先日、夜ランをしていたら、感動して涙が出そうになったんだ。
歳を取ると涙もろくなる、とは言われるけど、こんな些細なことで!と思わなくもないシーンで、だ。

もうすっかり夜は早い。平日、仕事が終わってから走り出すときには、外は完全に夜だ。暗い。オレが走る河川敷周辺は外灯も少なく、特に暗い。

走っていると、向かいから自転車の集団がやってきた。7、8人くらいだろうか。暗くてよく見えないが、雰囲気的に運動部の集団みたいだ。たぶん高校生だと思う。なんの根拠もないが、男子サッカー部かな、と思った。部活帰りだ。こんなに暗くなるまで練習していたのだろうか。わいわいフザけ合いながら、こちらに進んでくる。

狭い歩道なので、すれ違うのめんどくせーな、そう思った時、集団が二つに割れた。3人が横断歩道を渡って、違う方向へと分かれていったんだ。その時、残った方の集団の1人が、分かれていく仲間たちに声をかけたんだ。大きな声で。歩行者信号の青が点滅していた。

「明日、マジでがんばろうな!」

そこには、さっきまでフザけ合っていた空気はなくて。明日、大切な試合でもあるのだろう。きっと、そのために暗くなるまで練習していたんだ。仲間は、その声に振り向くこともせずに、片手をあげて「おうよ!」なんて答えて暗闇に消えていった。

なぜだろう、たったそれだけのシーンでオレは感動した。涙が出そうになった。

青春スポ根マンガの1シーンを見たような。
たぶん、このチームは強豪校のそれではないような気がした。少なくとも、地域ナンバーワンのチームではないはずだ。わいわいフザけ合いながら、自転車でのらりくらりしていた雰囲気でそう思った。

そして明日、自分たちより格上のチームと対戦するんだ。もしかしたら時期的に、このチームで3年生は最後の試合だったりするのだろうか。
だから、負けたらお別れだ。1試合でも多く一緒にプレーしたい。それなのに、相手はよりによってプロのスカウトの目に留まるような選手もいる強豪チームだ。こちらといえば・・高校に入ってからサッカーを始めたような選手も多い弱小チームだ。いや、弱小「だった」チームだ。

唯一、地元のクラブチームにも所属していた我が校のエース、タケルがみんなを引っ張って強いチームに成長させてくれた。
そのタケルは・・夏の暑い日、監督と反りが合わずに部活をやめてしまった。しかし、そのことがチームの結束力を強くした。さらに強いチームへと成長していたんだ。明日はなんとしても勝つ!

「明日、マジでがんばろうな!」「おうよ!」

だ。
もちろん、これはオレの妄想だ。誰だよ、タケルって(笑)手垢のついた筋書きだ。あ、「明日、マジでがんばろうな!」「おうよ!」まではホントにあったことだよ。

もしかしたら、その明日は、ただの練習試合かもしれない。だけど、ちょっと妄想したくなるような「青春」がそこにはあったんだ。暗い中、自転車で家に向かっているであろう彼らの姿に。

いいなぁ、と思った。それで感動したんだ。そして、自分の高校時代の部活を思った。オレは野球部だったんだけど、「明日、マジでがんばろうな!」「おうよ!」みたいな気持ちで部活をしたことがなかったな、って。正直に言ってしまえば、嫌々練習していたことも多かった。上手くなるために、勝つために練習してるんじゃなくて惰性でやっているような。

それはちょっと後悔だよね。だってさ、今なんてさ、誰に何期待されるわけでもないのに、ランニングフォームなんて研究しちゃってさ。いや、研究ってほどでもないけど。だけど、一生懸命に練習してさ。どこかの窓ガラスに映る自分のフォーム見たりしてさ。フォーム改善だなんだっつって。

高校時代に野球のバッティングフォームとか真剣に調べて練習したことないもんね。言い訳すれば、まだインターネットとかスマホとかない時代だったから、今よりは何かを調べるハードルは高かったかもしれない。でも、本とかあるしね。やろうと思えばできたよね。でも、なんにもやらなかった。

何より、「明日、マジでがんばろうな!」「おうよ!」みたいな気持ちになれなかったのが残念だ。今、思えば。なにがなんでも勝つ!みたいな「青春」なかったもんな。
こんな歳になっても「なにがなんでも自己ベスト更新!」なんて抱く、上を目指す気持ちがあの時にあればよかったのに、って思わなくもない。

いや、もう、遠い昔のことなので、普段は思い出すこともないんだけどさ。その自転車集団とすれ違ったらそんなことを思ったよ。

ランニングしてると、いろんな「人生」とすれ違うよね。(妄想込みで)


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コメント

 コメント一覧 (2)

    • 1. sakana2053
    • 2022年10月27日 10:43
    • 5 こないだ夕方の豊平川を走っていたら、20代くらいの女性が前を同じ方向に歩いていました。「ランナーではない」
      女性との距離が10mくらいになった時、突然こちらに振り向き「キャー」と叫びました。なんで??
    • 2. シブケン シブケン(管理人)
    • 2022年10月27日 11:57
    • sakana2053さん
      裸で走ってたとか?
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