キャンプにて友人がこう言ったんだ。
「今度、炊飯ジャー持ってこようかな」
冗談半分だ。しかし、半分は本気かもしれない。
そのキャンプは、テントは張らずにバンガローで寝泊まりするものだったんだ。
とても立派なバンガローでね。
トイレ、流し台、ストーブ、電源コンセント完備だ。テレビまである。
もう、家、だよね。
そのバンガローで、電源コンセントを見ての友人の発言だ。
オレは言ったよね。
「おまえ、キャンプやめちまえ!(笑)」ってね。
どんどんキャンプが便利になってきている
きれいに整備されたオートキャンプ場も増えてきているし、テント、BBQコンロなどのアウトドアグッズも昔に比べたら、格段に安く買えるようになった。質も悪くない。一番の革命は、やはりLED電球だろう。これの出現によって、簡単に「明り」を確保できるようになった。
それまでのキャンプは不便があたりまえ
燃料ランタンが照明器具の王様だった。燃料がガスにしろ白ガソリンにしろ、ランタンを持っているやつはヒーローだった。ヒーローはちょっと大袈裟か(笑)ランタンを持っているかどうかが、キャンプに行くメンバーを集める時のキーポイントだった。
ランタン持ってやついるか?って。
ツーマントル(光る(燃える)部分が2つ)ものなんて持ってたら、もう、羨望の眼差しだ。明るすぎて、夜でもキャッチボールができるほどに明るい。それはちょっと言い過ぎか(笑)
でも、とにかく、ものすごく明るいんだ。初めてみた時は感動したよね。
この世にこんな道具があったのか!って(笑)
手間がかかるからキャンプをしている実感がある
燃料ランタン
スイッチをパチンとやれば明りが灯るなんてヤワなもんじゃない。
いろいろと手順がある。
光る(燃える)部分はマントルというんだが、新品の時は小さな巾着袋みたいなもので、それをまずライターの火で燃やすんだ。
その際のライターは、もちろんチャッカマン。
いや違ってもいいんだが。
ここで初めての人は、誰しも恐怖に襲われるんだ。
「ホント燃やしていいのか?」って。
ダチョウ倶楽部よろしく「燃やすぞ?燃やすぞ?」って。
「ホント燃やしていいんだな?」って。
初心者が、ビビッて何度も確かめるのは、よく見た光景だ。
そして、今度は燃料タンク部分に空気を圧縮して送り込む。
レバーをシュポシュポと出し入れして。
明かり一つつけるために、手間かかりすぎでしょ。
とは誰も思わない。なぜなら、その手間が楽しいからだ。
オレ、キャンプやってるー、って実感がある。
いや、道具としては優れたものだよ。
乾電池一つで長時間明りの灯るLEDランタンに比べれば、不便かもしれないが。
それでも、LEDランタン全盛の今だって、燃料ランタンはバリバリ現役だ。
好んで使う人も多いだろう。なにより明るい。
何度見ても「うおー明るい!」と盛り上がったものだ。
燃料ランタンに明りを灯すのは、キャンプにおけるメインイベントの一つだった。
夜、燃料ランタンから聞こえる「シュー」って音は、キャンプを象徴するものの一つだ。
BBQ
BBQコンロだってそうだ。今はサクサクっと組み立てて、炭をおこしてすぐに「はい、準備オッケー」だ。
昔は違った。
まず、かまどになる場所を決めて、そして大き目の石を集めて囲う。
その上に網を置いてね。高さの微調整したりして。
BBQが終われば、そこで焚火を始める。
これもキャンプにおけるメインイベントの一つだったはずだ。
キャンプといえば「火」だ。火を燃やすためにキャンプをやっているといっても
過言ではない。
やっぱり不便だから楽しい
だから、いろいろなことが便利になった今、ちょっと物足りなさを感じなくもない。
「不便」を「便利」にいろいろ工夫するのが楽しいんだから。
「便利」の追求がエスカレートしてくると、「炊飯ジャー持ってくるかな」ってことになってくるんだ(笑)
そして、だったら温泉旅館にでも泊まったほうがいんじゃね?てなってくるのは世の常だ。
もはやキャンプじゃない。
キャンプとは不便を楽しむものだ、と言えるのではないか。
究極は無人島生活、になるかな。
一回やってみたいよね、無人島生活。
木の枝ゴリゴリやって火をおこしたりさ。手作りの釣りざおで魚釣りしたりさ。
罠仕掛けて野生動物を仕留めたり。
なんて言ってるオレが今購入を迷っているのがアウトドア用のベッドです。
やっぱりさ、寝るのだけはさ、便利に快適にしたいよね(笑)
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