「スープカレー」という料理をご存知だろうか。
北海道名物の一つになっているので、けっこう有名だとは思うんだけど。それとも、すでに全国区的な料理になっているのかな?
オレの住む札幌には、スープカレー好きが多くいる。と思う。
割と頻繁に食べる料理の一つになっている。と思う。ラーメンほどではないにしろ。確か札幌がスープカレー発祥の地とされているので、その影響もあるだろう。
ちなみに北海道名物の「カニ」を頻繁に食べるやつはいない。「ジンギスカン」もそれほど食べないだろう。「白い恋人」なんて、もらったら喜ぶレベルだ。
そんな札幌のスープカレー好きの中では、こんな不文律がある。
「バカみたいに辛くなきゃスープカレーじゃない」
スープカレーにハマった人は、これはもう例外なく、どんどん辛い方に向かっていく。オレの知っている限りでは、という話だけど。
オレは違うと思うよ。そこまで辛くなくてもスープカレーはおいしいと思う。オレ、辛いの得意じゃないので。得意じゃないというか、苦手なので。どのくらい苦手かといえば、テレビで誰かが激辛料理を食べてるのを見ているだけで、鼻に汗をかくほどに。
だから、スープカレーは少し辛い、くらいでいい。それで十分おいしいと思う。
そんなオレもその昔、スープカレーのおいしさを初めて知ったころは、どんどん辛い方に向かっていったんだ。
普通、どこのお店でも、辛さを選べることはよく知られている。1番から5番の5段階で選べるところが多いかな。3番が中辛、みたいな。
1番から100番までの幅を設けているところも珍しくない。でも、アレだよ、そんな店で100番を選ぼうものなら、真っ赤な唐辛子の粉が山盛りだからね。
これ書いてるだけで鼻に汗かいたわ(笑)
でだ。オレが昔よく行っていたお店の「辛さの段階」を表す表記が、面白かったんだ。今でもそうなのかわからないけど。何番とかの数字じゃない。
「銀玉鉄砲」に始まり「BB弾」とか「22口径」とか、なんつーのかな、辛くなるにつけ攻撃の威力が増していくっていうのかな。激辛で「44マグナム」だったかな。その上になると「パトリオット」とか「トマホーク」とかミサイルになって、最後は「アポロ11号」だったはず。「アポロ11号」の攻撃力はよくわからないけど。辛さ大気圏突破、とかかな。やかましいわ。
オレはある日、「トマホーク」に挑戦したんだ。
完食できなかった。
昔から食べ残はしないように厳しく躾けられてきたオレが、だ。あの日オレは、どうしてもトマホークを完食することができなかった。
辛すぎたんだ。
辛いというか、痛いんだ。一かけらのニンジンを舌にのせるだけで痛い。ニンジンが痛いってどういうことなんだ。もう汗がダラダラと流れ出る。汗ダラダラだと思っていたら、今度は急に体がブルブル震え出して。寒い。歯もガチガチいってる。
体がおかしくなってしまったようだ。そんな状態で食べ続けることはできなかった。
これがオレの中での「最悪」だ。スープカレーにおける最悪な経験の一つだ。だからといって、この最悪を知ったからといって、辛さに強くなったわけでもない。別の日に食べたスープカレーも、やっぱり辛かった。もちろん「トマホーク」よりも全然辛くないレベルの「辛口」であっても、だ。
辛いものは辛い。そういうことだ。
今年2020年の6月に、オレはランニングにおける「最悪」な経験をした。数人のラン仲間で行った、なんでもない日に100km走るという企画だ。
札幌方面から室蘭まで走るということで、「室RUN」というフザけたネーミングの企画だった。
詳しくは上の記事を読んでもらいたいが、いや、特に得るものもないだろうから(笑)無理して読まなくてもいいけど、とにかく苦しんだ100kmランだったんだ。17時間雨に打たれ続けるわ脚を痛めて歩くのすら困難になるわ、で。ランニングにおける最悪というか、人生において最悪な出来事の一つだったと言える。
あんなに辛いことは、この先ないと思う。少なくとも、ランニングにおいて、マラソン大会においてはない、と断言できる。
だからと言って、やらなきゃよかったとは思わない。それはまた別の話だ。大きな自信になったからね。「オレはあの最悪の100kmをクリアしたんだ」という自信。「あれ以上の最悪はないんだ」という自信。
その自信を胸に、先日オレは「SAPPOROテイネオータムトレイル2020(33kmの部)」に挑戦した。
オレはトレイルの経験がほぼないから、エントリーには躊躇した。今まで1回しかトレイルレースを走ったことがないからね。
去年2019年に走った「大雪山トレイルジャーニー(40kmの部)」がそれだ。そのレースもなかなかハードでね。オレにとって、トレイルレースにおける「最悪」と言えるかもしれない。今のところは。
それら2つの最悪を、だから「室RUN」の最悪と「大雪山トレイルジャーニー」の最悪を「あれ以上の最悪はないんだ」という自信に変換して挑んだ「SAPPOROテイネオータムトレイル2020」はどうだったのか。
普通に苦しかったです(笑)
過去の「最悪」とか、それを自信にとか、まったく関係なく苦しくて。「トマホーク」がどんなに辛ったとしても、それとは関係なく、辛いカレーは辛いように。過去にどんなに最悪なマラソンを経験していようが、トレイルの下り坂で太ももがゴリゴリに痛いのは軽減されることはない。
最悪を知っているからといって、マラソンレースが楽になることはないんだ。
ただ、最悪を知っていれば、自分にとってハードルの高いレースに、距離とか制限時間でちょっと無理かな、と思うレースにノリでエントリーすることは可能になる。
「ま、今回もなんとかなるべ」って。「アレに比べれば大丈夫だべ」って。ダメならダメで、リタイアって手もあるし。
あ、でも、トレイルレースに関しては、ノリでのエントリーは危険かもしれないな。
途中でリタイアする時は、理由がケガであれ体力の限界であれ、基本、自力で下山しなきゃないからね。要するに無理な話しだ。そこは気を付けてほしい。
あとアレだよね。100kmウルトラマラソンを経験したからって、フルマラソンが楽になるわけじゃないし、フルマラソンを経験したからってハーフが楽になるわけじゃない。同じく10kmレースも。それぞれまったく違うレースになるから、それぞれ苦しい。自己ベストを目指したレースであれば、だけど。だから、どんなレースのゴールも同じくらいの喜びがあるよね!
あー、マラソンのゴールのこと考えてたら、鼻に汗かいてきた(なんでだよ)
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コメント
コメント一覧 (2)
さて、私は明後日真駒内の坂を8回登るドMマラソンで最悪に挑んできます!
コース見たけど、これは・・上り下りが多くて、なかなかハードなルートだね。それの周回か。
大いに苦しんでくれ(笑)そして、もちろんサブ3.5達成だ!健闘を祈る!