
出てこないんだ。
待てども待てども出てこないんだ。
久保田利伸の開演時間になり、外国人コーラス部隊3人を従えたバックバンドが出てきて、グルービーな演奏を始める。
ベースは6弦ベースだろうか。ベーシストが小柄なせいもあるが、ベースギターがやけにデカくみえる。ポジションチェンジの腕の動きが幾分大げさだ。しかし、それが尚一層、その演奏をグルービーに見せる。夜空につんざくスネアの音がグルーブを加速させる。
それに負けじと絡んでくるコーラス部隊の歌声は、ホーンセクションのようだ。高音でハーモニーがすばらしい。そして、それらはゴージャスな夜を約束してくれる。
「まだか!久保田利伸はまだか!」
嫌が応にも、オレたち観衆は久保田利伸を求めてしまう(笑)
出てこない。なっかなか出てこない。焦らす焦らす。
「久保田利伸はまだか!」
「♪オオウオー」
声が先に聴こえただろうか。ステージ上にはまだいない。
どこだ?久保田利伸はどこだ?ステージとステージ横の大型スクリーンを交互にチェックして久保田利伸の姿を探す。
どこだ?久保田利伸はどこだ?
きたー!!!
軽快なステップで踊りながら久保田利伸がやってきた。北の大地に久保田利伸がやってきた。
グルービーな演奏に久保田利伸がボーカルを乗せていく。
曲ではないアドリブ的な何かだ。たぶん。その辺、オレはよく知らない(笑)
ゴージャスな夜のイントロ部分とでも言えばいいだろうか。
「ここがライジングサンですか」
「いろんなミュージシャンがライジングサンのステージは気持ちいいって言うの聞いていました。」
オレたち、ライジングサンっ子の気持ちをクスぐるクスぐる(笑)サービストーク連発だ。
とにかく余裕だ。
久保田利伸、余裕のステージだ。余裕しかない。ふざけてる、と言っていいほどに余裕だ。
そして、ゆっくりと歌いだす。
♪まわれまーわれめりごーらんっ
もう決まった。その瞬間、久保田利伸の勝ちは決まった。オレたち観衆の心を鷲掴みだ。
Missingも歌ったし、松山千春の「大空と大地の中で」もカバーした。
とにかく、サービス精神旺盛だ。
オレたちエゾっ子をライジングサンっ子を楽しませるために、いろいろ用意してくれたことがビシビシ伝わる。
「上を向いて歩こう」を英語バージョン(Sukiyaki)で歌ったのも、かっこよかったな。コーラス部隊の一人とボーカルバトル的に歌って、その歌のウマさを見せつけてくる。
歌のウマさはもちろん、芸能人的オーラがありながら、サービス精神旺盛で低姿勢。多めのMCで会場を盛り上げる。これが聴きたいんだろ?っていう選曲。もう、うなるしかない。
久保田利伸を、ライジングサンロックフェスティバル2017のベストアクトに挙げる人は多いのではないか。
しかし、あの目立つ金のネックレス。
あれが嫌味なく見える日本人を、オレは初めて見たような気がする(笑)
Follow @shibu_ken
スポンサーリンク
コメント