大会中止を聞いて残念な気持ちしかなかった、と言えばウソになる。
正直に言ってしまおう。
オレは少し安堵した。ごめんなさい、オレは弱いランナーだ。

2020年7月19日に開催予定だった「第8回大雪山トレイルジャーニー」の中止が5月14日に決定した。理由は言うまでもないが「新型コロナウイルス感染の収束に見通しが立たない」とのことだった。

山を走るトレイルレースだ。オレはトレイル初心者だ。山を走った経験はほとんどない。
そんなオレが、去年初めてのトレイルレースってことで、この大会の40kmの部に挑戦したんだ。

なんとか制限時間内にゴールへたどり着くことはできた。できたが・・正直言って初めてのトレイルレースに選ぶ大会じゃない(笑)

いや、知らないよ。他のトレイルレースのことは知らない。知らないけど断言できる。
初めてのトレイルレースにこの大会を選んじゃダメだ。一歩間違えたら死ぬ(本気半分、冗談半分)。コースの最後、スキー場の斜面を下って行くんだけど、その下りが辛くて辛くて。太ももがガッチガチのゴリゴリで、1歩1歩が痛くて、5歩ぐらいごとに立ち止まって休んだもんね。

トレイル初心者が大雪山トレイルジャーニーに挑戦するってことは、某人気番組「はじめてのおつかい」で、幼稚園児がエチオピアに行ってコーヒー豆を買ってくるレベルの難易度だと思う。

だけど、どんなレースでも、時が経てばその辛さを忘れてしまうことはよく知られている。
そしてオレは今年、あろうことか、この大会の最長距離である70kmの部にエントリーして「しまった」んだ。
ランナーってやつは、どうしてこうもバカなんだろう(いい意味でも悪い意味でも)

かなりビビりながらのエントリーではあったんだけど。パソコンのマウスをクリックするだけでワキ汗流れたからね(笑)
なんせ、去年の40kmでもギリな感じだったから。その40kmの前に30km走るっていうんだからビビるに決まってる。

そして今年、新型コロナウイルスの影響で、エントリーしていた大会が軒並み中止になっていった。それらの大会は、オレの中で「大雪山トレイルジャーニー70kmの部」に挑戦する上でのトレーニングでもあったんだ。
フィジカル面でもそうだし、メンタル面でも、たとえば重要な位置に置いていたのはサロマ湖100kmウルトランマラソンだ。

「大雪山トレイルジャーニー70kmの部」の3週間前に100kmを完走することで「自信」にしたかったんだ。トレイルとロードはまるで違うと思う。だけど「オレは100km走ったんだから70kmなんて行けるだろ」っていう自信が欲しかったんだ。

だけど、サロマ湖は中止になった。自信を得る機会は失われてしまったんだ。
いやいや、大会が中止になったって、あると思って走り込めや!って声も聞こえてきそうだが、それは無理な相談だ(笑)オレはそこまでデキたランナーではない。そして、「自粛要請」も大きな影を落としていた。

そんな状況だ。オレは日に日にこう思うようになっていった。

「大雪も・・ないよね?」

弱気で恥ずかしい限りだが、オレにとって、今シーズンの初レースが、もしかしたら唯一のレースが「大雪山トレイルジャーニー70kmの部」ってのはチト厳しいな、それが正直な気持ちだった。
他のレースが中止になった今、厳しい走り込みのモチベーションを保つ自信がなかった。

しかし、大雪山トレイルジャーニーの中止はなかなか発表されない。
この大会の企画・運営は「フィールズ」という会社だ。多くのトレイルレースの大会を運営している。そこから7月初めまでのレースの中止は発表されていたのだが、大雪山トレイルジャーニーに関しては検討中となっていた。

「フィールズ」の他、「大雪山ウルトラトレイル実行委員会」の方々も運営に参加しているようだ。そこで日々の状況を見ながら開催の可否を話し合っているのだろう。

オレは思った。コイツら(失礼)やる気だな、と。

思い返してみれば、去年、大会前日の説明会から参加したんだけど、その運営がなかなかワイルドだったんだ。細かいことは書かないでおこう(笑)
とにかく行くも行かないも自己責任だからな、そんな強いイメージが伝わってきた。オレには、ね。
同時に「大丈夫イケるイケる!」と気楽なようで、心強い応援する気持ちも感じ取った。

「これが山の男か、なかなかにワイルドだな」そう思ったものだ(根拠なし)

大会運営は、オレの中ではワイルドなやつらだ(失礼)
だから思った。コイツら(失礼)やる気だな、と。

確かに、条件的には他の大会より開催の可能性は残っていたと思う。
規模は数百人規模で小さい。山の中で一般の人との接触はほぼない。エイドも少ないから、そこでの接触も少ないだろう。基本自分で水分持てよ!な大会だ。

なかなか中止が発表されないことで、コイツら(失礼)やる気だな、と。

ビビッているオレだって、過去に2度サロマ湖100kmを完走している。腐ってもウルトラランナーだ。だったら、やってやるよ!そんな気持ちは捨てないで、できる限りでランニングは続けていた。

そして中止が発表された。
メールで届いたその文面から、最後まで開催を模索してくれていたことが伝わる。ありがたいね。

そしてオレは少し安堵した。

しかし、ちょっと気になることがあるんだ。
大会中止を伝えるそのメールに「今後の開催の見込みについて」という項目があって。そこにこう書いてある。

「新型コロナウイルスの収束の見通しが立ち、開催できる環境が整った段階であらためてメールにてご案内致します。」

ん?来年とかじゃなくて?
コイツら(失礼)やる気だな(笑)
ってことで、このブログの「大雪山トレイルジャーニー完走への道」も「(その2)」としておく。なんか続きがありそうだから・・

そして、メールはこう締められる。

「最後になりましたが、皆様のご健勝をお祈りするとともに、事態の収束に向けいま私たちが取るべき行動にしっかりと取り組み、一日も早く皆様と北大雪・白滝でお会いできることを、心より祈念致します。

 令和2年5月14日
大雪山ウルトラトレイル実行委員会」

一日も早く・・コイツら(失礼)やる気だな!

ありがとう、がんばってください。

大雪フェイスブック
大会フェイスブックに載っている去年のオレ。やけに楽しそうだな(笑)





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コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. ゴキゲン
    • 2020年05月18日 12:57
    • トレイルの運営の思いとシブケンさんの思い。感動しました。
    • 2. シブケン シブケン(管理人)
    • 2020年05月18日 19:10
    • ゴキゲンさん
      そ、そうです?ありがとうございます。
      ヘタレランナーなだけですけどね(笑)
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