sanomotoharu live
今夜も愛をさがーして!
今夜も愛をさがーして!

いい年したオッサンオバサンがコブシを突き上げて歌う。
もっと上の世代、おじいいさんおばあさんだってコブシを突き上げる。少し照れながら。

2回のアンコール、そして最後の曲は佐野元春のデビュー曲「アンジェリーナ」だ。
40代以上の世代なら、ファンでなくとも知ってる人も多いだろう。

そんな曲で盛り上がらないわけがない。最高潮の中ライブは終わった。

「アンジェリーナ」は1980年発表の曲だ。
オレは発表当時のことは知らないが、中学生の時によく聴いたものだ。

それから30年経った2018年に佐野元春が歌うその歌をオレはライブで聴いていた。


歳を気にせずライブに足を運んで欲しい

たとえば佐野元春のライブの客は、40代半ばのオレが「若い方」なんじゃね?(笑)って感じの年齢層だ。
当然だ。佐野元春が60歳を超えているんだから、ファンだってそうなるだろう。

はっきり言って、見た目、さえない中年が多い。オレだって他人の事は言えないが(笑)
昔からずっと足を運び続けているファンもいるだろう。だけど、もしかして子育ても一段落して久しぶりに、なんて人もいるかもしれない。子供連れで来ているお父さんもいた。
どことなくライブ会場に慣れていない雰囲気の人も多い。

ライブが始まれば、みんな各々のスタイルでライブを楽しんでいた。
若い人たちのライブ会場みたいに、何がなんでも立ち上がってノリよく騒がなきゃ、なんて空気はない。

まったくない(笑)

最初から最後まで座って見ている人もいれば、途中でトイレに(たぶん)出て行く人だっている。
これでいいんだよなーと思う。

オレの席のすぐ前に、頭真っ白白髪のちょっと腰の曲がったおばあさんがいた。70代じゃないかな。一人で来ていた。ライブが始まるとスッと立ち上がって体を揺らしてリズムをとりだした。お!っと思った。やるじゃん、って。コブシだって突き上げる。ちょっとタイミングずれたりするけど(笑)

でも、とても楽しそうだ。

時間が経つと、疲れて席に座る人もチラホラ見えるが、そのおばあさんは座ることはなかった。

昔好きだったアーティストのライブに行ってみたいけど、なんか恥ずかしいな。
もういい年だし、こんな歳でロックコンサートとか行く人いないだろ。
なんて思っている人がもしいたら、全然そんなことないよ。

まぁ、若いロックバンドのライブに行ったら、ちょっと浮いちゃうこともあるけど(笑)同世代のアーティストだったら、まったくもうそんなことないから行ってみたらいいよ。

もちろん、今もまだ音楽が好きだったら、って話だけど。



「アンジェリーナ」を聴きながらタイムマシンみたいだなと思った

過去にもどれるわけじゃない。もちろん未来に行けるわけでもない。
どこにも行けないし、見た目はさえない中年のままだ。

だけどなんかタイムマシンみたいだな、と思った。

30年前中学生のとき「アンジェリーナ」を聴いていたオレ。まわりにいるオッサンオバサンも中学生だったり高校生のときに「アンジェリーナ」を聴いていただろう。それを歌っていたのは今より30歳若かった佐野元春だ。

そして今。
「アンジェリーナ」を聴きながらコブシを突き上げて「今夜も愛をさがーして!」と歌うオレ。
同じように今夜も愛をさがーして!」とコブシを突き上げるまわりのオッサンオバサン。
ノリノリの白髪のおばあさん。

ステージでは60歳を超えた佐野元春が「アンジェリーナ」を歌う。

30年前と今がつながっているように思えた。
あのオッサンも腹は出ていなかっただろう。あのオバサンもピチピチしていただろう。
オレも髪の毛が、うるせーバカやろう。

音楽ってすごいな、と思った。






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