タンポポを足に塗ったら、走るのが速くなる。
誰も信じないと思う。そもそも意味がわからない。
なぜなら、タンポポは「塗る」ものではないからだ。だけど、この話を真に受けて、足にタンポポを塗ったやつがいたんだ。オレだ。小学生だったころのオレだ。
その日は運動会だった。もうすぐ徒競走が始まるという時だ。友人はどこか誇らしげに言った。
「タンポポ塗ったら足速くなるよ」
友人の手には、その辺でちぎってきたタンポポの花があった。
オレはニワカにその言葉を信じることはできなかった。なんせ突然すぎたんだ。いつも和食しかつくらない母親が「今日の晩御飯、チーズタッカルビだよ」って言うくらいに突然だ。
その場にいた他の友人たちも同じ想いなのか、ポカンとしていた。
しかし、その「ポカン」とした空気をよそに、友人は自分の足にタンポポを塗りだしたんだ。黄色い花を足に押し当て、すりすりと。
オレは信じていなかった。信じていなかったけど、まったく効果がない、という確証も持てなかった。
万が一・・タンポポを足に塗らなかったせいで負ける、そんなことはあってはならない。そう思った。タンポポはそこら中で黄色い花を咲かせている。
塗らない理由はないじゃないか。
オレはすぐそこにあったタンポポをちぎって、両足の太ももあたりに塗った。他の友人たちも塗った。オレはそのあと走った徒競走でグループ1位だった。しかし、それはタンポポのおかげではないと思う。
そんな訳ないじゃないか。
仮にだよ。仮にタンポポの花に足が速くなる成分が含まれていたとして、足に塗るだけでその成分が筋肉まで浸透する訳がないだろ。って、なんだよ足が速くなる成分って。
同じ理由で、オレは湿布は効かないと思っている。筋肉痛の時とかに貼る湿布ね。貼るだけで筋肉痛が治るわけねーだろ、そう思っている。
これについて異論はあるだろう。その辺に詳しい医療関係の人なんかは、バカ言ってろ、そう思うかもしれない。これだけ一般的な治療法になっているんだ。きっとオレが間違えている。
じゃあ聞くけど、痔の薬はどうなんだ。
そのテレビCMを見たとき、オレは「ウソつけや」と声に出して言ったものだ。なんでも、口から飲んだ薬の成分が、肛門周りの「痔」に直接届くというんだ。
そんな訳ないだろう。
そもそも、なんでそんな「遠く」から攻めるんだよ。患部に直接塗るとか、肛門に薬を注入するとかの方法をとるべきだろう。なんで、痔の薬を口から飲むんだよ。
幸いにして、今のところ・・だけど、オレは痔持ちではない。と思う。便秘ぎみだけど。関係ないか。もし、将来痔になったら、オレは塗り薬にしようと思う。
何の話だよ。
速く走るための方法だ。
タンポポを塗る、は違うと思う。違うに決まっているじゃないか。なんの確証もない。だけど同じように何の確証もないことを信じてやっていることがあるのではないか。「自分にとっての」確証という意味で。
例えばエナジージェル。
いや、これについては科学的に、とか、栄養学的な(よくわからないけど)何かによって確証はあるんだろう。糖分とか、なんかその辺の運動に必要なエネルギー補給として優れた食品だという確証は。
だけど、誰にでもどんな時にでもその効果は発揮されるものだろうか。
マラソンでいえば、レース本番まできっちり走り込んでトレーニングしたランナーが計画的に服用したとき・・その効果を発揮するものなんじゃないか。
まったくトレーニングを積んでいないランナーが、レース中にペロっとエナジージェルを舐めたところで何の効果もないはずだ。足にタンポポを塗る、と何が違うっていうんだ。タイムを出す、という意味でね。空腹に対しては多少効果はあるだろうけど(笑)
あと、なんかあるじゃない、磁力がどーのこーののネックレスみたいなやつとか。貼るだけで何かがどうかなるシールみたいなやつとか。あれってホントに効果あるの?
いや、バカにしてるとかじゃないよ。ホントに疑問に思ってるんだ。プラシーボとかじゃなくて、ホントになんらかの肉体的だったり運動能力が向上するような効果があるのかい?あのシールを貼るだけで。
いや、別にプラシーボでも効果があればそれでいいのか。
前に読んだ「限界は何が決めるのか」って本にも書いてあったもんな。科学的実験の結果として。
何の効果もないジェルをエナジージェルだといって服用させたら、パフォーマンスが向上したランナーもいたって。
だったら・・もしかしてだけど・・タンポポも効果あったのか?(笑)
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コメント
コメント一覧 (4)
言ってみればそういうことですよね。そんな訳ないだろ、と。
って、ハゲてねーわ!(笑)
あーありますよね、やけどするやつ。都市伝説的に。
でも、プラシーボっていうか、思い込みでそうなるってありますよね。
どうせなら上手く利用したいものです。
いや、そんなことより、まずは走り込めって話です(笑)