その男は突然オレの前に現れ、そして突然立ち去ってしまった。
駒田博紀という人物をご存知だろうか。
あなたがこのブログの記事をいくつか読んだことがあるのなら・・知っている可能性は高いだろう。いやいや、別におめーのブログなんて関係なしに知ってるわ!って意見はごもっともだ。
オレが中3の時、体育祭で一緒のチームでリレーを走ったカワサキ君を知ってるか?なんて話とはワケが違う。
駒田博紀・・スイス生まれのスポーツブランドOnを日本に広めたその人だ。
Onジャパン代表の駒田博紀だ。いや、Onジャパンの代表「だった」と言わなければならないか。
駒田さんは本日2024年2月29日をもってOnジャパンを退職するとのことだ。
理由は
「この場所における自らの役割を終えた」と確信するに至ったからです。
とのことだ。詳しいことはわからない。SNSにそう書かれていた。
オレはもう何年もの間、ランニングのときはOnのシューズしか履いていない。とても気に入っているからだ。その目的と手段が逆転してしまうくらいに。
走るためにOnを履いているのではなく、Onを履くために走っているといっても過言じゃないくらいに気に入っている。
言い換えれば、食べるためにカツ丼をつくるのではなく、カツ丼をつくるために食べている、ということになろうか。
言い換えれば、食べるためにカツ丼をつくるのではなく、カツ丼をつくるために食べている、ということになろうか。
ならねーよ。
それにしても、ここ何年かOnを見ている中で(外からぼんやり眺めてる程度だよ)間違いなく今が一番盛り上がっていると思う。これからも、もっと盛り上がっていくことだろう。街でOnのシューズを見かけることも多くなった。なにより、オレが知っているOn大好き人間たちは多くいるし、その「好きさ」は尋常じゃないから(笑)
そしてどうやら、そのOn大好き人間の多くは「駒田さんが好きだからOnを履く」ってなっているとオレは見ている。駒田さん以外のOnの社員、スタッフさんが好きで履いている、みたいなことも多いように見える。それは駒田イズムがなせるワザなのだろう。
これはとても珍しいことではないか。他のスポーツブランドでそういうことがあるだろうか。そのスポーツブランドの代表が好きだから、その社員さん、スタッフさんが好きだからそのシューズを履く、ということが。あったらゴメンなさい。他のブランドのことは全然わからないので。
でも、普通はシューズの性能とか自分の足との相性とかで選ぶよね?
少なくとも、オレの周りのOn以外のシューズを履いているランナーからそんな話を聞いたことがない。どこそこのブランドの社員さんが好きだから俺はそれを選んでいる、みたいな話を。
ごめん、そもそもオレの周りにあんまりランナーいないからサンプル数少ないわ(笑)
しかし、そうなるのは当然だ。駒田さんはOnを履くランナーたちとのつながりをとても大切にしていた。思い起こせば今から6年前、駒田さんがオレの目の前に突然現れたのも「つながり」だ。
東京は九段下のアパホテルの前に突如現れたOnジャパン代表の駒田博紀。ただのOn好きな一般市民ランナーのオレに会いに来てなんの得があるっていうんだ。しかし、それを「ノリ」でやってのけた駒田さん。
オレが「Onを履くために走っている」そうなってもおかしくないだろ?
そして今度は突然立ち去ってしまった。
それを知った時、駒田さんがOnを去ると知った時、「やるな・・」そう思った。うまくいっている(外部から表面だけを見た感じにすぎないけど)その場所から離れて次に向かって変化する、なかなか出来ることじゃない。
そんな思いから、すぐにある名曲の歌詞が思い浮かんだ。
多くのミュージシャンがカバーしていることでも有名なので知っている人も多いと思う。少々古い曲なので、もしかしたら若い人は知らないかもしれない。この機会にぜひ聴いてほしい。
SUPER BUTTER DOGの「サヨナラCOLOR」という曲だ。
こんな歌詞から始まる。
「そこから旅立つことは とても力がいるよ」と。
そして「でも君はそれでいいの?」ときて「自分はもうだまさないで」とくる。「自分をつらぬくことは とても勇気がいるよ」に続いてサビではこう歌われる。
「サヨナラからはじまることが たくさんあるんだよ」と。
ポンコツ一般市民ランナーの、ただのOnのファンであるオレごときが今回のことについて言うことは、何もない。ただ「やるな・・」そう思っただけだ。
しかし、それについて触れないこともできなかった。なぜなら、今オレが走っていることも、このブログを続けていることも駒田さんと、そして岩本さんを抜きには語れないからだ。
突然の岩本さんだが、そう、ウルトラマラソンのパオニア岩本能史だ。オレがOnを履いて走るようになったのはこんな経緯だ。
なんかテキトーにマラソンを始める
→自己流で走ってても全然サブ4できねー
→なんかマラソンメソッド本でも読んでみっか
→たまたま(失礼)岩本さんの本を手に取る
→岩本さんのブログを読むようになる
→岩本さんがOnを履いてるならオレも履きたい
→自己流で走ってても全然サブ4できねー
→なんかマラソンメソッド本でも読んでみっか
→たまたま(失礼)岩本さんの本を手に取る
→岩本さんのブログを読むようになる
→岩本さんがOnを履いてるならオレも履きたい
→岩本さんのブログでOnのシューズのことが分かりやすいブログが紹介される
→駒田さんのブログだった
そんな流れで、Onのことをいろいろ知るようになって。それでこのブログにもちょこちょこOnのことを書くようになったら、なんとビックリ、駒田さんと岩本さんがこのブログにコメントくれたり絡んでくれたりして。
その当時は、Onのことを発信している人がまだ多くはなかったから発見されたのかもしれない。ラッキーだったね。そんなこともあって、オレはますますOnに「はまって」いって今に至る。
が、ここにきて、Onとオレをつないでいた言わば二大巨頭の駒田さんと岩本さんが去って行った。
いや、岩本さんはOnを履いて走るのをのをやめたわけではないけど、2022年7月にプロランナーを引退してしまった、という意味で。
Onジャパンを退職する駒田博紀。プロランナーを引退した岩本能史。さすが二大巨頭だ。変化を恐れていない。
人間、ある程度年齢を重ねれば変化を恐れるようになる。「そこにいる」のが楽だからだ。いや、それは上手くいっている人の話であって、もし上手くいっていなければ変化するしかないだろ?って。
違う。今がどうであれ、上手くいっていても上手くいっていなくても、「そこにいる」のは楽なんだよ。変化するよりは、ね。
「そこから旅立つことは とても力がいるよ」
ってことだ。
オレの周りの同年代も「そこにいる」ままの人は多い。お互いもういい歳だから・・しょうがないっていえばそうなんだけど。そういう人は「過去」ばかりを見ている。「あの時はよかったな」とかって。それに比べるとランナーは未来を語る人が多いから素敵だよね。
ランナー(の多くは)は常に未来の目標を掲げている、って言えるんじゃない?これは「趣味マラソン」のいいところだと思う。もしかしたら、過去の栄光ばかりを語る人もいるかもしれないが・・まぁ、それはどこの世界にもいる。スルーしていこう。
岩本さんの本で読んだ好きな言葉の一つにこんなのがある。
あなたは過去の自分がたすきをつないだアンカーである。
ところで、変化を恐れず次に進んだ駒田さんと岩本さんはアンカーなのだろうか。それとも、あと何度かタスキをつないでいくのだろうか。いやいや、ひとのことはいい。おまえはどうなんだ。オレか・・。よくわからないけど、なんとなくアンカーではない気がする。このまま、この状態でゴールに飛び込めるとは思えない(笑)
さて、駒田さんは次に何をやるんだろうね。岩本さんは・・
寿司を握っているらしい。
発売中の『月刊ランナーズ』に不思議な次号予告を発見 pic.twitter.com/EjGYda1AIu
— 岩本能史 nobumi iwamoto (@nobumi_iwamoto) December 26, 2023
寿司を握っているらしい。
どういうことなんだよ、変化を恐れなさすぎだろ!
と思っていたらレースも走るらしい。
この先も二大巨頭から目が離せない。
オレもまだまだ変化していきたい。
見た目はどんどん変化しているよ悪い方に、って?やかましいわ。
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と思っていたらレースも走るらしい。
久しぶりの海外賞金レース走ってくる
— 岩本能史 nobumi iwamoto (@nobumi_iwamoto) February 28, 2024
(賞金獲るとは言ってない) pic.twitter.com/uoYZheDCMO
この先も二大巨頭から目が離せない。
オレもまだまだ変化していきたい。
見た目はどんどん変化しているよ悪い方に、って?やかましいわ。
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コメント
コメント一覧 (6)
僕は、40代の目標としてサロマを走ろうと思った時にシブケンさんのブログにたどり着き(シブケンさんと同じ日に走りました)、シブケンさんから岩本さん、駒田さん、そして、Onのシューズを紹介していただきました。
旅立ちは寂しい面もありますが、引き続き御三方とOnをフォローしていきたいと思います(シブケンさんに旅立ちがあると書かれていた訳ではありませんが...)!
キャンプとか音楽の記事なんて誰も読んでないと思ってたから、うれしいな。
同じ日にサロマを!いつも(なのかわかりませんが)ブログを読んでくれて、ありがとうございます!
私もどこかに旅立ちたいのですが、今のところ予定なしですね・・そのうち行先見つけます(笑)
On は最近、街中でも若い人が履いていて「おっ」と思っていました。自分も履きたいのですが、高いので奥さんの目が...。
やっぱ只者じゃないですよね(笑)
いやいや、全然もう次のことガンガン進めてるみたいですよ。