とっぱじめの1区から、その盛り上がりは最高潮だった。オレの中で。たぶん多くの人がそうだったと思う。第99回箱根駅伝だ。2023年1月2日の朝に雑煮を食べながらそれを見た。ストーブを点けた部屋はまだ寒い。
しかし、その寒さはすぐに気にならなくなった。いきなり熱いレースが展開されたからだ。
1区で飛び出したのは、学生連合の新田颯(育英大4年)だ。残る20人、誰もついて行かない。途中からその集団を見たのなら、まさかそのずっと前を誰かが走っている、なんて思わないだろう。だって、そこにみんないるんだから。新田颯以外。新田颯が独走する。1区のレースは序盤から終盤まで、新田選手の独走が続いた。
なんだこのワクワク感は。
学生連合が1位でタスキを渡す、そんなシーンを見ることができるのだろうか。そんなドラマを期待してワクワクした。
新田選手について、だから学生連合について「順位はつきません」「公式の記録にはなりません」「オープン参加です」そんな言葉を使って状況を説明するアナウンサー。
公式記録を残せない男が、ただひたすらトップを独走する。その姿にオレは感動した。他の選手は、順位がつかないオープン参加の選手に無理についていく必要もないのだろう。多くのチームは、もちろん優勝を狙っているのだろうし、それができなくても上位10チームに入って次回大会へのシード権を獲得しなければならない。順位にシビアな戦いだ。その点では、キツい言い方をすれば、学生連合は眼中にないのかもしれない。
しかし、だからといって、大学トップクラスの選手たちが「はいどうぞ」と1位の座を簡単に許すわけもない。
やっぱりだ。終盤で猛追が始まる。逃げる新田選手。「行ってくれー!」オレは新田選手を応援する。オレはスポーツに関して、どちらかといえば「挑戦者」より「王者」を応援するタイプだ。強い者に勝ってほしい、と願うということだ。
アントニオ猪木にはチャンピオンベルトを腰に巻いてほしかったし、千代の富士には全勝優勝してほしかった。イチローにはヒットを打ってほしかったし、キングカズにはダンスを踊ってほしかった。
しかしなぜだろう、箱根駅伝はいつも「挑戦者」を応援してしまう。たとえば1区の新田選手だ。
ことわっておくと、オレは箱根駅伝、もしくは大学駅伝に詳しくない。だから勝手に新田選手を「挑戦者」としているが、その実力は知らない。今大会で言えば、「駒沢大学」と「青山学院大学」の選手たちがが王者なんだろうな、って思ってるだけのニワカファンだ。なのでいろいろと認識が間違っていたらゴメンなさい。
とにかくオレは新田選手を応援した。
最後は追い越されてしまったが・・そこまで独りで走り続けた熱い走りに、その度胸に感動した。途中で脚になにかトラブルが発生して、ガクンガクンと体制を崩しながらも走り続ける姿に感動した。よくやった!と多くの人に賞賛されたに違いない。
そうかと思えば、とある選手が「申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げ、仲間や関係者に謝罪するシーンがあった。思うような走りが出来ずに順位を落としてのゴールだったのだ。
誰もが「謝る必要なんかねーぞ!」そう思ったに違いないが、しかし同時に、謝りたい気持ちも痛い程わかるシーンだった。涙なしには見ていられないシーンだった。
しっかし毎年毎年、正月からオッサンを泣かせるんじゃねーよ!ありがとう(笑)
ありがとうと言いたいのは、選手たちの熱い走りがオレを「走る気」にさせてくれるからだ。毎年正月なんて食べ飲みしすぎて体が重いし、そもそも外は雪で「走る気」なんてシワッシワに干からびている。ガスコンロの裏に落ちたままのニンジンみたいに。
箱根駅伝がなかったら、春まで走らない、なんてことはオレ的には十分あり得る。
そんなオレが今年も箱根駅伝の熱い走りを見て「オレも走りてー」そう思えたんだから、まだ大丈夫みたいだ。だいぶ老いぼれてきたけど、まだ、もう少しがんばれそうだ。よし、今年もがんばろう。いつもよりは気楽な感じで、でもやるときは真剣に。
そんなわけで、今年もよろしくお願いします!
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コメント
コメント一覧 (3)
戦わずに滅びるのか、戦って滅びるのかでは、天と地の差がある。後者であれば、一度滅びようともその背中を見ていた者がその想いを繋いでくれる。
駅伝であれば次のランナーだ。それが日本魂だ。
日本がリレー系の競技が強いのは、次代へ繋ぐ魂が強いからだ。日本魂を消してはならない
最近のテレビは全体的にお正月感があまりありませんが、ニューイヤー駅伝〜箱根駅伝だけは新年を感じます。
箱根駅伝の往路1区は見応えありましたね、朝からビールが進みました。
少し反省して翌日はアルコール我慢して復路観終わってから走りました。
(その後はちゃんとビール飲みましたが)
今年もブログ更新&記録更新楽しみにしてますので宜しくお願いします。
いや、結局ビール!(笑)
あれですよね、箱根駅伝の途中に流れるテレビCMも毎年楽しいですよね。感動するものが多くて(今年は物足りなかった気もしますが・・)
それでは、今年もヒマな時はブログ見にきてくださいね。よろしくお願いします!