噂は耳にしていた。どちらかと言えば「嫌な」噂だ。

曰く「バカみたいに階段を登らなきゃならないんだ」

階段を登って行く場所、と聞いて何を思い浮かべるだろう。しかも「バカみたいに」だ。街を一望できる展望台だろうか。バンジージャンプ的なアクティビティーだろうか。違う。

キャンプ場だ。

それは北海道は札幌にあるキャンプ場だ。その名も「GeimoriStudio&Cloud Lodge Starlight Camp place」だ。なげーよ、そう思ったかもしれない。なんらかの略称で呼ばれているとは思うんだけど、オレはそれを知らない。
たぶん「芸森スタジオのやつ」とか「クラウドロッジのやつ」とか呼ばれていると思うが・・どうなんだろ。

「GeimoriStudio&Cloud Lodge」という音楽スタジオを併設する宿泊施設があって。
その施設の裏側の森を開墾したキャンプ場だ。2021年10月にオープンしたばかりのキャンプ場だ。

山間にあるキャンプ場は珍しくない。むしろ、その方が多いかもしれない。そうなれば、キャンプ場内でトイレに行くために階段を登る、なんていうシチュエーションはよくある。
しかしここは、「キャンプ場自体」にたどり着くために階段を登らなければならない。しかも「バカみたいに」。噂ではね。
車で行くことはできない。階段を登るしかない。もちろん、階段の下までは車で行けるよ。

公式のYouTubeでその階段を見ることができる。
こんな感じだ。
クラウドロッジ外階段
公式YouTubeより

まぁ、確かになかなかの階段っぽい。でも、「バカ」ってほどでもないんじゃないか。
と思うのは、しかし早計だ。

キャンプは荷物が多い。

もちろん、ザック一つで事足りるソロキャンパーもいるだろう。ただ、インスタでの「映え」がキャンプの楽しみ方の一つである昨今、大荷物になるキャンパーも少なくないはずだ。

ちなみにオレは荷物の少ないキャンプにあこがれている。
あこがれてはいるものの、できれば映えたいと思ってついつい荷物が多くなってしまうことを繰り返している。結果、映えるわけでもなく、荷物がグチャグチャなダサいキャンプになってしまっている(笑)

どうやったらインスタの中にいるようなオシャレキャンパーになれるのか、本当にわからない。
がんばってはいるんだ。でもダサい。装備が古いのかな。安物も多いしな。
まぁ、その話はいい。

荷物が多いキャンパーに、この階段は確かに堪えるかもしれない。
オレが耳にした「バカみたいに階段を登らなきゃならないんだ」を口にしていたキャンパーも、そうとは知らずに薪を大量に持っていってしまい、この階段を8往復したと言っていた。それはもう、キャンパーではなく木こりだ。
それでも、バカみたいに階段を登ったとしても、このキャンプ場に行きたい理由がある。

1日1グループ限定利用のキャンプ場なんだ。

そう聞いたら、なんか「素敵なニオイ」しかしないだろ!行くしかない。
ちなみに、ここを利用するためには会員になる必要がある。年会員で通常お1人様3万円だ。ペア割引なんかもある。詳しくは公式サイトを見てほしい。

ただ、会員になる前に一回だけトライアル価格として1人3千円で利用できる。今回はそのプランで利用してみた。

サイコーの一言に尽きる。

こんな素敵な場所をオレたちで独占していいのか、と、申し訳なく思ったほどだ。
意外だったのは例の「バカみたいに登る階段」を登らなかったことだ。室内の階段を登ったんだ。
クラウドロッジ内階段
雪が積もっていて、外の階段を使えなかったからだ。
まぁ、行って行けないことはなかったけど、荷物持って滑り落ちたりしたら危険だもんね。

「GeimoriStudio&Cloud Lodge」は山の斜面に沿って、というか斜面を利用して建っている。1階の玄関を入って、階段を登って4階まで行って屋上的なところに出ると、そこがキャンプ場だ。

そう!4階の高さなんだ。

外にある階段だって、もちろんその高さを登るわけで。
その階段を8往復もすれば「バカみたいに階段を登る」って言いたくなるのもわかる(笑)

だけど、それをもってしても、ここを利用する価値は十分にある。なんせ1グループ限定だ。

他に誰もいないので、こんなことをするのも勝手だ。通路みたいに明かりを灯したのは自作だ。
クラウドロッジ-1
クラウドロッジ-2
誰もいないので、辺りはシーンとしている。
キャンプブームの今、キャンプ場でまったく音のしない夜の空間を体験するのは難しい。ここにはそれがある。

いや、どこかの山の中に入っていけばそれは可能かもしれないけど、いろいろ怖いでしょ。野生動物とか
ここは宿泊施設の屋上的な空間なので(位置的に。人工的というわけではない。)、その怖さはない。
クラウドロッジ-4

あと、雪中キャンプをしてみたいけど、トイレとかが不安だ、って女性には特におすすめしたい。ユニットバスを利用できる。台所も使える。なんならWi-Fiも飛んでる。
クアウドロッジ-3
Cloud Lodgeの宿泊施設の一部を開放してくれているんだ。もし、外が吹雪になっても、一時的に避難できるから、初めての雪中キャンプでも安心だ。

オレは雪中キャンプにはだいぶ慣れてきたんだけど、それでも「寒くなったら建物内に避難できる」しかも「風呂に入れる」という強力な「保険」があるだけで、どんなに過酷でもがんばれるな、と思ったものだ。

っていっても、この日の天気はサイコーで過酷のかの字もなかったよ。それほど寒くもなく(っていっても寒いよ)風もなく。晴れていればものすごい星空が見れるよ、ってスタッフさんが教えてくれたんだけど、残念ながらそれは見れなかった。

1日1グループ限定利用のキャンプ場なんて、なかなかないはずだ。ソロキャンプの実況配信なんかにもいいんじゃないだろうか。その辺には詳しくはないけど(笑)

札幌近郊に住む人だったら、近いしサイコーじゃないかな。スタッフさんも親切で。

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