臨界点:物質の相転移における臨界状態を示す変曲点。さかい。境界。
後で振り返れば、あの時が臨界点だったんだな、なんてことがあると思う。
たとえば、髪の毛が・・いやこの話はやめておこう。オレがどうのこうのという話じゃないぞ。時代だ。今はそういうことを安易に話してはいけない時代だ。
作家筒井康隆のように、それこそ安易な「言葉狩り」に対抗して時に「断筆宣言」などで世間にカウンターをかましながら「俺は書きたいことを書く」と時代に抗って書き続けるのも作家の矜持であろう。
筒井康隆はオレが小説を読むようになったきっかけの作家だ。
初めて読んだのは中学生の時だ。「おれに関する噂」という短編集の一つ目に掲載された「蝶」という短編を読んで小説っておもしろいな、と思ったのがその始まりだ。
たった2ページの小説なんだけど、その奥にそれ以上の何かが見えたんだろうね、中学生のオレ。今読んでもキュンとする短編なので、機会があったら読んでみてほしい。
そういえばこの前、その筒井康隆が本人曰く「これがわが最後の作品集になるだろう」と位置づけた短編集が発売されたんだよ。「カーテンコール」ていう短編集。筒井康隆も、もう90歳になるという。なんか時の流れを感じるわ。読んでみよ。たぶん、オレにとっても最後の筒井康隆になるだろうから。
時代に逆らってまでハゲ、いや失礼、髪の毛の臨界点について書きたいとは思わない。なぜならオレは作家ではなく普通の人だからだ。時代とともに変化していきたい。繰り返すが、決してオレがどうのこうのという話じゃない。決して・・
臨界点だ。
男女の関係なんかであるんじゃないかな。相思相愛で結婚したものの・・いつの頃からかケンカが多くなって。なんとか修復できないかがんばってみたものの、結局終わりをむかえる。振り返れば3年前、寝室が別々になったときが臨界点だったよな、みたいな。
相思相愛が崩れる臨界点。なんだそれ悲しい。
最近オレは老眼鏡を作った。目はいい方だったんだけど。年々、徐々に「あれ、見えづらいな」なんてことが増えてきて。これは目が疲れてるだけだ、と自分に言い聞かせて少々値の張る目薬を買ってみたりしてたんだけど。それによる改善を感じることはなく。
目がいい人だったらわかると思うんだけど「オレの目が悪くなるはずがないって」なぜか思い込んでてさ。ここ2、3年はダマしダマしって感じだったんだけど、でもやっぱダメだわこれ、ってなって老眼鏡を。
すごく見えるね老眼鏡。
とっくのとうに裸眼で過ごせる臨界点は超えていたことに気付いたよね。それにしても「老眼鏡」ってネーミングがよくないよね。すげー「老い」を感じるじゃない(笑)
そんな老いとともに、マラソンで自己ベストを更新できなくなる臨界点は必ず来る。
どんな怪力を以ってしても、そのチューブから歯磨き粉を絞り出せない時が必ず来るように。
ここ何年かオレは藻掻いている。いや、足掻いている、と言った方がいいか。目標であるフルマラソンで3時間半切りを、いわゆるサブ3.5の達成を目指して足掻いている。
年々「無理かもしれない」という思いが大きくなっているのは間違いない。オレの持つ身体能力では無理なんじゃないか、という思いだ。もちろんそれは練習をこなす気力体力を含めた上での能力だ。
それに加えて老化、だ。
老いとともに、マラソンで自己ベストを更新できなくなる臨界点は必ず来る。まだ足掻いてはいるが・・もしかしたらその臨界点はとうに超えてしまったのかもしれない。
そう思うのは、フルマラソンを「完走」すらできなくなったオレがいるからだ。ここ2回のフルマラソンでオレは歩きまくった。タイムどころの話じゃない。
夏に体調を崩したのが悪夢の始まりだ。決定的に何かの病気になったわけでもないんだけど、体調がイマイチな時期が続いて。そしてあの夏の暑さが追い打ちをかけてきた。2023年の夏は北海道も暑くてね。
ダラダラと、じんわり体調の悪さが続いた。まぁ、普段の生活に支障が出るほどではないんだけど、ランニングをすると大量に汗をかいた。異常なほどに。そんなことをSNSに書いたら「更年期障害では?」なんてアドバイスもあった。なるほど、考えてもみなかったけど、そんなお年頃なのかもしれない。
それでも特に調べもせずに、ダマしダマし生活しランニングも続けた。いつもダマしダマしだな、オレ。ランニングは続けたんだけど、15kmがとても長く、いや果てしなく感じるようになっていた。オレはもう走れなくなってしまったのだろうか、そう思わなくもなかった。
なんだけど、このところ、フツーに走れるようになった。
単純に涼しくなったってのもあるんだろうけど、体調がもどった気がする。特に何したってわけでもないんだけど。ってことは、更年期障害ってことでもなかったのだろうか。更年期障害については、よく調べてないので詳しくはわからないけど、そんなすぐ治るものでもないよね?まぁ、とにかくよかった。
また来年、サブ3.5達成を目指して走れそうだ。うん、走る。
でもね、後で振り返れば、やっぱりもうすでに臨界点を超えてしまっているのかもしれない。まぁそれはいい。それは後で振り返ればいいだけのことだ。だとしても、少なくともフルマラソンを42.195kmを文字どおり「完走」してカーテンコールを迎えたい。
いや、だってさ、最近のオレのマラソン、ダメすぎてさ。さすがにこれじゃ終われないもんね(笑)
ダメすぎて終われない。そんなことってあるんだね。
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コメント
コメント一覧 (10)
…さて、シブケンさんにご報告があります。
私、先日の【東北・みやぎ復興マラソン(公認コース)】で、サブ3.5達成しました!グロスタイムで3時間28分14秒。35km過ぎからがきつくてきつくて、「歩け…止まれ…楽になれ…」という悪魔のささやきに何度も屈しそうになりましたが、執念で何とか走り抜きました。レース直後は放心状態で頭真っ白、何も考えられませんでしたが、少しずつ実感が湧いてきたところです。
改めて振り返ってみると、コースは10km以降はフラットで走りやすく、大会の雰囲気もあたたかくてよかったですよ。スタート地点が仙台なので、前日や翌日は観光も楽しめます。サブ3.5を狙う大会として、東北・みやぎ復興マラソン、おすすめです!
私も(私は)ウルトラマラソンを走った後2ヶ月は全く走る気にならず、再開するときはヨイショ〜ドッコイショ〜と重い腰を上げました(笑)
抗えない気力体力の波があるように思います。
これからもシブケンさんらしく走れますように😊
本命レースが控えているので私も楽しみます〜✨
いや~道外レースで勝負するのは、オレには無理かな。なんせ移動に弱くて。
去年のつくばマラソンで思い知らされたので(笑)
とりあえず、来年もがんばれそうなのでホッとしています。
私の場合、体力よりも気力に「老い」がきてるかな。どちらかといえば。
無理しないでいきたいですけど、無理しないとマラソンなんて走れないし・・(笑)
これからマラソンシーズンですもんね、本命レースがんばってください!
寒い中、作マラお疲れ様でした。お互い、もう少し足掻いてみますか!
霊長類南へは私も読みましたけど・・内容憶えてません。たぶん20年とか30年前に読んだので(笑)また読んでみようかな。
3時間切り
・森 茂さん(69歳/2時間59分14秒/2013年度)
3時間30分切り
・小口親司さん(80歳/3時間29分57秒/2016年度)
4時間切り
・熊本道夫さん(82歳/3時間58分27秒/2013年度)
・小口親司さん(82歳/3時間58分19秒/2018年度)
4時間30分切り
・小口親司さん(86歳/4時間7分4秒/2022年度)
完走
・上野山馨さん(93歳/6時間50分5秒/2018年度)
無言でコピペとは恐ろしい(笑)
この中で挑戦できるとすれば(どれも無理なんだけど)上野山馨さんかな。
えーと、今から40年後にフルマラソン完走か・・いや無理でしょ!
私も今年の北海道マラソンの記録が全然ダメダメで、このままでは今シーズン終われないと、以前シブケンさんもブログで紹介されていた作マラにエントリー。初めてペーサーさんの居る大会に出場しましたが、そのお陰もあり、PB更新の3時間4分でフィニッシュできました。自分はいま48歳ですが、もう少し記録に挑戦していきたいと思ってます。
シブケンさんも夏場のレースで調子でなかったら、気分転換に冬場のレースとかもどうでしょう?きっとまだまだ走れるし、楽しめると思います。
サブ3まであと4分!これは挑戦するしかないですね、がんばってください。
私ももう少しだけ、えっちらおっちらがんばりたいと思います(笑)
冬場のレースですか・・そういえば何度か走ったことあったなぁ(遠い目)