
「箱根駅伝始まってるよ!」
朝、母親のそんな声でオレは目覚めた。あれ、もうそんな時間か。昨日飲み過ぎたせいか頭がボーっとしている。
1年ぶりの実家だ。ここ何年も実家には正月くらいしか帰らない。
オレは趣味でマラソンを走っているし、毎年正月の箱根駅伝を楽しみにしていることを知っていて起こしてくれたのだろう。
テーブルには、おせち料理が並んでいる。お雑煮から湯気が上がっている。
テレビを見る。
「いや、これ、ニューイヤーだから。」
そう、今日は元旦。
これはドラマ「陸王」でもおなじみの実業団対抗駅伝大会「ニューイヤー駅伝」だ。
箱根駅伝は明日だ。
母親は言う。
「これだって駅伝だべさ。青学走ってんだべさ」
「うん、いや、まぁ駅伝だけど青学は走らないやつさ」
いろいろ説明するのがめんどくさくて、オレはそれだけ言って雑煮をすする。
学びその1 一般人はマラソンにそれほど興味がない
たぶん、日本人が知る長距離レースで一番有名なのは正月の箱根駅伝だろう。ここ何年かの青山学院の活躍、中でも原監督のメディア露出によりその知名度は陸上競技に興味のない層にまで広がったのではないか。
とはいえ、件の母親の発言である。
結局、なにがなんだかわかっていないのだ(笑)
出てくるワードといえば「青学」「原監督」「山の神」くらいだ。
まぁ、それでもすごいけど。
一番知名度が高いと思われる箱根駅伝でさえこのレベルだ。
ましてやマラソンの「サブ4」なんて知る由もなく、オレが「サブ4やってやったぜ!」と鼻息荒く言ったところで母親ポカーン状態だ。
多く人はマラソンに興味はないので、誰それ構わずマラソンについて熱く語るのは迷惑かもしれない。気をつけよう(笑)
学びその2 僕には止まれない理由がある
苦しい時に思い出したい。
誰にでもあるはずだ「止まれない理由」が
これ今年(2018年)の箱根駅伝のテレビCM。いっつも泣けるよね、箱根駅伝のCM。
学びその3 アンカーの責任
箱根駅伝のアンカー以上に責任の重圧がかかる仕事をオレは知らない。それは過去何十年の母校の伝統かもしれない。雨の日も風の日も走り続けた仲間の努力かもしれない。ケガで出場が許されなかったキャプテンの屈辱かもしれない。
そんな想いを胸に、重圧に負けずに走ったときに最高の走りができるのではないか。
逆にその責任を力にしたい。
いやいや、俺、別に駅伝走るわけじゃないからアンカーの気持ちとか関係ないし。
そう思うかもしれない。
そんな人には、オレの大好きなこの名言を送ろう。
あなたは過去の自分がたすきをつないだアンカーである。
岩本能史
世界でもっとも過酷といわれる、灼熱のバッドウォーターウルトラマラソンで戦い続けるウルトラランナー岩本能史さんの言葉だ。
オレはレースで苦しい時いつもこの言葉を思い出す。今までの自分のがんばりを無駄にしてはいけない、と。
しっかし、アレだよね。
毎年箱根駅伝見ると走りたくなるよね。選手のがんばり見てると自分もレースに出たらがんばるぞ!って思うよね。ラストスパート、もっとイケるだろ!って思うよね。
でも、実際にレースに出ると、まったくそうならないことはよく知られたことだ。
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