フルマラソンにおいては「まぐれでホームランを打つ」みたいなことは起きない、と言われている。
4時間を切るのがやっとだったサブ4ランナーが、いくつかのラッキーが重なって「まぐれで3時間を切る」なんてことは起きない、ということだ。
ちなみにオレは、まぐれでホームランを打ったことがある。柵越えのホームランだ。高校3年生のときだ。野球部だったんだよ、オレ。
練習試合でね。打った瞬間、不思議とまったく手ごたえがなかったんだ。スカンって感じで。ボールをバットの真芯でとらえる、ってのはこういうことだったのか、って後から思ったよね。
まぁ、いいアタリではあったんだけど、高く上がった打球で。深い外野フライ程度かな、って。なのに、あれ?あれ?って感じでセンターとライトの外野手がバックしていく。
上空の風がものすごく強かったみたい。
ボールはフェンスを越えたんだ。練習試合だから球場じゃなくて、学校のグラウンドを囲うフェンスだけどね。それでも「柵越え」ホームランには違いない。
オレには全然まったくホームランバッターの風格はないし、もちろんチームメイトもそれは知っている。だから、ボールが「柵越え」したとき、敵も味方も、そしてオレ自身も(笑)グラウンド全体がポカンとした雰囲気に包まれたんだ。何が起こったんだ?的な。
どう考えても、まぐれのホームランだ。
忘れられないのは、次の打席の時、外野がすんごく深いところに(後ろの方に)守備位置を変えていたことだ。
いやいやいやいや、そう思ったよね。バッターオレだよ、オレ?って。案の定、カスった感じのサードゴロかなんかに終わったよね。恥ずかしいわ!
フルマラソンでそれは起きない。
それって何?
オレの柵越えホームラン級の「まぐれ」だ。だから4時間が3時間になるみたいな。
オレの柵越えホームラン級の「まぐれ」だ。だから4時間が3時間になるみたいな。
そりゃ、まぁ、「何らかの力」が働いてフルマラソンで1時間も速くなることはないだろう。だけど30分は?10分は?最後ギリギリ目標タイムに間に合うかどうかの30秒は?そのくらいの時間が速くなることはあるのではないだろうか?
「大会マジック」だ。「何らかの力」をそう呼ぶ人がいる。
「大会マジック」・・なにが「何らかの力」になるのだろう。
エアーサロンパスの香り漂う会場の雰囲気に緊張することかもしれない。
大勢のランナーと共に走ることで、熱狂・興奮するからかもしれない。
いつも一緒に走っているラン仲間の応援かもしれない。
地元の高校の吹奏楽部が演奏する「負けないで」かもしれない。
どう考えても自分より、かなりご高齢のランナーに追い越された時の悔しさかもしれない。
確かにそれらは、普段の練習の時には働かない「力」だ。うん、「大会マジック」かもしれない。普段の練習でも、がんばりたいときにそういうことがあったらいいのにね。
あったんだ。
昨日、サブ3.5を達成するための練習、レースペースでの30km走をやったんだけど。
今月末のレース当日に、ペーサーをお願いしているランナーから「やるぞ」と号令がかかったもんで。
ペーサー頼んだだけなのに・・
ちゃんと練習やってんのか?って試されたのかもしれない。
なんて、そんなことするランナーさんではないけけど(笑)やさしく、練習にお誘いいただいたんだ。本番さながらペーサーもやってもらって。

やっぱり、ペーサーいると楽だね。自分の走りにだけ集中すればいいもんね。
ほら、よくマラソンやってない人にペーサーって必要なの?とか聞かれるじゃない。いるといないじゃ全然違うよね。だけど、マラソンやっていない人にその感覚を説明するのは難しい。ペースなんて時計見てりゃわかるだろ、って言われたらね。別にわかってもらう必要もないけど(笑)
でだ。
ペーサーをやってもらって楽だとはいっても、それは「いないより」楽だという話で。
今現在、オレにとってサブ3.5のレースペース、だからキロ5分前後で走り続けるのは簡単なことじゃない。でも、なんとか走り切ることができたんだ。
マジックだ。
昨日走ったコースがラッキーだった。
陸上競技場隣のサブグラウンドの周りの「お散歩・ジョギング」コースみたいなところをグルグル走ったんだけど。
陸上競技場で高校生の大会やってたんだよ。聞くところによると記録会って言うのかい?そういう大会。で、サブグラウンドでは、多くの高校生アスリートたちがアップしているわけ。
今日の30km走は陸上競技場横のサブグラウンドの、その周りをグルグル走ったんだけど。グラウンドでは全身バネの様な若者たちが大会のアップをしていて。それ見てるだけで、こっちもヤル気出たわ!
— シブケン (@shibu_ken) May 8, 2021
助かった(笑) pic.twitter.com/tNqMLX55ys
オレが走っていたジョギングコースを走っていたりもしていて。
その高校生アスリートたちがもう、全身バネなんだ。元気ハツラツなんだ。軽々とものすごいスピードで運動しているんだ。かっこいいんだ。
それを見たらさ、こっちもヤル気が出るんだ。負けてらんねーって。絶対負けてるけど。
オジサンの無様なところは見せられねーって。誰も見てないけど。
マジックだ。
完全にマジックだった。
1人でいつもの河川敷を走ろうもんなら、30kmレースペース走はクリアできなかったと思う。ペーサーとして一緒に走ってくれるラン仲間がいて、それ以外にも何人か一緒にグルグル走っているラン仲間がいて、そして周りには元気ハツラツな若者が縦横無尽に動き回っている。

後ろに「元気ハツラツ」が迫る!軽々と風のように追い越していったよね。
そんな環境がオレを「走らせて」くれたに違いない。なんとか30kmレースペース走をクリアすることができたよ。マジックだ。
あの日の柵越えホームランのように。
うるせーバカ。
さてと、ここからだね。「なんとか」クリアしただけだからね。「30kmで終わる」という気持ちがあったからがんばれただけ、ともいえる。あと12kmあってもそのまま走れたか?と聞かれれば、残念ながらNOだ。
まだ「キロ5分」というペースが「楽勝」に感じられていない。「なんとかできるけどね」といったところだ。それじゃダメだろうな。
当日「大会マジック」がなくとも、目標を達成できるようにもう少しがんばるわ!
ちなみに、オレは過去に「大会マジック」なるものを感じたことがないような・・
どちらかと言えば、大会の雰囲気に飲み込まれて、いつもの力すら出せないタイプなので(笑)
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