ドゥンドゥンドゥンドゥン四つ打ちビートの音楽が大音量で流れている。
辺りは日も落ちて照明が派手に踊っている。知らない人が見れば、ダンスイベントでもやっているのかな、と思うかもしれない。
そこにランナーが飛び込んでくる。
DJがランナーの名前を連呼してマイクパフォーマンスで場を盛り上げる。さながらパーティー会場だ。そこは・・アイアンマンジャパンみなみ北海道大会のゴール、だ。
集まってきた大勢のギャラリーが、コース両脇に設置されている大会ロゴをあしらったボードを手のひらでバンバン叩く。ゴールを祝福する気持ちを込めてバンバンバンバンだ。オレも叩いたバンバンバンバン。DJが叫ぶ。そしてバンバンバンバン。うるせー(笑)ものすごい盛り上がりだ。

驚いた。こんなことになっているのか、と。オレは「アイアンマン」について何も知らなかった。いや、トライアスロン競技の距離別にカテゴリされた一つが「アイアンマン」だということは知っていたよ。でも大会が、ゴールがこんなんことになってるのは知らなかった。ドゥンドゥンドゥンドゥンって。バンバンバンバンって。
マラソンのゴールってさ、そこまで「陽」な雰囲気はないじゃない。フルマラソンでもウルトラマラソンでも、ゴールに「歓喜」があるとしても「陰」まではいかないけど「静」っていうか。喜びが爆発するってことはなくて、苦行からの解放っていうか。修行の終わりっていうか。小さくガッツポーズっていうか。
そういえば、オレが今年走った悪天候のトレイルランの大会なんて、ゴールにゲートもなければ見てる人も誰もいなかったからね(笑)
アイアンマンのゴールはドゥンドゥンドゥンドゥンの中、みんなアラレちゃんのキーンよろしく両手広げて蛇行して走って、両脇のギャラリーにハイタッチしながらゴールだもん。フォー!とか言いながらゴールみたいな。完全に「陽」だ。あのゴールはうらやましいな。
ま、全部を見たわけじゃないけどさ。制限時間ギリギリのゴールはまた違うかもしれないけど。
ちなみに「スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.2km」で行われるのが「アイアンマン」だ。「スイム1.5km・バイク40km・ラン10km」で行われるのが「オリンピックディスタンス」だったり。その他「スプリントディスタンス」「ロングディスタンス」なんてのがあったりする。
もしかしたら、その距離設定は多少前後することもあるのかもしれない。詳しくはわからない。とにかくトライアスロン競技のなかでもスゴイやつが「アイアンマン」だ。
なんせアイアンマンだからな。ゴールすれば「You are an IRONMAN」の称号を得ることになる。
オレが初めてアイアンマンの競技内容(距離)を知った時、まず思ったのは「3.8km泳ぐってどういうことだよ」だ。3.8kmっていったら走るのだってダルい時がある距離だ(笑)それを泳ぐって。今までのオレの人生、泳いだ最長距離はたぶんプールで50mってところだから、なおさら。
どうだろう、ある程度ランニングとかマラソンやってると一度は、一生のうちに一度はトライアスロンやってみたいな、なんて思う人も少なくないんじゃないだろうか。オレもその一人だ。なんとなくだよ。
だって、あまりにも現実離れしていて、本気で考えるには至らない。だってスイム3.8kmだよ?無理でしょ。でもラン仲間にもトライアスロンやってる人いるからさ、それを見るとやってみたいな、とは思う。空を自由に飛びたいな、レベルで。
でも、何をどうしたらいいのか全然わからなくね?
まさかスポーツ量販店に行って「すんません、トライアスロン初心者セットください」とか言って必要なギアがもろもろ揃うわけでもないだろ?だったらウエットスーツとか自転車とかどうすんだよ、って。アマゾンで買えばいい?(笑)
大会にエントリーできたとして、自転車どう運ぶの?とか。レース終わった後、自分で自転車運ぶの?とか。疲れてるのに?
まぁ、今回初めてトライアスロン会場に行ってみたら、確かに自分で鉄道の中に自転車持ち込んで移動してる選手いたけど。とにかく疑問だらけだ。で、疑問だらけなのは大会に出ることについて、だけじゃないんだ。
応援も簡単にはさせてもらえないんだ。それがアイアンマンだ(なのか?)
今回ラン仲間がこの大会、アイアンマンジャパンみなみ北海道大会に出ると知って応援に行くことにしたんだ。初めてのトライアスロン観戦だ。オレの実家がある函館から電車で1時間、という場所での開催もそうさせた理由だ。土地勘が多少あるからさ。
どうせなら、サプライズで応援しようと思ったんだ。
だから、そのラン仲間には詳しいことは聞けない。ま、公式サイトでも見ればいろいろわかるだろ。そんな気軽な感じで公式サイトを検索して開いてみると・・
英語のページだったんだ。
いやいやいやいやって。マジもんの国際大会なのか、これって。だから何もわからないんだ。英語だし。もちろん、日本語に変換できるんだけど、全部がうまく変換されるわけじゃない。変換したとて、なんつーか「つくり」が英語のサイトで見慣れていないからか、わかりづらい。本気でエントリーしようとして見てないから、ってのもあるけど。
じゃ、なんか関連サイトあるだろ、日本語の。日本で開催されるんだからさ、いくらなんでも。って調べてみる。まぁ、あるにはあるんだけど、どれもこれもわかりづらい(すみません)
これがアイアンマンか。応援すら一筋縄ではいかないんだ(ってことではないだろ)
まずオレが知りたかったのは車で行けるのかどうかだ。当然交通規制はされてるだろうから。十分な駐車場があるのかも知りたい。調べてみると、かなり詳細に表記された(たぶん)公式発表の交通規制マップがあったんだけど・・
何がなんだかわからないんだ。とくに車で来るな、とは書かれていないようだが駐車場の案内もない。一応、土地勘はあるのだが・・オレの解読力不足なだけかもしれないが、正直言って何一つわからない。早々に車で行くことはあきらめる(笑)
道南いさりび鉄道とやらで行くことにした。その鉄道の存在も初めて知ったんだが。
道南いさりび鉄道とやらで行くことにした。その鉄道の存在も初めて知ったんだが。

次に知りたかったのは、スイム3.8km・バイク180km・ラン42.2kmのそれぞれの目安時間、みたいなものだ。トップ選手でどのくらい、標準的な選手でどのくらいの時間にどこに行けば応援できるか、ということだ。
まったくわからないんだ。
なんとか調べ上げたのはスタートが6時半でゴール制限時間が24時ということだけだ。いつどこで応援すればラン仲間にサプライズを仕掛けられるっていうんだ。いったい人は3.8kmを泳ぐのにどれくらい時間を要するのか。皆目見当がつかない。バイクも応援するのは難しいはずだ。狙うはランだが・・14kmのコースを3周するとのことだからどこかで見つけられるのではないか。
それにしても、皆目見当がつかない。応援する場所も時間も。
いつもマラソン大会で使っている応援Naviみたいなアプリでもあればいいんだが、その類を知ることはできなかった(あったみたいだけど)なんせサプライズを仕掛けたいんだ。本人に聞くことはできない。かといって、その他の関係者も誰一人知らない。
どこかでラン仲間を見つけて応援できたら、オレにとってもサプライスだろ、これ。
さすがに無理難題すぎたので、本人になんとなく、アイアンマンって何時間くらいでゴールするもんなの?的にボカした質問をしてみた。「俺は22時くらいゴールかな」との答えをもらったので、そこから逆算して場所と時間を予測してラン会場へと道南いさりび鉄道で向かった。
結果、応援できたよ!だいぶ薄暗くなってきた夕方、沿道で待つこと1時間半、無事ラン仲間を見つけることができた。もう少し暗くなったら見つけられなかったわ。あぶねー。
それにしても、1時間半の間、多くの選手が走る姿を見ていたわけだが。もう、大袈裟に言えば神々しいもんね。その前に前に進む姿が。
軽快に走る人もいれば、もちろん歩く人もいる。だけど、みんな3.8km泳いで180km自転車こいでここに来たんだろ?その後でフルマラソン走ってんだから。そりゃ、もうアイアンマンだ。スゴすぎるだろみんな。
気軽に「オレもやってみたいな」なんて言えない。実際、気軽に一人で挑戦できる競技ではないだろ、これ。どこかのチームに入ったり、だれか協力者いないと無理じゃね?
まず、英語の公式サイトが理解できないからエントリーすらできない(笑)
そんなこといいから、アイアンマンとか寝ぼけたこと言ってないで、まずはサブ3.5目指してフルマラソンを走っとけよ、オレ。
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コメント
コメント一覧 (2)
そう言えば先週末飲みに行ったところの女の子が、知り合いがトライアスロンの大会にでる、って話してたのでそれですかねー
お客さんにお医者さんがいるのかな、くらいの感覚でしたが。
あ、勝手なイメージでトライアスロンはエントリーフィーも高いし、ギアも高いので。。。
いや、あれはお金かかりますよね実際。
それ用の自転車は安くて30万円から、みたいな。こだわれば100万200万とかって世界みたいですし。競技的にはやってみたいですけどね・・あのゴールは感動するだろうな~