オレは思う。ぜひ多くの人に、フルマラソンに挑戦してもらいたいと。
だけど、それを積極的にススメることはしない。

どっちなんだよ。

「俺もダイエットのために走ってみようかな」
なんて言ってくる人は少なくない。

でも、オレは知っている。

「走ってみようかな」と言って、実際に走り始める人がいないことを。

それは「今度飲もう」の「今度」が永遠に訪れることがないように。

結局、こういうことだ。
走り始める人はすでに走っているし、今走っていない人はこの先も走らない、
ということだ。

ついつい哲学的な発言をしてしまったが(どこがだよ)
だからオレは、マラソンを積極的にススメることはしないんだ。

ススメたって走らない人は走らないし、ススメなくたって
走る人は走るからだ。

なんか、カッコつけた割には、あたりまえのことしか言ってないな(笑)

考えてみれば、オレもいつの間にか走っていたんだ。
誰にススメられたわけでもない。
ダイエットのため、健康のため、とかちょっとした理由はあったよ。

でも、いつの間にか走りだしていたんだ。
いつの間にかランニングシューズを履いて。

いや、万引きしたとかじゃないぞ。

みんなもいつの間にか走りだすことを願うばかりだ。

しかし、だ。
すでに走りだしていて、だから10キロレースやハーフマラソンを走っているのに
フルマラソン未経験、という人には積極的にススメたい。
42.195キロ先のゴールを目指すことを。

一緒にあるモノを探してもらいたんだ。

ここからちょっとロマンチックなこと書くけどいいかな?
気持ちわりっとか思わないでね。

オレもね、まさか自分がフルマラソンを走るなんて夢にも思ってなかったわけ。
初めてハーフを走った時なんか、両足ツってエライことになったからね。
それで「あーオレの限界はハーフまでなんだな」って思ったよね。

なんだけど、あるとき誰かが言ったんだ。
テレビだったか本だったかで。

「42.195キロ先に素敵なモノが落ちてるよ」って。

うっせーバカ。

いつものオレなら、そう思っていたかもしれない。
だけどこの時は素直に「そうか、じゃ、それを拾いに行ってみるか」
そう思えたんだ。せっかく走ってるんだし、って。
20170602ld-1



で、初めてのフルマラソン。
北海道は千歳にて「千歳JAL国際マラソン」ってやつがオレの初舞台だった。

起伏の多いコースでキツかったけど、なんとか一度も歩かずに
文字通り完走することはできたんだ。4時間33分かかった。

もちろん、ゴールしたときはうれしかったけど
一番印象深かったのは、ゴールよりも30キロ地点を超えたときだね。

なんか震えた(笑)ゾクゾクって。

それまでハーフ以上走ったことなかったからさ。
30キロなんて未知の領域だよ。「うわー30キロ超えたよ」って。
「この先、脚どうなるんだろう」って。普通に走れている自分が不思議だった。
まぁ、そのあとで苦しむことにはなるんだけど。

で、ゴールになにがあったのか。

だから42.195キロ先に素敵なモノは落ちていたのか?

見つけられなかったわ。どこにもそれはなかった。

どうやら、先に誰かが拾って持っていってしまったようだ。
ロマンチックなこと言えばね。

実際は疲れすぎて、それどころじゃなかったっていう(笑)

そうか、4時間切れば、サブ4で走れば
あるいは先に素敵なモノを拾えるんじゃないか。
オレはそう考えた。
ロマンチックなこと言えばね。

オレはサブ4を目指すことにした。走り続けた。
42.195キロ先にある素敵なモノを手に入れるために。
ロマンチックな、ロマンチック。

たび重なる失敗レース。3年かかってしまった。

舞台は同じ「千歳JAL国際マラソン」だった。
そしてオレはサブ4を達成した。

そのゴールに、42.195キロ先にあったモノは・・・

ほんの少しの達成感だった。コレじゃない気がした。
どうやら探し続けるしかないようだ。

あそこがあやしいな。

一度もサブ4を達成していない北海道マラソンのゴールだ。
あそこに素敵なモノがありそうな気がする。
厳しい真夏のマラソンだ。今まで何度撃沈したことか。
暑さは大敵だ。

果たしてそのゴールにはあるだろうか。素敵なモノは。

みんなも42.195キロ先に何があるのか確かめてみないか?
ロマンチックなこと言えばね。

最後までロマンチックに付き合ってくれて、ありがとう。







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