この冬オレはある競技において負け知らずだ。その競技の名は「道譲り選手権」だ。
雪上ランニングをする上で大切なことが2つある。
「いかに滑らないか」と「道譲り選手権」だ。
1つ目の「いかに滑らないか」の大切さは誰もが気付くところだ。
雪道は滑る。だから走りづらい。当たり前のことだ。その対策をしなければ、快適な雪上ランニングはできない。いやいや、どうやっても快適にはならないだろ、多少「マシ」にはなるけど。って話がなくもない。
基本、雪道はランニングに適してないからね。銭湯がフラッシュモブに適していないように。大勢の素っ裸が同時に踊り出したら大変だ。
それでも雪国ランナーは雪道を走るしかないんだ。しか、ってこともないけど。
まず手っ取り早い対策としては、それ専用のシューズを履くことだ。
ここ最近は雪上ラニング人口が増えてきているのか、各メーカー・ブランドから「雪上ランニング用」のシューズが各種発売されているので容易に入手できると思う。防水のトレランシューズも代用にはなるよね。オレなんかはそれだ。
もちろん、まったく滑らないというわけじゃないけどね。路面状況にもよるし。
それでも、防寒防水対策としてはバッチリだ。それも雪上ラニングをする上で「滑らない」と同じくらい重要だったりする。
そこまではいらないんだよな、って人はシューズより安価な脱着式のスパイクを買うのも手かもしれない。
でもなぁ、夏用の(雪国ランナーは普通のシューズを「夏用」と呼びます)シューズにスパイク付けても足が冷たくなって、なかなか辛いと思う・・経験上。
そして滑らない対策として、一番のオススメはランニングフォームの改善だ。
フォアフット着地、だ。フォアフット着地で走るようになってから、雪上ランニングがだいぶ楽になった。
マジで滑らないから。っていっても滑るよ、やっぱり。どっちなんだよ。繰り返すけど、もちろん路面状況にもよるし。自分なりに考えたフォアフット着地が滑らない理由はこの記事で。「ふ~ん、そういうもんかね」くらいで読んでほしい。
この「いかに滑らないか」に関しては、やっていくうちに身についてくると思うんだ。コツをつかむというか。
それよりも重要なのが2つ目だ。「道譲り選手権」ついて説明したい。
オレが雪上ランニングをするときにいつも開催されている競技だ。開催されてるっていうか、オレが一人で勝手にやってる競技だ。雪上ランニングをする上で、オレにとって最も重要なことの一つがその競技に勝つことだ。
「道譲り選手権」
雪道は狭い。


大雪が降った後なんかは、除雪が追いつかず、人が歩いて踏み均した幅の道しかないことが多い。要するに「一人分の幅」の道だ。向かいから誰かが来てもすれ違う幅がない。どちらかが、深い雪に足を突っ込んで道を譲らなければならない。先に道を譲った方の勝ちだ。
これが「道譲り選手権」だ。
誰もが深い雪に足を突っ込んで、靴やズボンや靴下が濡れることを嫌がる。
でも、どちらかが道を譲らなければならないんだ。両方がちょっとずつずれて、すれ違うパターンもある。だけど、そんなことして片足だけ濡れるなら、思いっきり譲った方が気持ちいいじゃない。
その選手権で、オレはこの冬無敗だ。
今年2022年の北海道の冬は雪が多くて大変だ。オレが住む札幌も。「外走るってレベルじゃねーぞ」って日が続いた。
だから「道譲り選手権」は、かなりの頻度で開催されている。そんな中、オレは無敗だ。
狭い雪道で向かいからランナーがやってきたら、かなり早い段階でオレは深い雪に足を踏み入れて道を譲る。有無を言わせない早業だ。
もちろんランナーじゃない人だって「道譲り選手権」の参加者だ。歩いてくる人に対しては、あまり早い段階で(まだ距離がある段階で)道を譲ることはスマートな勝ち方じゃない。
歩を急がせてしまう場合があるからだ。高齢の方だったりしたら申し訳ない。
急がせないために適した距離まで詰める。そしてサッと譲る。グズグズしてると先に譲られて敗北となる。その駆け引きが勝負の分かれ目だ。それが「道譲り選手権」だ。
先に譲ったからといって、そこで勝ちが決まるわけではないことに注意したい。
そのすぐ後で、相手もすかさず道を譲ってくる場合だ。強者はさらに追い打ちをかけてくる。
両腕を振って「どうぞどうぞ」とやってくる。これに乗っかったら敗北だ。先日もやられた。そこから逆転するにはこれしかない。
さらに大きなアクションで両手を振って「どうぞどうぞ」返しだ。
なんとか先に行かせることができた。オレの勝利だ。あぶなかった。
何をやってるんだ、オレは。
残念ながら「道譲り選手権」をやっている人は、あまり多くはいないようだ。いや、たぶんオレだけだ(笑)
それどころか「ぜってー道は譲らねー」オーラを発する人は少なくない。悲しい現実だ。
うれしい現実もある。「どうぞどうぞ」攻撃をしてくる人は、もれなく素敵な笑顔の人だということだ。そういう人とすれ違っただけで、優しい気持ちになれる。オレもそんな「どうぞどうぞ」攻撃ができる選手になりたい。
選手ってなんだよ。
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コメント
コメント一覧 (6)
「どうぞどうぞ」に負けて譲ってもらうこともたまにありますけどもw
それで、譲っても無反応の人が意外と多いのはちょっと悲しいですけども・・・。軽い会釈をする労力も惜しいのか、こっちが勝手に深い雪の中にずれて休んでるだけだろって思っていらっしゃるのか・・・。 いつか道譲り勝負したいですね、シブケンさんと!(いや高齢だし普通に譲ってもらおうっと)
無反応の人は多いですよね。
まぁ、この雪だし寒いし、自分が歩くことに一生懸命なんでしょうね。
だからこそ、笑顔で道を譲ってくれる人が輝いて見えます(笑)
早く春こねーかな~
でも、譲ってもらった後の会釈は必ずしてます🤣
たまに敗北して道譲っても、無愛想にすれ違うヤツらには舌打ちしてたり?🤣
そっち側がいたか!
じゃあ、私とすれ違う時はwin-winですね(笑)
私も、面白い大会を1つ知っています。
それは、毎週末藻岩山で開催中の「こんにちは」選手権です。藻岩山といえば札幌市民憩いの山です。週末となれば大勢の市民が登山を楽しんでいます。登山マナーの1つに他の登山者とすれ違った時に「こんにちは」と挨拶るのが一般的です。しかし、藻岩山くらい大勢の市民が登山していると1日で何百回と挨拶しなくてはいけません。
私はこれを「こんにちは地獄」と呼んでいます。
はいはい、私も何年か前に藻岩山登ったときに、その洗礼を受けました(笑)
それ以来、行ってません。それが原因ってわけでもないんですが・・
あれ、どうしたもんなんでしょうね~