2020年8月14・15日開催予定だったライジングサンロックフェスティバルが中止になった。
新型コロナウイルスの影響だ。

街が失われたんだ。

ライジングは一年に2日間だけ現れる街、と表現される。
そこに2日間だけ数万人の人が集い、寝食を共にし、音楽に酔いしれる。まさに「音楽の街」だ。
今年、その街が現れることはない。

これはオレにとって、なかなかの出来事だ。もちろん残念な方向で。

なんせオレは1999年の第1回開催から毎年欠かすことなく20年以上!その街の住人になっている生粋のライジングバカだからだ(笑)
いつの頃からか「今年どうする?」とか、参加に迷うレベルの話ではなくなっている。

毎年正月にモチを食べるように、毎年ライジングでキャンプをして酒を飲んでライブを見ることになっているんだ。
毎年正月にモチを食べることに何の疑問も抱かないように、毎年ライジングに参加することになんの疑問も躊躇もない。
ちなみに、オレ、モチはあんまり好きじゃない。特に嫌いでもないけど。1年に1個食べれば十分だ。どうでもいいね、オレのモチ情報。

そもそも1999年の第1回開催のときでさえ、オレに「参加しない」という選択肢はなかったんだ。このイベントを知った時のことを今でもよく憶えている。しっかし・・21年も前のことなのか・・
大学を卒業して就職した会社で、つまらない毎日を送っていた頃だ。その日も残業でね。ちょうどインターネットが普及しだして、会社に回線が引かれてまもなくの頃だったような気がする。

そのサイトに、いや、当時はホームページって言ってたよね(笑)そこにどうやってたどり着いたのかは憶えていない。なんかおもしれーライブねーかなー、とか慣れないネットサーフィンとやらをやってたのかな。残業中に!
第1回ライジングサンロックフェスティバルの開催を知らせるページを見つけたとき、オレは自分の目を疑ったよね。ウソだろ?そう思ったんだ。

出演バンド(アーティスト)がさ、当時オレが大好きでよく聴いていたバンド「ばかり」だったんだ。これ、もしかしてオレのために選んだのか?と思ったくらいに(笑)

rsr1999
これがその時見たホームページのトップ。
ライジングサンの公式サイトにアーカイブとして残っていて、今でも見ることができる!なつかし~
RISING SUN ROCK FESTIVAL公式サイト(外部サイト)

電気グルーヴに始まりNUMBER GIRL、THE HIGH-LOWSがいてDragon Ash、UAも椎名林檎も。THEE MICHELLEGUN ELEPHANTがいればBLANKY JET CITYもいて。そしてSUPERCARやbloodthursty butchers。
大トリはサニーデイ・サービスという、当時のオレにとってこれ以上はないだろ、ってラインナップだったんだ。もちろん我がまま言いだしたら、もっとあれもこれも見たいバンドはあったよ。
でも、北海道みたいなイナカで開催される一つのイベントに揃うメンツとしては、「これ以上ない」と言っていいラインナップだったんだ。
あくまでも、当時20代だったオレにとって、ということだけど。オレにも20代だった頃があるんだよ(笑)いやいや、この中にいまだに聴いてるバンドもいくつかあるよ。

そのメンツに加えて、キャンプしながらの野外イベントってところに惹かれたよね。惹かれまくったよね。今でもまぁまぁなキャンパーだけど、当時からキャンプは好きだったから。
キャンプして酒飲んで大好きなバンドのライブを見る。オレにとって楽しいことだらけの、まさに神イベントが北海道で開催されることに驚いたものだ。
そこに「参加しない」という選択肢はなかったんだ。

ここでいうキャンプっていうのは、ただ単にテントを張るだけ、のキャンプじゃないぞ。
フツーにキャンプだ。だから炭で火起こしてBBQやって、とかそんなのだ。広大なキャンプ場にライブステージがある、と考えてもらったらわかりやすいかもしれない。

テントで寝泊まりしたり、BBQできるフェスは他にもある。あるけど、音がビシビシ聴こえるステージのすぐ近くで、なんなら真ん前でそれをやれる大規模なフェスは国内ではライジングサンが唯一なはずだ。

(たぶん)唯一だから、全国にライジングのファンは多い。毎年、オレみたいなライジングバカが全国から集まる。
いや、オレなんて甘い方だろうな。「ライジング命」みたいな人も多い。ライジングに人生賭けてます、みたいな。一年間、この日のためにお金を貯めて、みたいな。開催時期がちょうどお盆時期だから、道外からの参加は交通費も高いしなかなかお金がかかるもんね。オレは家から車で30分みたな感じだけど(超ラッキー)

人生を賭ける、なんて言うと「大げさな」と思う人もいるだろう。たかがイベントに、と。ところがどうして、一度参加してみてほしい。
その意味がわかるはずだ。そこに街がある。街があるから人生があるんだ。
といっても、「誰でも」わかるわけではない。

少なくとも音楽が好きじゃなきゃ話は始まらないし、アウトドアが苦手だと、ちょっと厳しいかもしれない。
開催地の石狩の大地(札幌と小樽の間くらい)は、トイレも仮設だけの(一部水洗あり)なかなかハードな環境だ。複数あるステージ間の移動も、エラい距離を歩くことになる。とにかく広い。
オレは過去に、その環境に耐えられずに街を出て二度と戻らない人たちを何人も見てきた(笑)

オレにとって、ライジングは人生を賭ける、まで大げさなものではない。
いや、そんな時期もあったかもしれない。オレは今だにバンド活動をしているほどの音楽好きだ。普通の音楽好きに輪をかけて、ライジングへの「のめり込み度」は高かったと思う。
NO MUSIC,NO LIFE的に。

でも、オレも歳をとった(笑)なんせ20年以上その街の住人だ。
今では落ち着いたものだ。今年、開催中止になったことはとても残念だけど「まぁしゃーない」で落ち込むこともない。そういう意味では歳をとるのも悪くない。
実は去年も、台風の影響で1日目が中止になってしまったんだ。それで「心の準備」みたいなものができていたのかもしれないね。

いや、去年の1日目中止はけっこうショックだったけどね。前の日に中止が発表されて。
20年目にして初めての中止だったからさ。マジかよ、って。

1999年の第一回目が終了したとき、来年も開催されるのか不安だったことを思い出したよね。それについての発表は特になかったんだ。ここ数年は、終わると同時に来年の開催が発表されるんだけど。
来年の開催を不安に思うほど楽しすぎた1999年の第一回開催。

あれから今年で21年。初めてライジングサンロックフェスティバルのない夏を迎えることになる。今ではライジングに人生を賭ける、ほどにのめり込んではいないけど、いや、だって、正月にのめり込んでる人いないでしょ。それと同じことだ。必ずあるもの、そういう認識だ。だったんだけど、中止になってしまった。
とても残念だ。

ライジングに人生を賭けてるってほどではないけど、過去に一緒に行った人たちを思い出すと、オレの人生の一部を垣間見れる気がする。

たとえば、第一回開催の時は十数人の友人・知人と一緒にキャンプをして参加したんだけど・・
今ではその中の誰一人!とも連絡を取り合うことはない・・
今でもライジングに参加してる人いるかな、いないだろうな~。おかしいな、あんなに楽しかったのに。楽しかったのオレだけなのかな(笑)
あんなやつとも行ったな、とか。会場で意外なやつに会ったりもしたな、とか。その時その時で仲の良かった人たちを思い出す。実のところ、名前すら思い出せない人も多いんだけど・・
みんな街を出てどこかに行ってしまったようだ。オレが生まれ故郷の函館を出てしまったように。

逆に最近知り合った人もいて。ライジング会場でしか会わない人たちも多い。
その街に行かなければ会えない人たちだ。来年会えたら、2年ぶりってことか。なかなかのタームだね(笑)

去年(半分)、今年の中止によって、来年、それはもう爆発的な盛り上がりになるに違いない。
無事開催されれば、の話だけど。
そんな1999年の第一回目が終了したときに似た不安を抱きながら街の出現を待つのも、また人生だ。



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コメント

 コメント一覧 (10)

    • 1. sakana2053
    • 2020年05月26日 19:36
    • 5 終わった瞬間からカウントダウンしてますよ。あと365日とか。
      学生時代はバイトで見放題でしたね(^ω^)懐かしい。
    • 2. てっぺい
    • 2020年05月27日 09:00
    • 私は第一回当時某ホームセンター手稲前田店に勤めていて、高圧洗浄機の不良品交換に伺ったことがありますw
      設営中だったので、アーティストとおぼしき方は見かけませんでした。
    • 3. シブケン シブケン(管理人)
    • 2020年05月27日 14:13
    • sakana2053さん
      今回のカウントダウンは長くなりますね~
      バイトってやっぱり見放題なんですね!そうだろうな、とは思ってましたけど(笑)
    • 4. シブケン シブケン(管理人)
    • 2020年05月27日 14:16
    • てっぺいさん
      第一回のときに!なかなか貴重な体験だね。
      最近はフェスブームだからか、チケットとるのも(抽選)もう大変!
    • 5. のり
    • 2020年05月27日 17:06
    • 僕は、TMnetworkのファンでした。小室哲哉が引退したのでライヴが見れないのが残念❗
    • 6. T
    • 2020年05月27日 21:03
    • お久しぶりです。
      今年もライジングネタがきましたね! 私は、このネタを見ると必ず水上レストランを思い出します。
      因みにですが、ライジングサンにエントリーした事はありません…
    • 7. シブケン シブケン(管理人)
    • 2020年05月28日 16:03
    • のりさん
      そういえば、小室ファミリーは一回もライジングに来なかったな~
    • 8. シブケン シブケン(管理人)
    • 2020年05月28日 16:05
    • Tさん
      水上レストラン!よく憶えてますね(笑)
      来年はぜひ!ライジングにエントリーしてください!
    • 9. pen
    • 2020年05月29日 09:48
    • うちは、夫婦で1回だけ(しかも夜中に撤収)参加しました。(テントは埋まってて取れませんでした)
      2013年で、雨模様でしたが、楽しかったですよ! 妻が小田さんのファンなもので^^;  マキシマムザホルモンのナヲさんが小田さんをリスペクトいじりしていましたw あとはゴンチチを横になりながら聞いたり、ウグイスってなんだぁ?歌うまいなぁって思ってたら渡辺美里さんだったり、東京スカパラを聞いたり。結構高齢でも楽しめちゃうんですね~。 
    • 10. シブケン シブケン(管理人)
    • 2020年05月29日 13:06
    • penさん
      おー、参加したことあったんですね!
      私も観てましたよ、雨の中の小田和正。サイコーでしたね!
      ライジングの客なんか、あれですよ、私みたいに10年も20年も通い続ける年寄だらけですよ。って言ったら怒られるかな(笑)
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