河川敷をランニング
いつも同じコースをランニングしている人は多いと思う。
会社勤めだったり家族がいたりで時間に制約がある人なら、走る曜日や時間帯もだいたい固定されているのではないだろうか。

そんな人たちが抱える問題、それが「いつもすれ違うランナー問題」だ。
抱えてるのはオレだけかもしれないが(笑)

例えるならこんな話だ。
ある日の会社帰り、家の近くのコンビニでふと目が合うんだ。
「誰だっけ?」
間違いなく知った顔なのだが、誰なのか思い出せない。向こうも「あっ」って顔をしたと思うがすぐに目をそらしてしまった。

結局、話すこともなくコンビニを出る。
家路の途中でやっと思い出したのは、その人は通勤の地下鉄で毎朝見かけるだけの人だったということだ。

顔見知りだけど、決して知り合いと呼べない間柄。そこで感じる気まずい空気。
それが「いつもすれ違うランナー問題」だ。


河川敷のコースは「顔見知り」が増える

オレはいつも河川敷のランニングコースを走っている。
そこを走っていると「顔見知り」が増える。知り合いじゃない「顔見知り」が。

その理由としては、そのコースを多くの市民ランナーが「ホーム」として走っているからだ。
いつも同じ顔ぶれといっていいほどだ。マラソン大会でも使われるコースだからね。
走りやすいのもあるし、そのレースを攻略する上でも走らない手はないだろう。

そして、河川敷のコースは一本道だ。
スタート地点は違えども、長い距離をあっちいってこっちに帰ってくる道のりになる。
だから、多少いつもと走る時間が違っていても、どこかで「顔見知り」のランナーとすれ違うことになるのは、なんの不思議もない。

でも、あまりにも頻繁にすれ違うと、こっちの行動を監視されてんじゃねーか?と思わなくもない(笑)
ま、お互い様だろうけど。



アディダス男

オレが「アディダス男」と呼んでいるランナーがいる。

河川敷ですれ違う「顔見知り」の一人だ。
その名の通り、ってオレが勝手にそう呼んでいるだけだが(笑)、いつも全身アディダスを身にまとっている。
っていっても、Tシャツとシューズがそれってだけで、パンツとかソックスはどこのだかは知らない(笑)
でも、Tシャツははっきりアディダスとわかるデザインのものばかりだ。アディダス好きには違いない。

年齢は同年代に見える。走力的にも同じくらいと見た。いつも一人で走っている。
感じのいい人なので、一度話をしてみたいな、とは思う。だけど、オレにそんな勇気はない。すれ違うのは一瞬のことだしね。

かなりの頻度ですれ違うランナーだ。2回に1回くらいの割合だろうか。イメージ的には毎回すれ違っているような気さえする。
向こうもオレを認識していると考えるのが妥当だろう。

ヤバい、そう思ったのは向こうから「アディダス男」がやってきたからだ。

いつもの河川敷コースじゃない。たまに走っている、とある公園での出来事だ。
河川敷であいさつもなくすれ違うのはいつものことだから、言ってみれば日常だ。

しかし、今、これは日常じゃない。
海外旅行に行った時、観光地じゃない場所で日本人に会った時のような。
コンビニで出会った地下鉄のあの人のような。

無視するわけにはいかないだろう。
しかし、やっぱりオレにあいさつする勇気はないのであった。
すれ違うときの気まずさ。

それが「いつもすれ違うランナー問題」だ。

しかし、この時、問題はそれだけではなかったんだ。
「アディダス男」が見にまとっていたTシャツが「ナイキ」だったんだ。

どうでもいいだろ、それは。


勇気をもって話しかけるべきだ

相手だって話しかけられるの待っているかもよ、
なんていうポジティブシンキングな人もいるかもしれない。
たしかに「アディダス男」とならランニング仲間になれるかもしれない。
機会があれば勇気を持ってあいさつくらいはしたいものだ。

だけど、オレの「顔見知り」は「アディダス男」だけじゃないんだ。
そんなの知らねーよ、そう言わないで聞いてほしい。

「顔見知り」がいつも上半身裸で走っている老人だったらどうだ。

どうだ、って言われても困ると思うが。

その老人は70歳は超えてると思う。
いつもむき出しの上半身は皮のたるみはあるものの、日焼具合がたくましい。
ものすごい量の汗をかきながら走っている。

シューズは見たことのないメーカーだ。かなり古いものだろう。
アウトソールのかかと部分がカッターナイフで切り落としたようにすり減っている。
その人生で地球100周分の距離を走っていると言われても驚かないほどの減り具合だ。

いや、驚くよ。

そんな「顔見知り」が、あるとき事もあろうに黒いジャンパーを着て走っていたんだ。
色はどうでもいいだろ。

がっかりだ。

しかし、季節はすっかり初冬だった。
そう、ここは北海道。
老人が上半身裸で走っていたら、それは事件だ。ジャンパーを着て走るのが正解だ。

それはわかっているが、オレはそんな姿を見たくなかったんだ。
なぜなら、その「顔見知り」はいつも上半身裸の老人だからだ。

それが「いつもすれ違うランナー問題」だ。

やっぱり、この問題を抱えているのはオレだけかもしれない。

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