フルマラソンレースってやつは(もちろんそれ以上の距離も)、計画通りにゴールにたどり着けないことでよく知られている。
多くのランナーが苦しんでいる。少なくともSNSを見る限りではそうだ。
「思ったより速く走れた」とか「楽勝だった」なんて文言を目にすることは少ない。もちろん、オレもそうだ。そのことは、多くのランナーが認識していると思う。
フルマラソンは思い通りにいかない。
ってことを。
だけど、どうだろう。それを知るはずの多くのランナーが、マラソンレースに臨むとき「プランA」しか持ち合わせていないのではないだろうか。
「プランA」・・理想のレース展開だ。
それは人によって違うと思う。
イーブンペース、だから、スタートからゴールまで同じペースで走り切ることを、それとするランナーが多いだろうか。
前半をおさえて後半にペースを上げる、ネガティブスプリットという展開を理想とするランナーもいるだろう。オレもそれにはあこがれる。後半になってビシビシ他のランナーを追い越して行ったら気持ちいいだろうな。残念ながら、オレにその経験はない。
その逆で、前半の方が速いペースで走るポジティブスプリットだって、人によっては理想的なレース展開になるかもしれない。
その逆で、前半の方が速いペースで走るポジティブスプリットだって、人によっては理想的なレース展開になるかもしれない。
もうちょっとテキトーな感じで「元気なうちに飛ばして貯金つくって後半ねばる」なんて作戦もよく耳にする。これを「作戦」と呼べるのかは知らないが(笑)
いずれにしても、「理想としては」という話だ。プランAだ。
なぜオレたちは(おまえと一緒にするなって言わないでね)プランAしか持ち合わせていないのか。「フルマラソンは思い通りにいかない」ということを知っているというのに。
たとえば「前半はキロ5分で行く」という計画だったとする。レース当日、そのペースで走れる保証がどこにあるっていうんだ。
もしかしたら、すごく疲れているかもしれない。気温が低くて体が思うように動かないかもしれない。逆に緊張からか、体がフワっフワして、どう抑えても速いペースで走ってしまうこともあるだろう(よくあります)
もしかしたら、すごく疲れているかもしれない。気温が低くて体が思うように動かないかもしれない。逆に緊張からか、体がフワっフワして、どう抑えても速いペースで走ってしまうこともあるだろう(よくあります)
そうなったらなったでしょうがない。そういうときのために「プランB」を用意しておかなければならない。
後半、脚が動かなくなったら「フォームをこう変える」みたいな「プランB」を用意したい。そのためには、普段の走り込みの時に、その練習が必要になるだろう。「今日は疲れているから走るのやめよ」ってのも一つの選択だが、「今日は疲れているからプランBのフォームを試してみるか」ってのがあってもいいかもしれない。
そんなことを思ったのは、ウルトラマラソンの世界的チャンピオン石川佳彦のこんなツイートを見たからだ。
教科書通りの格好良い走りで走り続けるのが理想だけど人間そうはうまくいかない。背中もお尻も段々使えなくなった時の走りプランB、プランCを大切にしている。昨日はトータル130km走る中でそのプランB、プランCを磨くトレーニング。ただ終盤にふとプランAに戻せる瞬間もあるから奥が深い世界だと思う。 pic.twitter.com/9GfI2Okms3
— 石川佳彦 (@ishikawa_11111) April 10, 2021
教科書通りの格好良い走りで走り続けるのが理想だけど人間そうはうまくいかない。背中もお尻も段々使えなくなった時の走りプランB、プランCを大切にしている。昨日はトータル130km走る中でそのプランB、プランCを磨くトレーニング。ただ終盤にふとプランAに戻せる瞬間もあるから奥が深い世界だと思う。
石川佳彦選手の戦績を見てほしい。
24時間走【279.427km】※世界歴代4位🇺🇸2019 Badwater135(217km) 優勝🇬🇷2018 Spartathlon(246km) 優勝🇬🇧2017 IAU24時間走世界選手権 優勝
どうだけ強いんだ(笑)
そんな世界的チャンピオンがプランB、プランCを考えて日々走り込んでいるんだ。
なんでオレごときのランナーがプランAでいけると思うのか。いや、そう簡単に行くとは思ってないよ。思ってないけど、プランB、プランCまで頭まわらないよね。
もちろん、ウルトラマラソンとフルマラソンは別物かもしれない。ウルトラの方が多くの「想定外」な事が起こるのだろう。
オレも過去に2回だけサロマ湖100kmウルトラマラソンを走ったけど、その体の変化は大きかった。途中で痛くなった脚が走っているうちに復活したり。短い時間で回復したわけじゃないだろうけど、とにかく痛みは消えて走れるようになったよね。そのことは耳にしていたんだ。ウルトラは一度ダメになっても、また復活するときがくるって。だから走り(歩き)続けた。いつものように物が食べられなくなったりもした。そうかと思えば腹が減ったり。
日ごろから、いくつかのプランを用意しておけば、その対応の幅は広がっていく。
別に用意するのは「小さなプラン」でいいと思うんだ。
向かい風が強くなったら、帽子を180度回転させてツバの向きを変えるプランBとか。小さすぎるか(笑)
腕の振りが疲れてきたら、肘を90度に曲げるプランCでもいい。角度のプランはもういいよ。
やっぱりオレはフォームだな。フォームのプランをいくつか持っておきたい。
考えてみたら、最初から最後まで同じ理想のフォームで走るのって難しいよね。脚が動かなくなってきたら、こう、とか。ツリそうになってきたら、こう、とか。練習の時に試しておいて損はないよね。もしかしたら、精神的にも楽になるかも。
レース後半、「もうダメだ~」と思うより、「よし、プランBに変更だ」とか思ったら、希望が持てそうだし(笑)
そういえばオレ、この前のロング走で「あまり食べないで走る」ってのを試してみたんだよね。
思ったより、なんともなくて。オレ、レース中に何にも食べられなくなること多いからさ。ジェルさえも受け付けなくなること多くて。そうなると、「やべぇ、エネルギー補給できねー、やべぇ」とかなっちゃって。
でも、そんな時も「よし、食べられないからプランCでいく」とか思えたら気楽かも。気楽になったからって、その後、いい走りができるかどうかは、また別の話だけど。
あくまでも、自己ベストを目指すレースの話ね。このご時世、開催されるマラソン大会は少ない。その少ないチャンスをモノにするために、さ。
そんなの知らねーよ。出たとこ勝負だよ。ダメになったら収容バスに乗ってビールだよ。なんてレースがあってもいいと思うよ。
それ、プランBね。BeerのB。うるさいわ。
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コメント
コメント一覧 (8)
サブ3.5狙っている今では、
最初の10キロを4:50で走って
A
10~30km、キロ4:50
30~35km、5:10
35~、5:30
B
10~30km、5:00
30~35km、5:20
35~、5:50
C
10~30km、5:10
30~35km、5:30
35~、6:00
みたいな感じです!
そして、最終的なタイムはともかくプラン通りに行ったことはありません(笑)長文失礼しました!
私は本番レースで、ベストよりベターを目指して走ってます。時々ご褒美のようにベストが出ることもあります。
あら、ちゃんとやってるのね。
オレはいつもプランAのみで、ほとんどの場合、最初の1キロ目から崩れるよね。
そりゃあ、目標達成できないわ(笑)
それ、いいですね!ベストよりベター。
ベスト目指すと、なんか気負って緊張して最初から疲れてダメになるっていう(笑)
ベター目指して、調子よかったらイク!って方が、いい結果につながりそう。
いいこと聞いた!
どうもです!
プランを立てない!強いですね~
私はビビリなので、キロ何分で、あそこで給水で、何キロ地点でジェル摂って・・ってプランAだけはしっかり立てます。もちろんプラン通りにいったことはありません(笑)
なかなか、頭の切り替えは難しい。
だから、プランAしかないのかと。
目的が他にあるならB、Cプランがあっても良いかと!
確かに。自己ベスト以外の目的持ったことないもんな。
だから撃沈して終わりなのか・・次のレースにつなげるための何かはできますもんね。
それが何かは考えておきます(笑)