タイムマシンがあったなら・・今から23年前の・・27歳だったオレに伝えたいことがある。

NUMBER GIRL(ナンバーガール)というバンドをご存知だろうか?日本のロックバンドだ。(以下ナンバガ)日本のロックやバンドに興味のない人は、知らないかもしれない。誰もが知る存在ではない。と思う。
だけど、日本のロックやバンドに興味がある人ならば、知らない者はいないだろう。そんな存在だ。ってオレは思っているけど、もしかしたら若い人はあまり知らないかもしれない。最近のバンドではないから。

オレは過去にかなりハマっいた時期がある。もちろん今でも大好きなバンドの一つに変わりはない。ナンバガのライブを初めて見たのは、忘れもしない、1999年8月のことだ。
それは、記念すべき第1回目のRISING SUN ROCK FESTIVALのステージだった。その圧倒的なライブを観て、一発でハマった。

タイムマシンがあったなら・・今から23年前、ライジングでナンバガのライブを観ている27歳のオレに伝えたい。

「おまえ、50歳になってもライジングでナンバガのライブ観てるぞ」

先日、2022年8月12、13日にRISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZOが開催された。
3年ぶりの開催だった。もう、サイコーだった。サイコーとしか言いようがない程にサイコーだった。いくつかの残念なことはあったんだけど(一つはとても残念なこと)・・だからこそ・・伝説の開催になったと思う。
今さら「伝説」っていうのも・・なんか手垢のついた陳腐な表現かもしれないけど、「少なくともオレの中で」っていうことで許していただきたい。

「おまえ、50歳になってもライジングでナンバガ観てるぞ」
そんなことを知ったら、27歳のオレは驚くと思う。まず、50歳になっても野外音楽フェスに行っているオレに(笑)そしてライジングがまだ続いていることに。さらには、まだライジングに出演しているナンバガに。しかも、メインステージでの出演だ。
もし、驚きが少なかったら、これも教えてやろうかな。さすがに驚くと思う。

「27歳のおまえがやっているアマチュアバンド、50歳になってもやってるぞ」

驚くどころか、これからの人生が不安で不安でたまらなくなるだろう(笑)だからやっぱり教えない。それはまた別の話だ。

ライジングサンロックフェスティバルだ。
オレが伝えたいのは「50歳になってもライジングでナンバガ観てるぞ」という局所的な未来だけではない。そこまでの過程を伝えたい。そっちの方が驚くと思う。驚く前に信じられないと思う。

2019年8月の開催を最後に、その後3年間、ライジングは開催されなくなるんだ、ということ。
その理由は・・世界で音楽が、特に音楽のライブが「不要不急」という名の元に必要とされなくなるんだ、ということ。
もちろん、それに異を唱える人は大勢いた。いたけど・・それを声に出して言いづらい世の中になるんだ、ということ。

音楽のライブが不要不急?信じられないと思う。

だけど事実なんだ。誰が悪いわけでもないんだけど、そういう世の中になるんだ。新型コロナウイルスだ。

おまえがやってるアマチュアバンドのライブ?そんなもん、不要不急の筆頭だよ。もともと誰に求められてるわけでもないんだし。不要不急どころか「悪の行為」だよ(笑)ギター背負って街歩いてみ?ヘタしたら石投げられるぞ、いやマジで。ま、それもまた別の話だ。

ライジングサンロックフェスティバルだ。
3年ぶりに開催された。世の中が完全に元通りになったわけではない。まだまだ不安定だ。だから、来年だって開催されるわからない。(開催予定は発表されたよ!2023年8月11・12日開催決定!だ)
でも、とにかく今年は3年ぶりに開催された。開催してくれた。そんなライジングはサイコーだった。

サイコーだったけど、いくつか残念なことがあった。新型コロナウイルスの影響で何組かのアーティストの出演がキャンセルになったんだ。

が、しかし、だ。

そのピンチヒッターとして出演した何組かのアーティストが、それはもうサイコーのライブを観せてくれたんだ。こんな時だからこそ、のライブだった。これがプロミュージシャンのライブのスゴさだ。

中でも・・「藤井 風」。今年のライジングを「伝説」に昇華させてくれた立役者だ。YouTubeでのライブ配信もあったから
観た人も多いかもしれない。(20万人が観たとか・・)

藤井風については、去年末のNHK紅白歌合戦に出演するほどの実力・知名度の持ち主だから、今さら説明するまでもないだろう。
今回のライジングは、ピアノ弾き語りでの出演だったんだけど、そのステージは圧巻だった。自分の曲はもちろん、今回出演キャンセルになった全てのアーティスト(4組)の曲をカバーして演奏したんだ。

それがさ、そのクオリティがハンパないんだ。急遽出演が決まったにも関わらず、その完成度がハンパない。
こんなこと言っちゃダメなんだろうけど、オレが思ったことを素直に書くね。

本人たちの演奏よりかっこよくなってんだろ!ピアノ一つでよ!

って(笑)
いや、まったくの別物だから比べられないし、そこに勝ち負けもないんだけど、あまりにもかっこよすぎて。才能があふれ出てたよね。

あそこで観てたみんな、心もってかれたよね。


と思って、SNSだなんだ見てみると、もちろんそうじゃない人もいて。そ、そう?って。人の趣味趣向っておもしろいね。でも、やっぱり多くの人は、あの日あの夜の藤井風に魅了されていた。だよね。

アカペラでの歌い出し。ピアノ演奏。歌。曲の合間のチャーミングな語り。出演キャンセルになったアーティストへのリスペクト。そして見た目。
パーフェクトだ。いい加減にしろ!かっこよすぎんだろ!

ライジング好きが集まれば語り合う、今までで一番印象的だったライブは「いつの誰?」話。今後、多くのライジング好きは「2022年の藤井風」、そう語ることだろう。
オレもそうだ。今までは、たとえば2002年の井上陽水だったんだけど。今年、藤井風に塗り替えられたかな。ちなみに、井上陽水も藤井風も特にファンってわけではないんだけど、それでも。

とはいえ、今年のライジングが伝説となったのは(少なくともオレの中で)藤井風のおかげ、だけじゃない。

NUMBER GIRLだ。

今年のライジングサン出演後、ナンバガのフロントマンの向井秀徳が発表したコメントを一部抜粋して紹介したい

2019年に再結成したNUMBER GIRLはふたたび解散します。
再結成において大きな目的のひとつであったライジングサンロックフェスティバルへの出演を果たし、これを区切りとして各自の音楽活動に戻ります。

ライジング含め公演中止や延期などが立て続いたこの4年間でありました。
この中、時を超えて集まったメンバーと鳴らした音は、やはり時を超えていました。そして聞いてくれた皆さんとも時を超えることが出来た。とても楽しかった。
申し上げます。ありがとう。
(一部抜粋)

向井秀徳

ライジングサンの出演中に、ライブの途中で解散の発表があったんだ。
コメントにあるように、今は再結成からの活動だ。ナンバガは2002年に一度解散している。なんと!オレの住む札幌でのライブを最後に解散したんだ。もちろん、そのライブにもオレは行った。チケットを取るために、二日酔いの中(笑)早朝からプレイガイドに並んだのを思い出す。それほどハマっていた。そんな時代だった。

それから17年、2019年に再結成が発表されたんだ。それも、ライジングの出演発表と同時に。驚いたよ。「え!ナンバーガールって、あのナンバーガール?」って。バカみたいな想いをもらしたオレだった。

だけど、残念ながらその2019年の出演はなくなったんだ。
なんでだよ!その年のライジングは、台風の影響で2日間開催の初日だけ
中止になってしまって。そこにナンバーガールの名前があって。

そしてコロナ禍が始まって・・

待つこと4年。やっとライジングでナンバガを観ることができた!と思ったら再び解散の発表だ。とても残念だった。しかし向井秀徳は言った。向井秀徳がいつも口にするセリフだ。

「諸行無常だ」と。

永遠に変わらないものなどないんだ、と。そうだよな、と思った。
それにしても、ライジングでナンバガを観ているとき、とても不思議な感じがした。
野外音楽フェスという特殊な環境だからか・・タイムマシンで昔に戻った気がしない・・でもなかった。23年前、「あの時もこんなだったな」って。

そしたら、向井秀徳のコメントだ。
聞いてくれた皆さんとも時を超えることが出来た。とても楽しかった。

確かにオレは時を超えた。とても楽しかった。やっぱり音楽は音楽のライブは必要なものだと思った。少なくともオレの中では。
27歳のオレは、50歳になってもライジングに行っているオレに驚くと同時に、うれしく思うかもしれない。もっと言うと、第1回から今年まで全てのライジングに行ってることを知って。

そうか、音楽好きのまま人生を送っているんだな、と、うれしく思うかもしれない。

言っておくけどそう簡単じゃないぞ、50歳まで野外音楽フェスに行き続けるのは(笑)
最近は、好きなことに年齢は関係ない、そんなことを言う人は多い。確かに昔よりは「好きなこと」を優先できる時代になってきたかもしれない。他人の目なんか気にしないで、好きなことをやればいいよ、って。

しかし、人生、事はそう単純じゃない。

いろいろなことが起きる。仕事が変わる。家族ができる。人間関係が変わる。そして、音楽のライブなんか不要不急だと叫ばれる世の中になる。

人間関係が変わるといえば、23年前、第1回のライジングサンに一緒に行った仲間と・・確か10人以上いたと記憶しているが、
今ではその誰ひとりとも関係はない。音信不通だ。だけどそれが人生だ。みんな元気かな(笑)

あ、せっかくのタイムマシンだ。最後に一つ悲しいことを伝えなければならない。
髪の毛が・・いや、なんでもない。

3年ぶりのライジング、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022はサイコーに楽しかった。
rsr2022-1


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コメント

 コメント一覧 (4)

    • 1. sakana2053
    • 2022年08月16日 19:14
    • 5 藤井風!みてみよう!
      音楽は時空を越える‥かなるほど。5次元の世界に行けるのですね。
      チケットが抽選販売になってから一度もいけてないから、また行きたいなぁ。夢の国へ。
      終わった次の日から、来年へのカウントダウンしてたの懐かしいですよ
    • 2. シブケン シブケン(管理人)
    • 2022年08月17日 09:52
    • sakana2053さん
      カウントダウンするほど好きだったのに!よくやめれましたね。
      っていっても、それが普通だと思います。私の周りもどんどん消えていきましたから!
      残った人を見てみると・・まぁ、おかしな人たちです(笑)私を含め。
    • 3. ニャンモニャイト
    • 2022年08月17日 12:03
    • 5 はじめめして!
      いつも楽しく拝読しております^^

      この記事のタイトルを目にした瞬間
      " RUNNING "SUN ROCK FESTIVAL
      と読んでしまいました・・・笑
    • 4. シブケン シブケン(管理人)
    • 2022年08月17日 13:17
    • ニャンモニャイトさん
      はじめまして!コメントありがとうございます。
      " RUNNING "SUN ROCK FESTIVAL・・あったらおもしろそうですね。
      かなり過酷なイベントになりそうですけど(笑)
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