかないだろう。

「ポジティブシンキング」だ。

あらゆる困難を「ポジティブシンキング」で乗り越えていくしかない。どうやたって思い通りのペースでゴールまで走れないのは決まっている(そこは努力しろよ)。途中でダメになるに決まっている。いろいろとダメになっていく。

それでも走り続けるためには「ポジティブシンキング」しかない。

「ポジティブシンキング」までいかなくとも、せめて「明るいバカ」(笑)にならなければならない。
マイナスな思考をプラスに変換しなくてはならない。

じゃなきゃ、100kmも走ってられない。

ダメだった。オレは終始ネガティブモードに陥っていた。
途中でラン仲間に合った時も、マイナスな発言ばかりしてしまった。
「暑い」「もうダメだ」「疲れすぎる」などだ。相手にもマイナスな影響を与えかねないダメな発言だ。反省している。

当日、調子は悪くなかったんだ。いや、絶好調といってもいい程に健康だった。
走り出した。10km、20kmと進んでもイマイチ調子が上がってこない。悪くはないけど「なんだかな~」って感じだった。計画通り、キロ6分で進んで行けるんだけど「なんだかな~」って感じだ。

そのまま、なんとか中間55キロエイドにたどり着いた。他とは違う大きなエイドだ。
2019サロマ-8
気持ちが一旦途切れる。ここから気持ち新たに後半戦に挑まなければならない。

頭がボーっとしていた。
「これからフルマラソン以上の距離を走るのか・・」
やっちまった。このエイドで一番考えてはいけないネガティブワードだ。

「フルマラソン以上」

ウルトラマラソンを走る上で、これほどのパワーワードがあるだろうか。
しくじりの始まりだ。

「リタイアして楽になりたい」
本気でリタイアしたいと思った。初挑戦の去年もこのエイドで「リタイア」は頭をよぎったが、ここまで本気ではなかった。今年は本気で「リタイアするかな」そう思った。

何とか55kmエイドを後にしたものの、そこからオレの頭の中はネガティブワードに埋め尽くされていく。しくじりは止まらない。
「まだ1キロしか進んでねー」「まだ60km地点にたどりつかねー」「いつまで60km台なのよ」

55kmエイドを出て70キロ地点までが一番苦しかったかな。
いや、やっぱりその後もずーっと苦しかったな。

「致命的なヒザの痛みこねーかな」そんなことまで思った。リタイアする理由が欲しかったんだ。
しかし、残念ながら(笑)今年はどこも痛くならなかった。いや、もちろんそれなりの、100km走ったなりの痛みは出たよ。
でも、脚のどこかががツルこともなければ痙攣することもなく。ヒザなんて少っしも痛くならなかった。(去年はヒザ痛くなったんだけどな)

思いのほか、脚はデキていたようだ(笑)

しかし、その後もネガティブワードに歯止めが効かない。
「もう、二度とウルトラなんて走らねー」(何回も何回も思った)
「100億円もらっても走れない」(小学生か!)

「人間のやることじゃねぇだろこれ」
罵詈雑言だ。

オレはしくじってしまった。ネガティブワードに支配されてしまった。ネガティブワードは何もいいことをもたらしてはくれない。
来年サロマ湖ウルトラに挑戦する人は、オレみたいになるなよ!


もがき苦しみながら進むランナーたちをリスペクトした

そんなオレが、それでもゴールにたどり着けたのは周りを走るランナーたちのおかげだ。
オレと同じように、もがき苦しみながら走り続けるランナーたち。
2019サロマ-7
(写真)80km過ぎのワッカ原生花園。去年は悪天候で地獄だったけど、今年は天国のような景色だった。

レースも後半になれば、周りを走るランナーたちはある程度固定されてくる。
「知った顔」を何回も見ることになる。

なぜ「何回も見る」ことになるのか。

みんな走っては歩き、歩いては走るを繰り返しているからだ。追い越しては追い越されを繰り返している。
歩くのがやっとになっているランナーをオレは走って追い越す。今度はオレが歩く。すると、さっき歩くのがやっとだったはずのランナーが走ってオレを追い越していく。

何度も何度もだ。

その姿に、リスペクトした。
普段リスペクトなんて言葉は「はいはい、リスペクトリスペクト」ってバカにしがちなオレも(笑)素直にリスペクトした。すげーと思った。

特に年配のランナー。華奢な女性ランナー。
いや、もちろん年配でも華奢な女性でもレベルの高いランナーはいる。
でも、その時オレを追い越していくのは、やっぱりオレと同レベルのランナーだと思うんだ。だからオレと同じように苦しいはずの年配のランナーが、華奢な女性ランナーがオレを追い越していく時のインパクトはデカい。

その姿を見て素直にリスペクトした。そして「負けてられねー」と思ってオレも走り出した。

でもやっぱり走り続けられなくて「100億円もらっても走れない」とも思った(笑)

そんな繰り返し。
最後はオレのネガティブ思考にリスペクトする気持ちが勝ったのだと思う。
リスペクトしたことによる「負けてられねー」が。

そういえば、唯一、ネガティブ思考がポジティブに転じたことがあったわ。
「二度とサロマを走らないためにも、今回絶対にゴールしなければならない」そんな思いで走り続けた。リタイアして引退、ってのもちょっとカッコ悪すぎるだろ、そういう思いだ。引退するために完走してやる。

なんだかよくわからない
ポジティブ思考だ。

ところで、今日の文章は横文字が多かったな。なんでだろ。

それではまた来年!とは気軽に言えないな(笑)とても苦しいレースだったから。
だけどゴールの瞬間は最高すぎた。あんなにうれしいことはあまり思いつかない。
あと、エイドで飲んだ氷入りの冷えっ冷えのポカリ、うますぎた。大きな声で「大きい方のコップがポカリです!」と何度も叫んで教えてくれた学生さんに感謝しかない。




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コメント

 コメント一覧 (12)

    • 1. hinahio
    • 2019年07月05日 12:42
    • 全て同感です。
      2500人位は同じ事を考えたと思いますよ。

      何度リタイアしようと思ったか。
      あのワイナイナが歩いてましたから。
      今年でサロマは終わりって、思って走ってましたもの。

      今は来年のことを、ちょっと考えてます。(変態なので)

      サロマで勝ちレースって、あるんでしょうか?
      深いですか?
    • 2. チャー
    • 2019年07月05日 13:38
    • ギャッハー(≧∀≦)
      超絶ネガティブじゃないっすか(笑)

      シブケンさん、あんなに岩本師フリークなのに…
      『まな板の上のあなたへ(ウルトラ編)』
      を読んで出直しですね〜(嘘)

      次はご一緒しましょう、遠いけど…
    • 3. シブケン シブケン(管理人)
    • 2019年07月05日 17:16
    • hinahioさん
      あのワイナイナが歩く!けっこう衝撃的なシーンですね。
      そうですか、やっぱりウルトラって簡単ではないですね。そこがまた面白いところなんでしょうけど・・
      今年でやめてやる→すでに来年のことを考える。これも2500人位そうなっているかもしれませんね(笑)

      サロマでの勝ちレース・・来年も挑戦することかもしれませんね(かっこつけ)
    • 4. シブケン シブケン(管理人)
    • 2019年07月05日 17:26
    • チャーさん
      もちろん!「まな板」は熟読しています。レース前にも読みました。
      「ウルトラに敗者なし」の言葉に勇気づけられますよね。
      が!今回ずっとネガティブで、あまりにも「まな板」の教えに反していたものですから(笑)あえての敗北宣言です。
      そうですね、もう一度「まな板」読んで出直しですね!っていや、来年も走るかわかりませんけども!
    • 5. candy
    • 2019年07月05日 20:44
    • こんばんは。しぶけんさん.*・゚ .゚・*.

      昨日 あんまりにも暇すぎて・・・しぶけんさんの過去ブログを読みふけってしまいました!

      超絶笑えました! ちょっと酔っ払っちゃってたから・・・うる覚えなのですが・・・

      しぶけんさんさんは 初レースの時 スタートラインが分からなくて? 今のブログ名になったんでしたよね?

      何だかその部分が笑っちゃって ꉂ( ,,´ლ`,, )<ब<ब

      私は初レースの時 ゴールラインが分からなくて・・・

      ゴールラインを通過しないでレースを終えました! (手前付近で送迎バスに乗った)

      今度 私のブログ名を ゴールラインはどこですか に改名しても宜しいでしょうか?

      今後も しぶけんさんのブログ楽しみにしてます!
    • 6. シブケン シブケン(管理人)
    • 2019年07月06日 08:13
    • candyさん
      暇つぶしに笑ってもらえたならなによりです!そんなブログを目指してます(笑)
      ところでゴールラインが分からないなんてあります?!で、送迎バスに乗っちゃうとかおもしろすぎるんですけど!(笑)失礼。いや、スタートラインわからなかったオレがい言うのもなんですけど。「ゴールラインはどこですか」いいじゃないですか!人生論っぽくて。
      それでは、また暇なときにでも!
    • 7. みっく
    • 2019年07月06日 08:20
    • ネガティブ思考、いいじゃないですか〜
      他人のいろんなネガティブ「ネタ」を聞くのは面白い‥いや、参考になります。
      実際はお金払って走ってるのに、100億円もらっても走れない?面白すぎます。
      来年、同じネタは通用しなくなるので新ネタ期待してます(笑)
    • 8. シブケン シブケン(管理人)
    • 2019年07月06日 09:29
    • みっくさん
      いやいや、来年もサロマ走るとか言ってないので!(笑)
      みっくさん、言っときますけどね、ネタのために走ってるんじゃないんですよ私は。いや、やっぱりネタのためかな(笑)
    • 9. candy
    • 2019年07月06日 15:25
    • しぶけんさん こんにちはー!

      しぶけんさんに ブログ名のぱくりの許可を頂いたので・・・

      ゴールラインはどこですか?に改名したいと思います!

      ゴールラインが分からないまま 送迎バスに乗っちゃうかいな!

      って しくじりも笑っちゃうんですが・・・

      レース前日に 漬物石が落ちてきて 救急車に乗っかっちゃって

      レース当日 病院のベットで迎えたしくじりもあります💧

      しぶけんさんのブログ 本当に面白いですよね!
    • 10. シブケン シブケン(管理人)
    • 2019年07月06日 23:42
    • candyさん
      いえいえ、許可だなんて、どうぞどうぞ。
      漬物石で救急車とか何やってんですか!
      しくじりすぎてケガしないように(笑)
    • 11. S. T.
    • 2019年07月07日 20:58

    •  ありゃ、そんなにネガティブだったんですか…。

       55km地点で既にリタイアを考えていたということは…、エネルギー切れ気味だったのか、あるいは軽い熱中症・脱水症気味だったんですかね…?

       リハーサル通りの後姿を見つけた時、「55kmで着替えなかったんだな」とチラッと思いました。予報よりも気温が上がり日差しもキツかったので、黒系の長袖ウェア、ロングタイツ、リュック、というイデタチはかなりハンデになっているのではないか…?と。僕はリュック背負うと背中汗びっしょりになるので…。

       参加者の中にはこのブログの読者もたくさんいたと思うんですが、これまでの内容が少なからず好影響を与えていたと思います。坂道登ってる時に思い出したんですよね。「確か、肛門を…、あれ? 肛門を…どうするんだったっけ?」ってカンジンなところは思い出せなかったんですが(笑)、「これ、終わったらコメント欄に書こう」って、ツラい50km地点をニヤニヤしながら通り抜けました。

       実は僕も50~70km辺りはペースが落ちてきて、1km毎のラップタイムを見る度にため息ついてたんです。そんな時に「それより、レースは楽しんだ?」って思い出したんですよね。それで、「こんなに天気が良くて景色が綺麗なのは久し振りだ」とうまく気持ちが切り替わってくれました。だって晴れてるワッカ、4年振りだったんですから! ワッカ折り返しの例の橋から見渡した湖も本当に綺麗で、初めてあの橋を評価しました。これまでは憎しみの対象だったんですが(笑)。

       サロマって、続けて出ていると3~4年目に随分楽になるような気がします(たぶん、コースを憶えてしまい、先を見通せるようになるから)。3年続けて完走して自分なりのサロマ必勝法を見つけ出せれば、4年目に納得の自己ベストが出る!というのが僕の持論なんですけど、どうでしょう?

       次はいよいよトレイルですね。面白レポートを期待しています!
    • 12. シブケン シブケン(管理人)
    • 2019年07月08日 11:17
    • S. T.さん
      確かに、あのウエアにリュック、それほど気にはならなかったのですが、知らないところで体力を蝕まれていたかもしれません。
      仮に暑いな、と思っていたとしても55kmエイドで着替える気力体力はゼロでした(笑)
      もし、来年またサロマを走ることがあれば、あんまりビビらないで軽装で身軽にいってみてもいいかもしれませんね。もし!走るのであれば。もちろん天候次第でアレですけど。

      ところであの橋が「憎しみの対象」!(笑)わかります。遠くに見えてからいつまでもたどり着かなくて、幻なんじゃないかと思って走ってました。

      トレイル、全然準備していません。ヤバい!
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