聞こえてくるのは安藤友香の息遣いと足音だけだ。
名古屋ウィメンズマラソン2024のテレビ中継。
ハッハッハッハ タンタンタンタン
バンテリンドームナゴヤに入る直前のシーンだ。その先に、まだ誰も通過していないゴールテープが待ち構えている。
すぐ横を走るバイクに乗ったかカメラマンから送られてくる映像、そして音なのだろう。恐ろしいくらいの臨場感だ。臨場感ありすぎだろ。見てるこっちまで心臓がバクバクしてくる。
ハッハッハッハ タンタンタンタン
しばらく優勝を争う二人のデッドヒートが続いていた。日本の安藤友香、そしてバーレーンのユニスチェビチー・チュンバの二人。ゴールまで、もう残り1kmを切っている。「安藤行け!」オレはテレビを観ながら心で叫ぶ。いや、実際に声に出していたと思う。ついでに(と言っちゃ失礼だが)「鈴木も行けんだろ!」そう叫ぶ。鈴木亜由子が猛追してくる。一時はトップ集団からだいぶ離されてしまった鈴木だが、信じられない復活、そして猛追だ。テレビ画面の優勝を争う二人の後ろにしっかりと鈴木が映り込む。
優勝争いをしている安藤友香もそれに猛追してくる鈴木亜由子も、早い段階でオリンピック出場は絶望的になっていた。そう、このレースはパリオリンピック女子日本代表の最後の一枠を争うレースでもあったんだ。
絶望的・・それはオレが勝手にそう思っただけで、選手本人たちがどう考えていたかはわからない。きっと「絶望的」なんてマイナスな感情は持たないんだろうな、このクラスの選手になれば。それでも、どこかの地点で事実としてオリンピック代表に選ばれる可能性がなくなったことは認識したはずだ。
そこからあの走りだ。まったく、諦めていないあの走りだ。
安藤友香は初優勝と7年ぶりの(自身初マラソン以来の!)自己ベスト更新という目標はあったにせよ、オリンピック代表、そして同時に日本新記録更新が大きな目標であったはずだ。その可能性がなくなっても優勝を諦めずに、トップのチュンバに追いついた姿に感動した。
しばらく二人のデッドヒートが続くも、ゴールまで1kmを切ったあたりだろうか、ついに安藤友香が前に出る。そのまま引き離す。あまり見ないシーンだ。日本人選手が外国人選手に追いついて、そして追い越し引き離すシーン。見応えがあった。
そしてあの映像だ。音だ。
そしてあの映像だ。音だ。
ハッハッハッハ タンタンタンタン
ほんの数秒間、アナウンサーの実況もなければ、ゲストの解説の声もない。安藤友香の息遣いと足音だけがテレビから聞こえてきた。
恐ろしい程の臨場感。自分のすぐ横を選手が走っているかのような錯覚。カメラがバイクが選手に近すぎないか?大丈夫か?そんな心配をしてしまう程に。かつてこんなマラソン中継があっただろうか。あったのかもしれないが、オレは知らない。
ポンコツ市民ランナーのオレとは次元の違うレベルの話だが、それでも「オレも最後まで諦めないレースを走りたい!」そう思わずにはいられなかった。
しかしその日、テレビ中継を観終わった後、オレはランニングをしなかった。普通ならその勢いで外に飛び出してジョグくらいするだろ。でも、オレは走らなかった。なぜなら、外は雪が積もっているからだ。
札幌の外はまだ雪だ。もちろん、それでも雪上ランニングはできるし、どこかのスポーツ施設で室内を走ることもできるだろう。
でもその日、オレは走らなかった。マラソンに対する気持ちは高まっていたんだけど走らなかった。まったくダメなランナーだよオレは。
この冬、だから雪が積もってからの12月、1月、2月は週一で10kmくらいしか走っていない。ここまで走らなかった冬も久しぶりだ。つっても、まぁ、いつもだって威張れるほど走っているわけでもないが。
走る気力がなくなったわけではない。いや、以前に比べれば、老化、その他の理由によってその気力は衰えていることは間違いないだろう。でも、まだ目標を捨ててはいない。フルマラソンでサブ3.5の。だから今年も走る気満々だ。
でも、この冬はちょっとサボった。ま、いっかな、って。
ここ何年かの冬はもうちょっと走っていたけど、別に大した結果に繋がっていなかったし、って。一回サボってみるわ、って。だってそもそも雪の上走るとかおかしーでしょ、って(笑)
その分、って言うわけでもないけど、気持ちは高めておいたよ。ランニング、マラソンに対する気持ち。今回の名古屋ウィメンズマラソンもそうだけど、いろいろとマラソンレースを観ると高まるよね。オレが(雪国北海道が)マラソンシーズンオフのとき、本来マラソンシーズン真っ盛りだからね。だからレースの情報に事欠かない。一流選手の情報もそうだし、
もちょっと身近なレベルのランナーのYouTubeやSNSの発信も盛んな時期だ。
いろいろ刺激を受けたよね。このブログのコメント欄でもレースの結果を教えてくれたりして刺激になる。
走るのはサボってたけど。
でも、ホント、ランニングフォームなんかもだいぶ研究していたよ。YouTubeで。寝る前のベッドの上で。そんなフォームも早く試してみたい。だったら走れよ。
いや、だって外は雪だ。そしてこの時期はその厚く積もった雪が解けてきてザクザク状態で、すんごい走りづらいんだ。そんな中、焦って走って捻挫でもしたら大変でしょ。
でた!言い訳。走らない理由を100個挙げるのは簡単だ。それに負けないように、この冬は気持ちだけは高めていたつもりだ。昨日の名古屋ウィメンズマラソンはホント感動したな。
さて、そろそろオレも走り始めなきゃな。
狙うは5月のフルマラソンだから、そこまでのんびりしている暇もない。かといって、焦って捻挫してもアレだし。とりあえず、ランニングフォームは今までで一番いい感じだと思うんだ。ベッドの上で脳内でシミュレーションしただけだけど。
果たして、冬のランニングをサボった結果どうなるのかを報告したい。ちなみに、いつもの冬よりは筋トレ的なことはがんばって継続してみたよ。バックランジなんかを。それもどう影響でるか。
予想としては、いつもとあまり変わらないと思う(笑)
そういえば、名古屋ウィメンズマラソンの公式サイトにあったイメージ写真?
随分とオシャレでポップだね。「わたしたちのサイコー!を記録する日」だって。マラソンの泥臭さがなくてとてもいいと思います。オジサンついていけないけど(笑)
よし、北海道ももうすぐ春だ。
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