空を飛んでいると思ったら、海に潜っていた。
そんなことを言っても誰も信じてくれないと思う。小梅太夫のネタくらいに、あり得ない話だからだ。だったら、これはどうだ。
ある人を「おもてなし」しようと思ったら、「地獄」を見せてしまった。
こんな話、あっていいはずがない。だけど、あったんだ。
先日、横浜から北海道は苫小牧にある人がやってきて、結果として、オレはその人に地獄を見せてしまったんだ(笑)
いや、笑いごとじゃない。もし、あなたがランナーだったら、いつ加害者になってもおかしくない、そんな出来事だ。このような悲劇が二度と起きないように、注意喚起の意味でその顛末をここに記しておきたいと思う。
知らない街を走るのは難しい、そんな話だ。
オレが大好きスイス生まれのスポーツブランドOn。
その日本法人オン・ジャパンより、コピーライターの瑞穂さんが北海道にやってきたんだ。今回が初めましてだ。
とにかく「北海道を走る」ということで、縁あって一日二日ご一緒させていただいた次第だ。
問題は、ベースとする土地が「苫小牧市」だったということだ。オレは苫小牧に詳しくない。それが悲劇の始まりだ。言い訳になるが、オレみたいに北海道に住む人、いわゆる道民のことをちょっと説明したい。
同じ北海道であっても、自分の住む地域外のことはよく知らない。
そんな道民は多いはずだ。なぜなら、北海道はデッカイどう、だからだ。それぞれの街が離れすぎている。その中でもオレは「特に知らない」方の人間だ。車で遠くまでドライブ、なんて趣味は持っていないし、根っからの方向音痴だ。積極的に北海道内の街に旅することはしない。だから、ほとんど詳しくない。
とはいえ。
オレが住む札幌と苫小牧の距離は60kmほどだ。そう遠くはない。過去にロング走をしたとき、何度か通過したことはある。「走ったことのある街」ではあるんだ。
だから、なんとかなるだろ。そう思ってしまった。
その思いが、悲劇を加速させた。グーグルマップを見て、なんとなくのコース設定しかしていなかったんだ。
事前にDMなどでやりとりして、オレの奥さんを加えて3人で一緒に20km程度走ろう、ってことになっていた。そうなっていたが、瑞穂さんはランニングを始めてまだそれほど時は経っておらず、だから「長くても20kmくらい」かな、ってニュアンスだったと思う。旅の途中で疲れてもいるだろうし。しかしオレは「20km前後」だな、そう思ってしまった。
「長くても20kmくらい」と「20km前後」の「後」は似て非なるものだ。
とにかく、ハードスケジュールを課してしまったことを反省している。
まずその日の朝、北海道の玄関口、新千歳空港で出迎えて、そのまま車で苫小牧へ1時間ほどのドライブ。駐車場に車を停めて、「すぐさま」ラン開始。
今思えば、そんなハードスケジュールがあってたまるか。飛行機を降りた瞬間に走り出したようなものだ。ちょっとは休憩したらどうなんだ。しかし、オレにそこまでの気遣いをする余裕はなかった。
苫小牧の街をよく知らないからだ。走るコースのことばかりが心配だった。
コースは、苫小牧市内から野鳥の楽園ともいわれるウトナイ湖までの往復とした。片道10km程度、だ。この「10km程度」がクセモノ、だ。正確には11kmくらいあったと思う。だから往復22kmだ。「20km前後」の「後」だ。
「長くても20kmくらい」と思っているところに、プラス2kmはデカい。
さらにコースがほぼほぼ「直線」だったんだ。果てしなく続く直線コース。体力よりも精神が先に蝕まれていく(笑)
いや、笑いごとじゃない。レース前の追い込みじゃないんだ。北海道の景色を楽しむためのグループランなんだ。
苦しんでどうする。
結局、瑞穂さんは20kmを越えたあたりで脚に痛みが出て、その後、歩きを交えて22kmでゴールする。
さっき飛行機で北海道に着いたばかりの人を、しかも今日初めましての人を、脚に痛みが出るまで追い込んでどうする。
何をやっているんだ、オレは。
しかし、これは地獄の始まりにすぎない。
なんとかゴールした後は、待ってました!北海道の海の幸を存分に味わってもらおうと有名な食堂へ案内する。
マルトマ食堂だ。
→マルトマ食堂公式サイト(外部サイト)
北海道苫小牧市と言えば「ホッキ貝」だ。そして、全国的にも有名な苫小牧グルメの一つが「マルトマ食堂のホッキカレー」だ。全国放送のテレビなどでも取り上げられることは多いので、その名を耳にしたことくらいはあるのではないだろうか。
ちなみに、オレは今までマルトマ食堂に行ったこともなければホッキカレーを食べたこともなかった。ねーのかよ!
じゃあこの機会に、と思って、いざマルトマ食堂へ!
とんでもない行列だった。
調べてみると、普段よりは「マシ」だったみたいだが、席に着くまで1時間半オーバーで並んだ。オレの人生で、食べ物屋さんに並んだ最長記録だ。今まで、1時間だって並んだことないんだから。
オレの最長記録はどうでもいい。
瑞穂さんだ。飛行機を降りるやいなや脚が痛くなるまで走らされて、挙句の果てに1時間半オーバーで立ちっぱだ。
どんな地獄だよ。
そして、そのホッキカレーがさ。すんごい量なの。男のオレでも、走ったあとにキッついわ、ってくらいの。それも地獄だったと思う。味はサイコーなんだけど。いや、走って疲れてなかったら、うれしい量かもしれないけど。
いやいや、まいったね。ってのは瑞穂さんのセリフだよね(笑)
でもね!夜の飲み会はね!とても楽しい会になった・・はず!
いいお店で料理もおいしいし話も盛り上がって、みんなでシコタマ飲んだよね。地獄を見た後の酒はサイコーだ(笑)
そのお店は、奥さん経由で地元民に教えてもらった「間違いない」お店だったからさ。やっぱ地元民に助けてもらわないとダメだね。
教訓:旅人にはやさしく
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コメント
コメント一覧 (4)
やさしさゆえの塩対応、気をつかいすぎて客人に負担をかける(結果的にw) マルトマは人気あるんですねぇ 7年くらい前に行った時も30分くらいは待った記憶があります。けど・・・1時間半て!
SNSとか見てると、1時間半でもまだラッキーだった部類っぽいですよ!
最近でも、テレビで紹介されること多いみたいですね~。
おいしかったけど、また並ぶ忍耐力はないかも(笑)
もうねぇ〜ひっさし振りに涙を流して笑いました(笑)(≧∀≦)
赤裸々な胸の内が面白くて、面白くて
溜まりませんでしたぁ〜サイコー☆★
美容院でカットしてもらってる最中
静かな雰囲気中で吹き出す笑い!
美容師さんの驚く顔!
流れる笑い涙!
おひと様の備忘録をごめんなさい。
けど、とっても良かったです↑
そして、勉強になりました↑
ありがとうございます(*´꒳`*)
美容院でカットしてもらってる最中に、そして静かな雰囲気の中で、なんでこんなブログ読んでるんですか(笑)
それにしても、うれしいコメントありがとうございます!
ところで私は「チョコモーーン」というネーミングに笑いましたけど!