メキシコで起きた騒動にヒントが隠されているのではないか?
市民ランナーがマラソン大会に出場することについて、疑問を持つ人が少なからずいるようだ。
「なんでわざわざお金を払ってまで走るの?」
「なんでわざわざお金を払ってまで走るの?」
その類の「問」を親に、友人に、会社の同僚に、言われたことはないだろうか。オレはある。オレの場合はこんなカッコが付いているかもしれない。
「なんでわざわざお金を払ってまで走るの?(大した記録も出せないくせに)」
言っとくけど、市民ランナーであるオレだって同じようなことを思うからね(笑)
「オレは何のために苦しい思いをしてマラソンを走るのだろう」って。お金を払ってまで。いや、お金の話はいいんだ。そりゃ、かかるよ。あれだけの「場」を用意してくれるんだから。それはいい。ただ、なんでオレレベルの大した記録も出せないような市民ランナーが
「苦しい思いをしてマラソンを走るのか?」
調子が悪い時に、ついつい考えてしまう「問」だ。調子がいい時はそんなことは考えない。走るレース走るレースで自己ベストを更新していたら。難関レースをDNF知らずで走っていたら。晴れやかな笑顔でゴールラインを駆け抜けていたら。楽しいもんね。
しかし、そんな「いい時」はそう長くは続かないことはよく知られている。
だから、オレは最近よく考える。
「オレは何のために苦しい思いをしてマラソンを走るのだろう」と。
そこまで深刻な話じゃないよ。別にオレはマラソンで飯を食っているわけではない。あくまで趣味だ。そもそも調子がいい時だって、自慢できるような結果を出していたわけじゃない。
ただ・・大会本番を前にして、今週末が本番なんだけど(マジか!)どうやら目標達成は難しい状況なんだ。目標はフルマラソンでサブ3.5なんだけど。難しい。そうなってくると「何のために」を考えてしまう。
体調が悪いわけでもないし、ケガをしているわけでもない。でも、全然思うようなペースで走れない。とはいえ100%あきらめたわけじゃない。だけど無理スジなのを認めない訳にはいかない状況だ。
無理スジなのにあきらめないってどういうことだよ。
いや、オレの場合、自己ベストを目指すモチベーションがあるから42.195kmなんていうとんでもない距離を走れるのであって。結果はどうあれ。
最初から「のんびりゴールを目指す」とかになったら、逆にそんな距離を走れないと思うんだよね。オレは。単純に走ってる時間長くなるし。今のところは、だけど。いずれそうなるかもしれないけど。
だから、どんな状況であれ一縷の望みを捨てないでスタートだけはしたいんだ。遠い遠いゴールにたどり着くために。
一縷の望み・・なんでそこまでしてオレは走るのか。
「オレは何のために苦しい思いをしてマラソンを走るのだろう」
この「問」について答えを出すためのヒントがメキシコにあるのではないか。数週間前にメキシコで起こった騒動だ。ランナーであれば、この騒動の記事を目に留めた人も多いのではないだろうか。2023年8月27日に開催されたメキシコシティマラソンで起きた騒動だ。出場した3万人のランナーの内、1万1000人が不正を働いて失格処分になったという。
(Yahooニュースより引用)
ただ事じゃない。
今までも、マラソン大会で不正を働いたランナーの事件を目に耳にしたことはある。たとえば、替え玉ランナーが走っていたとか。途中、自転車に乗った、とか。コースのどこかをショートカットして優勝した、とか。言っても、オレが知っているそれらの事件は、ほんの数名規模の話だったように思う。
しかし、今回のメキシコシティマラソンの騒動はそんな生易しいものではない。1万1000人だ。そしてその不正の手口だが・・途中、自転車はもちろん(もちろんってこともないが)車や電車などの公共交通機関に乗ってゴールを目指したというんだ。
なんだか楽しそうだな。
バカやろう。そんなことを言ってはいけない。これは不正だ。「不正はしておらず、トラッカーが故障していてチェックポイントに登録できなかったのだと主張する者も少なからずいた」らしいんだが・・ホントか?(笑)
それは置いといて、どうやらその不正を働いた人たちの多くは、そこまで悪いと思っていないようなんだ。だって、その様子を、ゼッケンをつけたまま電車に乗っている様子なんかをSNSにアップしていたっていうんだから。
なんだか楽しそうだな。
バカやろう。そんなことを言ってはいけない。1万1000人だ。事件だ。いや、そこまででもないのかな。どうだろ。どうなんだ?
まずわからないのがさ、それをしてどんな得があるんだ?ってことだよ。
コースをショートカットして優勝した、とかならまだわかるよ。まだ、ね。うまくトラッカー(ICチップセンサー)ポイントをクリアしながら走ってさ。
ゼッケンをつけたまま電車に乗ってモロバレの不正をしてゴールしたからって、それが何になるっていうんだ。まさか、ゴールしたランナーにもれなく賞金が授与されるとかじゃないだろ。
一般的に、トップランナーでもない限り、市民ランナーがフルマラソンのゴールで得られるものといえば「自己満足感」とか「達成感」になるのかな。
途中電車に乗ってそれが得られるだろうか。自分の子供に自慢できるだろうか。「お父さんな、フルマラソンを完走したことあるんだぞ」って。
あるいは陽気なメキシカンなら自慢するのかもしれない。途中電車に乗ったことなんて忘れて。いや忘れなくても「別にいいだろ」くらい思ってそうだ。完走は完走だ、なんて。なんせ1万1000人だ。
その不正をしたランナー達に聞いてみたい。「電車に乗ってゴールしたからって何になるんだ?」って。
たぶん何も考えていなかったんじゃないのか。
マジメに走っているルイスの横を、ホセが自転車に乗って悠々と追い越していく。「おいおい、何マジメに走ってんだよ(笑)ルイス!」なんて言いながら。
「ちくしょう、ホセの野郎!負けてられっか」なんて言ってルイスは最寄りの電車の駅へと急ぐ。それを見ていたロサが彼氏に電話をかける「ロペス!車で迎えに来て、早く!」
もう手段なんか選んでられない。とにかくアイツらより先にゴールしてやる!
その情熱を「走り」に注げないものか。ルイスに聞いてみたい。
「電車に乗ってゴールしたからって何になるんだ?」
しかし、オレにそんな資格があるだろうか。ルイスに問う資格が。だって、電車に乗ってゴールしたルイスにこう問われても、オレは返す答えを持っていないからだ。
「サブ3.5したからって何になるんだ?」
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コメント
コメント一覧 (14)
個人的には走る理由って自己満ですかねーやっぱ。
目標達成したら自分で自分を褒めてあげます。大人になると、なかなかこういう機会無いですし。
ズルする人は、他人にスゲーだろ?!って言いたいんですかね。それで自分も満たされるみたいな。その心理は、僕は良く分かんないですけど。
シブケンさんは、記録的にはサブ3.5達成してる実力者です。もしかしたら、マグレはないフルマラソンだけど、成就するかもしれません!
もし、今回コンディションが整わなかったとしても、来たる目標達成の途上のレースとして、ナイスランをご祈念しております!
私なんか「今回はPB無理だ」って途中で分かったら、ハーフでもリタイヤしちゃったし(笑)。
だから、基本的には「撃沈上等」で突っ込むのみです(フルのサブ3.5は、柄にもなくネガディブ・スプリットだったけど)。
あくまで目標を追いかける、それでいいんでないかい?
「無理かもしれない、本調子ではない、なぜ走るんだ」と葛藤するシブケンさんに共感します。そのまんま駆け抜けてください!
そして見えた景色また教えてください^^
ファイトです✨
週末のスタートライン、シブケンの隣ににソンブレロかぶった小柄なルイスがきっといますよ😆
いつもありがとうございます!
そうですよね、大人になるとマラソンみたいな達成感を味わえる瞬間も少ないですよね。それが魅力なんでしょうか。その分、悔しい思いもしますけど。大人になってまで、なんでこんなに悔しい思いをしなきゃならないのでしょう(笑)
別海がんばりましょう!
そうですね、基本イケるところまで行く、しかできないのかもしれません。
難しい戦略をたてたところで、フラフラになって実践できないのがオチなので(笑)
ありがとうございます!
どうなろうとも・・ゴールだけはしたいと思います。不正はナシで(笑)
隣にルイスが!(笑)
どんな手段を取っても負けるわけにはいかない。流行の電動キックボードでも用意しておこうかな。
いつも凄い文才だなーと拝読しております。
今回もショートショートの傑作!
ラストの展開、スピード感すごいなー
うれしいコメントありがとうございます!
今後も走りより文章がんばっていきますので(笑)ヒマな時にでも見てください!
自己ベストは無理っぽいとわかっていないがら立つスタートラインの何とつらいことか。
本当にフルマラソンは記録を狙わないで、頑張れる距離ではないことに共感です!
それでも参加するのはなぜなのでしょう?
答えが見つからないのですが、それでも今のところ走り続けています。
お互い頑張りましょう!
病み上がりでメンタルがダウンしてましたが、一気に元気になりましたよ!
笑いは大事ですね。
あ、真面目なマラソンブログでしたっけ(笑)
いや~辛いレースだったね。スタート時の雨&泥にはまいったわ。でもいい大会だね。
とりあえず、次いこ次!
元気になったなんて、うれしいな。
このブログを読んでも、速く走れるようにはなりませんが(笑)