ライブで盛り上がる観客

すごいバンドだと勘違いさせるテクニック、それは


音を出さないことだ。


なんだなんだ?禅問答かなにかか?そういぶかしがる人もいるかもしれない。
そもそも「勘違い」ってなんだよ、正々堂々とすごいバンドになるように努力しろよ、そう眉をひそめるライブハウス関係者もいるかもしれない。

なれるもんならなってるわ!

失礼、もうかれこれ20年以上バンド活動をしているのだが、一向に光が見えないんだ(笑)


ところで、「対バン」という言葉を御存知だろうか?

アマチュアバンドのライブは、基本的にワンマンでやることはない。複数のバンドが出演する形式をとることが多い。4バンドから6バンドくらいの出演が主流だろうか。

正確に言えばそれは、残念なことだが、ほとんどのアマチュアバンドは「ワンマンで集客する力がない」とも言える。

耳が痛い。

で、そんなライブで、自分のバンド以外の出演バンドを「対バン」と呼ぶ。
オレたちアマチュアバンドにとってのライブは、その対バンとの勝負の場でもあるんだ。

オリジナル曲で活動しているバンドの間では「勝負」の色合いは強い。
コピーバンド大会、とかになると「バンド仲間で楽しく」って感じにもなるのだが。

勝負は本番前、まだお客さんがいないリハーサルの時から始まる。
いや、始まるというか、リハーサルで勝負は決まる、と言ってもいいだろう。
だから、リハーサルは殺伐とした空気が漂うことも多い。

特に今まで対バンしたことのない、初顔合わせのバンドは、互いにどんなバンドなのか気になるからね。

演奏が上手いのか下手なのか。
どんな曲をやるのか。
タトゥーとか入った怖い人たちなのか。
使ってる楽器は?機材は?

どれも勝敗を決めるファクターとなり得る。タトゥーは別にアレだけど(笑)。

だからリハーサルは怖い。本番より怖い。
オレは本番はあまり緊張しないんだが、リハーサルは恐怖に震えている。
あの、品定めされ感、たまらなく怖い(笑)

だって、他のバンドが客席から腕組みして、こっち見てんだぜ?メンバー同士でごにょごにょって、なんか耳打ちしたりして。オレらの悪口言ってんじゃねーかな。

気にしすぎだろ。

いや、そうなんだけどさ。でも気になるでしょ。
そんなリハーサルで、対バンにすごいバンドだと勘違いさせるテクニック、それは


音を出さないことだ。


余裕をカマすんだ。余裕は自信の表れだ。

リハの流れとしては、まず、各パートの楽器をセッティングするよね?

ギターとベースはアンプのツマミを調整して音を作る。ドラムはスネアやタムの位置を決める。
各セッティングが終われば、次はライブハウスのPAさん(お客さんに聞こえる全体の音、バランスを決める人)とのやりとりだ。そして音を最終決定する。

各パートのセッティングの時は、もちろん、それぞれ音を出しながらやるよね?

その時だ!その時、極力音を出さないように心掛けたい。

サラっとセッティングを終わらせたい。
いつだって、その余裕が男の器の大きさを物語る。女性はドギマギしている方がかわいいかもしれない。


こら、オッサン。

失礼。



出来れば、たとえばギターなら、エフェクターを踏みながら各音色を、一発だけジャラ~ンと鳴らして音を決めたい。


もちろん、そのためには、日頃からアンプの音作りを入念に行う必要があるぞ。

そのライブハウスにある、同じアンプで音を作っておきたい。できれば自分のアンプを持ち込むのが一番いい。


しかし、決まって、いつまでも、音を鳴らし続けるバンドがいるんだ。

延々と爆音を鳴らし続け、いつまでもセッティングを終われないのは、自信がない証拠だ。


弱い犬ほどよく吠える、だ。


ライブハウスのPAさんも茫然とその様子を眺め続けるしかない。

しまいには、リズムを刻みだしたドラムにベースが加わり、されにギターが加わる。
セッションだ、セッションが始まったぞー!
そんな場じゃないのに、セッションを繰り広げる。場違いセッションだ。

それは、田んぼの真ん中でブレイクダンスを踊るように。


本番前のセッティングもそうだ。音を極力出さないようにしたい。


複数のバンドが順番に出るわけだから、2番目以降のバンドは当然、お客さんの前でセッティングすることになる。

そこでギャンギャン音を出してたら、みっともないことこの上ない。

それは、誰一人立ち止まらない駅前の広場で、選挙演説をガナり立てる政治家のように。


過去、あるプロのバンドのライブを見に行ったとき、同じシチュエーションがあったんだ。

だから、バンドが複数出演するライブで、最後に出てきたそのバンドが、客の前でセッティングだ。
割と有名なバンドだったのだが、本人たちが自分でセッティングをしていたんだ。

ドラマーがさ。

イスに座って、スネアやらタムやらの場所を決めて。
普通なら、そこで実際に叩いて音を出して、いろいろ確かめるはずなんだ。

しかしそのドラマーは、結局一発も音を出さないままセッティングを終了したんだ。

ドラムスティックすら持たなかった。

両手の人差し指で、軽く叩くしぐさをして、それだけでステージを降りていったんだ。


シビれたね。


これだ!そう思った。
もちろん、本番はすばらしい演奏だったことは言うまでもない。
過去にドラムのセッティングで、一発も音を出さなかったドラマーをオレは見たことがない。

絶対の自信を持っているんだ。

それを見て改めて思ったものだ。
すごいプレイヤーとは、余計な音を一切出さないプレイヤーなんだと。

アマチュアもそこは見習いたい。

ライブはリハーサルで決まる。極力音は出さない。
リハーサルは真剣に、本番は楽しんで。

これ大事。








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