オレはオンラインマラソン大会について、あることを危惧している。
今、もしかしたら日本各地で、こんな事態が発生しているんじゃないだろうか、と。

たとえばそれは、3月のある日曜の昼下がりだ。最近、太陽に力を感じるようになってきた。北海道にもやっと春が訪れるか、なんて思いながらオレはコンビニへ向かって歩いている。
すると偶然、向こうからラン仲間が走って来た。

ジョグにしては、その走りは真剣だ。そのスピード、そして頭が上下にブレていないフォームでそれがわかる。ラン仲間もオレに気付いたようだが、スピードを緩めようとしない。
「そんなに急いでどしたの!」オレは声をかける。それでもラン仲間はスピードを緩めない。そして、すれ違いざまにこう叫ぶんだ。

「鳥取マラソン中!」

なるほど、オレだってランナーの端くれ。それの意味するところはすぐにわかる。
オンラインマラソンだ。
2020年以降、新型コロナウィルス感染の影響で、従来のマラソン大会の開催は難しい状況が続く。そこで新たなマラソンイベントとして注目されているのが、オンラインマラソン大会だ。

スマホのアプリなんかで、走った距離や時間をオンラインで集計して順位を決めたりするものだ。走る場所も時間も自由なところが、感染対策にもってこいだ。その距離を数回に分けて走ってもいい大会だってある。
完走証や参加賞、メダルをもらえる大会も多い。そういうのはもちろん大会エントリー料金はかかるけどね。
もともとあった大会の名を冠したオンラインマラソンも珍しくない。たとえば鳥取マラソンもそうだ。

どうせ走るなら・・自分がかつて走ったことのある大会のオンラインマラソンを走る!なんてランナーも多いと聞く。
その大会がなくなってほしくない、っていう応援の意味もあると思う。

だから別に北海道で鳥取マラソンを走ったっていいんだ。とてもいいことだと思う。
抽選でその土地の豪華賞品が当たるという。そうなれば、その土地に想いを馳せることもできるよね。その商品の発送なんかで、従来のマラソン大会より、もしかしたら手間暇がかかっているのかもしれない。

ありがたいことだよね。

だけど、こういう場合はどうだろう。

北海道のいなか町に住むランナーの話だ。
そうだな、名前は走太(ソウタ)としておこうか。
北海道の大地を走り回って、元気に育って欲しい。そんな願いで両親が名付けてくれた名前だ。

その願いの通り、ソウタはいつも元気いっぱいに走っていた。小学生の時は、運動会の徒競走で負けたことがなかった。
小さな町だ。そのことは町のみんなが知っていた。「ソウちゃん、今日も1位かい!」なんて声をかけてもらっていたほどだ。

その後も走太は陸上競技を続けた。東京の大学で駅伝を走っていると風のうわさで聞いていたが、思うような結果は出せなかったようだ。なにか大きなケガをした、というようなうわさもあった。

いつの日か走太は地元に帰ってきて就職していた。「ソウちゃん、東京でウマくいかなくて帰ってきたんだって」心無いうわさも流れた。
しかし、走太はくじけなかった。また走り出したんだ。そんな姿をみて町のみんなは喜んだ。そうか、走太が元気に走ってるのか、って。

とある週末の夕方。3月だというのに外はあいにくの雪だ。北海道で3月に雪が降るのは珍しいことではない。とはいえ強く降っている。風も強い。吹雪だ。

町にひとつだけある商店を営むハナエおばあちゃんは、今日は早めに店を閉めようと思った。こんな吹雪の中、もう客は来ないだろう。

シャッターを閉めるために外に出ると・・吹雪の中、こちらに向かってくる人影がある。走太だ。ハナエおばあちゃんは、小さい頃から走太をよく知っている。小学校で一番足の速かった走太だ。東京でいろいろあったことは、うわさに聞いていた。でも、最近元気になったって・・

そんな走太が雪の中走ってくる。ハァハァ白い息を吐きながら。
店の前を通り過ぎる時、ハナエおばあちゃんは声をかけてみた。「ソウちゃん、こんな雪の中どうしたの!」走太は大きな声で答える。

「今、鳥取マラソンを走ってる!」

走太はついにおかしくなってしまったのだろうか・・ハナエおばあちゃんの頬を涙が濡らした・・

なんて悲劇が起きていないか、オレは危惧しているんだ。もちろんこれは作り話だ。とんだ三文小説だ(笑)
でも、マラソンのことを知らない人にとって、北海道で鳥取マラソンを走る、なんていうオンラインマラソンは、その意味がピンとこないかもしれない。

でも、オレは言いたい。「鳥取マラソン」でまだよかったと。これが「ホノルルマラソン」じゃなくてよかったと。去年、ホノルルマラソンもオンラインマラソン参加者募集してたからね。「ホノルルマラソン・バーチャル・ビーチフェス」とかいう名で。

「ホノルル」といえば常夏だ。詳しいことはわからないけど。

吹雪の中「俺は今、ホノルルを走っている!」なんて叫んだら、常軌を逸していると思われてもしょうがないだろう。
ハナエおばあちゃんはオンラインマラソンのことを知らないんだ。

いや、作り話だけど。

そんなオレは、オンラインマラソン参加は、過去に1回だけです。
札幌のFMラジオ局主催の(たしか)期間内に「走った総距離」で勝負するやつ。なんか温泉入浴券なんか当たっちゃってさ!
オンラインさいこー!とか思ったよね(笑)



2021年3月現在、少しずつ従来の、だからリアルなマラソン大会も復活してきているように思う。少しずつね。だけど、それはそれで、オンラインマラソン大会も新しい楽しみ方として残っていってもいいかもね。
って勝手なこと言っても、もしかしてそんな簡単に開催できねーんだよバカやろう、って話だったらゴメンなさい。

ちなみにオレは鳥取マラソンを走ったことはない。






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コメント

 コメント一覧 (6)

    • 1. 匿名
    • 2021年03月10日 22:36
    • 1 おもんな。
    • 2. 尼崎
    • 2021年03月10日 22:37
    • 1 ???
    • 3. pen
    • 2021年03月11日 09:21
    • ハナエおばあちゃん?ええ、知ってますよ!元気かなぁ
        TATTAin洞爺湖マラソンがんばります(私は5月21日)
    • 4. ごきげん
    • 2021年03月11日 12:30
    • 仕事中に笑ったw
    • 5. シブケン(管理人)
    • 2021年03月11日 13:07
    • penさん
      おー、inするんですね!私もpenさんより後の日でinします!
      どんな感じなんでしょうね~
      ハナエおばあちゃん知ってるわけねーだろ!(笑)
    • 6. シブケン(管理人)
    • 2021年03月11日 13:08
    • ごきげんさん
      仕事中にこんなブログを読まないでください(笑)
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